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道を作るのが好き



子供の頃、隣の工事現場を眺めているのが好きでずっと眺めていた。
何が面白かったかというと、一輪車にコンクリートを積んで細い板を渡した足場の道や橋を巧みに通っていく様子、そしてその道が日々付け替えられて変わっていくこと。

小さな庭のある家に住んだ時は、玄関への通り道を変えて裏山から石を拾ってきて小さな枯山水風の庭を作った。
野山に行って小さな沢を見つけると、小さなダムを作ってダム湖を作った。

小学校になって地図帳をもらうと日々地図帳を眺めていた。そして架空の地図を描き、市町村を書き込み鉄道を通して楽しんでいた。

小さな箱庭のような世界を作ることが好きで、それは今の絵の世界に通じていると思う。それは早くに自覚があったけれど、だいぶ後になって気づいたのは、私は道を作るのが好きだということ。

薮を刈り払い機で草刈りながら踏み分け道を作っている時、奇妙な高揚があった。短い迂回路や短絡路を作ったりするのも好きだったりする。もし小さな重機があって運転できたら、そこらじゅう回遊式の道を通すに違いない。


切り通しのような道


この積雪を掘って道を作る時、似た高揚に襲われてて、こうやって人1人が通れるようになると妙に興奮する。

私は道を作るのが好きなのだ。

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