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炙りちゃんの実録哀しきヲタク回顧4 「読書の時間。」
マジキチアニメのイイ声 大体前田剛
炙りトロサーモン。です。
さて。
親に大学まで行かせてもらって偉そうに言うことじゃないんですが、私、書物を読むという行為がとても苦手なんですね。
まあ大学出てようが出てまいが、私も苦手だよ〜僕も読めない〜って人はいるでしょうし、多分大学云々は関係ないと思うんですけど。
昔仲良い人に「炙りちゃん見てると、大学行ってなんの意味があんのかなって思うんだよね。実際意味あんの?」って聞かれたくらいなんで、そういうことです。関係ないです大学出た出てないは。
まあ、その仲良い人のその言葉は多分確実に私を貶そうと思って言ったと思うんですけどね。結構言葉ピリついてましたからね。「 仲良い人」って表記してるけど「仲良い(?)人」が多分正解ですからね。
とはいえ、たしかに大学行って勉強らしいこと一個でもしたかって言われるとなんも言えないですね。留年デッドレースやってたし。教授にも虫ケラを見る目で見られてましたし。
それに、「意味あんの?」と聞いてきた彼女は私より先に地に足つけて飯食ってたんで、そりゃあそう思いますよねって感じでした。それにそれを聞かれた日、私が大分遅刻したんでね。ちょっと懲らしめてやろうみたいな気持ちもあったとは思います。ごめんね。
さて、話を相当逸らしちゃいました。
書物読むの苦手な話に戻します。
そんなこんなで書物を読むことが苦手な私。
今でこそ暇だし、新社会人なんで、本を読む機会が多いんだけれども、中高学生時代は全然本を読んでませんでした。勉強嫌いだったんで。教科書開こうもんならそこによだれ垂らして寝てましたね。
もっとも、中高生時代に本を読むとなれば中学生の時の【読書の時間】でしか読んでいませんでした。
この【読書の時間】、なんなのかと言うと。
自分が通っていた中学校で設けられてたもので、これまた自主性のかけらもない、月曜の朝に強制的に本を読まないといけない時間なんです。
担任に見張られながらですよ。
生徒が教養を身につけるためとかなんとか、マクドナルド先生が言ってましたけど。
あ、マクドナルド先生って言うあだ名の男の先生がいたんです。前髪M字だったんでマクドナルド先生って呼んでたってだけの話なんですけどね。
まあ、真面目なんで、先生の言う事だけは聞いちゃうんで、私は本を読む人ではないから家にあるよくわからん父親の経済指南書とか形だけ毎週毎週持って行ってたんですね。
でも、本開いてもつまらんので半分白目むいて寝ちゃうんです。読書の時間、20分しかないけどもう無限に感じられるんです。あとで「読書の時間カード」っていう紙に3行くらい感想書かないといけないないのに読めないんです文字が。
精神と時の部屋ですよ。
そんな中、よくわからん父親の経済指南書なんかの代わりになるアイテムをゲットしたんです。
『銀魂 銀魂高校3年Z組 銀八先生』です。
当時週刊少年ジャンプ連載中だった『銀魂』をノベライズしたもので、大崎知仁先生という方が書いてたんですね。原作主人公坂田銀時が高校教師になって、他キャラクターが生徒とか同僚とかで、みたいな設定なんですけど。
原作に負けず劣らずというか原作をそのまま小説にした感じですごい面白いんですよ。初めてです。文字読んでゲラゲラ腹抱えたのは。
しかもこの小説、というかまあほぼラノベみたいなもんなんですけど、途中に銀魂作者空知先生の書き下ろし漫画4ページくらいが収録されてたんです。だから、文字読むの辛くなったら漫画読んで、それから文字読んでゲラゲラ笑って、みたいな感じで読めてたわけですね。
まあそんな感じの本を私はいつからか持ち歩くようになったんですけど、この銀八先生ってさっきも言ったように漫画とか挟まってるんで、「中学の読書の時間に持ち込む本」として相応しいかどうか、ちょっとグレーゾーンだったんです。
それでも読書の時間を精神と時の部屋にしたくなかったんで、持って行きました。
まあ当然ですけど、同級生に「それ漫画じゃ〜んケラケラ」みたいな感じでイジられまして。
ちょっと恥ずかしいんで「いやっ、ちょっ、ちっげ〜し!!漫画じゃねえ〜しっ!!」みたいな反応しちゃいました。
それで、いざ読書の時間になると、いじられた後だし、なにしろさっきもいいましたが私真面目なんで「やっぱこれ違反物なのでは…??」「怒られたらどうしよう」とかグルグル思い始めちゃうわけです。正直銀八先生どころじゃないです。こっちは目がもうギンギンですよ。メゾンドギンギンです。もう違う次元で時と精神の部屋脱出しちゃいましたよ。
私、あんまりにもソワソワしすぎてキョロキョロしちゃったんですね、その時。
そしたらですね、合っちゃったんですよ、目が。
彼と。
トゥ↑ル⤵︎ル⤴︎ッ↗︎
トゥ↑ル⤵︎ル⤴︎ッ↗︎
トゥ↑ル⤵︎ル⤴︎ッ↗︎
トゥ↑ル⤵︎ル⤴︎ッ↗︎
マクドナルド先生です。
もうね、ジッと見つめ合っちゃうんです。
何事か、というくらいには見つめ合っちゃうんです。
こっちはもうさっきから持ち込み不可かわからん本のことで冷や汗ダラダラになってますから、怖くなっちゃって動けないんですね。
目ん玉飛び出るかと思いました。
そんな焦る私に、何も知らないマクドナルド先生。
優しかったです。
なんと、スマイルいただきました。
いいんですか、そのスマイル。
0円でもらっちゃっていいんですか?
嫁と娘に分けてるそのスマイルもらっちゃっていいんですか?
そんなことグルグル考えてたら、タイミングよくチャイムが鳴っちゃったので、スマイル無双時間は終わっちゃいましたけど。
その後帰りの会で、「漫画が途中収録されている本はあまり持ち込まないように」と言われました。
たまたま目が合ったのは私の銀八先生を吟味してたのね。というか読んだことあるのね。そうじゃないと、漫画収録されてるの知らないものね。
私を見つめてたとかじゃなかったのね。
でもね、私はあのスマイル、忘れません。
ありがとうスマイル。
ありがとうマクドナルド先生。
そして貴方に I'm lovin'it.
(完)
炙りトロサーモン。