地域の空気を”肌で感じる”には旅行では足りない。観光の旅から暮らす旅へアップデートしてみよう
引き続き観光統計の話。
五島市の現在の滞在日数平均は1.53泊。※1
日本人の国内旅行滞在日数平均2.31泊。※2
滞在日数の短い旅行は移動に近い
海外旅行だともっと長いと思うけれど、基本的に長期休暇を取る習慣のない日本では旅行期間はとても短い。五島市の滞在日数はさらに短い。もはや移動が半分近かったりもする。移動も楽しいですけどね。
休息や気分転換でホテルや旅館に行くのであればそれでも良いかもしれません。でもせめて2泊3日。何もしない日が1日はある方が旅行の醍醐味とも言える、いつもとは違う場所にいる感覚を味わえます。
たくさんの観光スポット巡るツアータイプの旅行だと、そもそも違ってくるかもですが、ここでいう旅行はゆっくりとした時間を過ごしたり、いつもと違う環境で価値観を広げたりする個人旅行のイメージです。
1ヶ月いると暮らしを肌で感じられる
我が家の場合は、新婚旅行で世界一周していた際は期間を1ヶ月、滞在先でも数を回るのではなく、しっかり滞在することを目的に1箇所を4−5日ずついるスタイルでした。
移住をした昨年もベトナムと福江島に1ヶ月弱ずつ滞在していました。
1ヶ月いると暮らしている感じがします。
スーパーや地元のお店で買い物したり、わかりやすい名物以外のものを食べたり、偶然出会う人やモノとのつながりを楽しんだり、仕事とのバランスを取りながら日々を過ごしたり。目的地に行くための移動ではなく、暮らす空気が生まれて、地域を肌で感じる気がします。
地域にとっても、若者のパイを取り合うような移住者増やす取り組みよりも、地域を愛して、遊びに来て消費してくれて、友達にもおすすめしてくれる、旅先としての純粋想起第一位に置いてくれる人を増やすことが望ましいはず。その方が現実的です。ブランド・エクイティ戦略な感じ。
目指すはバカンス、暮らすような旅。
とはいえ、1ヶ月でも地域を感じるには少し足りません。
生活を整えたり、土地勘を得たり、リズムができてきたりと、3ヶ月くらいあるとなんとなく感じられる気がします。
3ヶ月まとめてとるのはなかなか厳しいかもだし、僕もできてない。
あくまでも理想。
まずは1ヶ月でもいいと思うので、海外のようにある程度まとまった期間を一つの地域で過ごすことは、価値観も広がって良いことじゃないのかな。
それって昔で言うバカンス。
※バカンス、バカンス法については NPO法人安心院グリーンツーリズム研究会の記事が詳しいので参照されるとよいかと思います。
「バカンス法の制定」http://www.ajimu-gt.jp/page0119.html
ただ、日本の場合は長期休暇をとるシステムは採用されない現実があります。
そこでコロナ禍により、新たに生まれた可能性がワーケーション。働きながらだったら、認める企業も増えてくるのではないでしょうか。これからどうなるのかが楽しみです。
観光旅行にとどまらない、暮らすような旅。
これがもっと増えて、地元までいかなくても、”いつもの旅先”のような場所をいくつか持てるようになるといいな。
※1 令和元年 五島市観光統計
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s054/030/020/010/010/kankotoukei.pdf
※2 令和2年版観光白書 概要 https://www.mlit.go.jp/statistics/content/001348580.pdf
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