「パク・ダンナ」
妻は飲みに行っている。
送別会を会社の人達が開いてくれているらしい。
手ぶらじゃ申し訳ないからと、「麻布かりんとう」を10袋も買って、会社の人に細やかだが渡すらしい。
妻はそういうところがしっかりしている。
偉い。面と向かっては言えないが。
そんな僕はというと、1人家で自由気ままにご飯を食べ、お風呂に浸かり、最近ハマっている「お米のマスク」を使って、肌を潤している。
「パク・ダンナ」
僕と妻はパックした僕をそう呼んでいる。
裏の説明には5分程度と書いてあるが、15分は軽く超えて皮膚と同化するくらいに貼り付ける。
そろそろ良いかなと、マスクを剥ぎ取り、7000円もする化粧クリームを顔に自慢げに塗る。
自分の顔の皮膚たちが喜びつつも、高いクリームに引いているのが伝わってくる。
そんなの使ったことないだもの。
かれこれ「お米のマスク」は、2週間も続けている。
毎日、毛穴がしまっていくことがすごく純粋に嬉しいと感じるようになってきた。
10年後20年後の自分の顔に今から投資しておこう。
そんな気持ちで頑張って続けている。
そろそろ、妻が帰ってくる。
どうせ酔っ払って絡んでくるのだろう。
臭いし、うるさいけど、
まぁ、別に嫌いじゃない。