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漫画単行本の表紙,原稿料有料無料問題のこと

何かの問題の議論が出た時に、「え?こんなの答えは一つじゃない?」ってことでも、必ず「違う意見」が出るのが不思議で人間って面白いなぁと思っています

という前置きを思いついた今回のこの問題、遅ればせながらXで話題になったことを知り、この事(漫画単行本用の表紙の描き下ろしに原稿料は必要かどうか)について書かれた何件かのご意見を読ませていただきました

立場の違いを感じた

漫画家といっても様々なので、そしてもちろん対応してくださる出版社さんも様々なので、意見が違って当然ですよね

年齢も関係する、ベテランさん、新人さん、ヒットしてる人、ギリギリで描いてる人(私はココ),デジタルネイティブさんもまた違った視点がありそう

それぞれの歴史や経験があるからなー

でも一つ思ったんです、
「ああ、みんなこのことについて話し合いたかったんだなー」と

すぐには解決策も結論も出ないかもしれないけど、大事なことですよね


気になったご意見いくつか

「単行本表紙の原稿料の代わりに担当さんにいいご飯を奢ってもらうから相殺じゃないかな?」

都会の貴族のご意見
地方で編集部に来られない人や、病気や事情でそうもいかない人はどうしましょう…担当さんも抱えている作家さんみんなに食事を付き合う時間なんかない場合があるだろうし

「そんなにお金を会社から取ろうとしたら予算がなくなって、今より本が出せなくなる。だから無名の人や新人さんは困るよ」

これはあんまりかと…

ごめんなさい、セクハラに似てると思いました
「ちょっと体を弄ぶぐらい我慢しないと仕事なくなるよ?」
みたいな

表紙に何十万も出せとか誰も言ってないと思うんですよ

てか本当に予算ないのかな…?
デジタル化が進んで全体の経費が昔より掛からなくなったんじゃないのかな?
原稿料は低め安定(悲)、印税は紙と変わらずだし、しかし市場は伸びてるけど…
まあ色々そこはあるんだろうなと思うことにしてマスが

漫画にも描きましたが、どうしても会社が苦しいなら国から援助が出ないものかなと強く思います
売れっ子漫画家さん、たくさん税金払ってるし!
売れてなくともかなり取られてるし!(泣)

「苦労の年月」とは

わたくしが語るのもおこがましいのですが、この話題の中心である大御所先生が
「私もすぐに成功したわけではない、◯年苦労しました」
と書かれてて、逆に
「◯年で成功していいなぁ」と思いました

私を含めて多くの漫画家さんは、その◯年どこじゃない年数、大ヒットするわけでもない中描き続けてるんじゃないかな

しかもその先生はヒットまでの◯年、打ち切りにあったとは言えあの時代に何作も連載が続けて出来たわけで、
それはもう私からしたら大成功され続けた方だなと思うんです
羨ましいです

でも、こんな大御所で世間に注目される方が、自分の利益にもならないのに漫画界の問題を語ってくださることは本当にありがたい…!
何か変わるかもしれないですしね

日替わり宣伝コーナー

私の電子単行本は有料無料のハイブリッドな巻があるのです

「新・究極のM」の電子単行本2巻のカラー表紙↓

元は短話版の白黒表紙でした↓


塗りたくなるの

表紙白黒のご依頼でも毎回個人的に色塗ってて(掲載誌で使われるのはもちろん白黒原稿)、これはカラーバージョンが気に入っていたので単行本に使ってもらったという…そんなこともあります(^人^)
白黒の分の原稿料はいただいてるのでこの場合はどっちだ⁈

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