「次亜塩素酸水」の取り扱いや、販売事業者への注意を、経産省、厚労省、消費者庁が合同でとりまとめました

1.今回の発表について

色々問題があった「次亜塩素酸水」の取り扱いや、販売事業者への注意を、経産省、厚労省、消費者庁が合同でとりまとめています。

新型コロナ対策に必要なアルコールが不足し、人々の不安につけいるように、有効性が不明である「次亜塩素酸水」が、景品法違反、薬機法違反のおそれがある表示による宣伝・販売が行われていました。消費者被害が拡大し、健康被害に発展しそうな中で、多くの科学者、医療関係者、消費者関係者が声を上げて、省庁が連携をし、ここまで大々的に公表できたことは、非常に画期的だと思います。

2.次亜塩素酸水の有効性や使用法について

「次亜塩素酸水」の使い方について
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf

「次亜塩素酸水」は適切な使用法を守れば、新型コロナウイルス対策に用いることができます。
ところが、注意書きを見てもらえば分かると思いますが、ウイルス対策を有効にするためには、濃度が高い物を使用する必要がありますし、また人体への影響も心配する必要があります。
学校で空間噴霧で使用するなどあり得ませんし、アルコールのように、手軽に使える代物ではないことが分かると思います。

20200626013-4 「次亜塩素酸水」の使い方について1

20200626013-4 「次亜塩素酸水」の使い方について2

3.製造・販売事業者向けの注意点について

次亜塩素酸水について、製造・販売事業者向けの注意点
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-5.pdf

重要な点について、いくつか引用します。
販売手法に、かなり問題があると分かると思います。

2.製造・販売における注意
事業者におかれては、製品の販売にあたって薬機法、景品表示法などの関連法令における規制を遵守ください。特に、手指消毒等の効能効果を標榜した場合は、医薬品又は医薬部外品に該当し、薬機法における指導等の対象となります。また、製品の有効性・安全性に関する試験情報を公表するとともに、品質管理と消費者の安全に十分に留意ください。
3.利用する際の注意
次亜塩素酸水を使って対象物から新型コロナウイルスを除去する場合は、以下の点に注意が必要です。
・塩素に過敏な方は使用を控えるべきこと。
・飲み込んだり、吸い込んだりしないよう注意すること。
次亜塩素酸水を、まわりに人がいる中で空間噴霧することはお勧めできないこと
IV.その他、自主的かつ合理的な選択を妨げ、あるいは法令違反のおそれがあるもの
1.薬機法に基づく承認を得ていないにもかかわらず、手指・人体への効果をうたっている
2.特定の効果・効能をうたっている。
3.薬機法等、関連する法令に抵触する名称を用いている。
4.特許番号を明示せずに、又は特許化されていない技術について、「特許」を優良である根拠として記載しているものがある。


4.参考動画

次亜塩素酸水などについて、消費者法ニュース「ニセ科学」特集にもご寄稿くださった科学者の小波秀雄先生、天羽優子先生、そして弁護士の染谷隆明先生がご出演されるオンラインイベントが配信されます。
司会は、消費者法ニュースにカルト問題についてご寄稿されたジャーナリストの鈴木エイトさんです。

医師の峰宗太郎先生、木下喬弘先生もご出演され、科学と医学、そして消費者法の専門家による、新型コロナウイルスにまつわる諸問題について、わかりやすく解説されています。

ご興味ある方は是非ご視聴ください。


5.酒々井町の状況について

次亜塩素酸水については、消費者被害、健康被害におそれがあると感じて気になっていて、酒々井町役場、保育園、学校などでの使用について、何回か聞き取りに行きました。
酒々井町にも業者が売り込みに来ていたそうですが、ほとんど使われていなかったということでした。
大量の次亜塩素酸水生成器の購入を決めてしまった自治体がある中で、合理的な判断がされたことは喜ばしいことだと思いますし、職員の判断に感謝します。

いいなと思ったら応援しよう!