コンゴ共和国、カメルーン、サントメプリンシペ?
短いニュースですが、考えるべき重要な事柄があります。
中央アフリカの数か国が、水中文化遺産保護条約の批准と地域の文化遺産保護の強化に向けトレーニング・ワークショップを開催!
いや、ほんとにこれだけ…ですが、膨らませます。
①カメルーン、コンゴ共和国、サントメプリンシペ共和国
みなさまは、これらの国々をご存じだろうか?サッカーファンならカメルーンは知っているだろうし、コンゴは名前ぐらいは…どっちのコンゴ??
これらの国は、決して裕福な国ではない。GDPなんか、200位に近かったりする。そんな国々が水中文化遺産の保護をしようと頑張っているのだ。コンゴ共和国など、そもそも160kmしかない。
そんな国が水中文化遺産保護を進めている。まあ、マリのような内陸国がすでに条約を批准しモンゴル国など批准に向けて調整を進めていることを考えると、160kmの海岸しかなくても、やはり批准に向けて取り組むべきであろう。
そう、水中文化遺産の研究は、裕福な国だけが行っているものではなく、世界各地で保護が進んでいる。これらの文化遺産は、アフリカ現地の地域の人々の歴史理解に欠かせない存在であると。それは、ヨーロッパの沈没船などではなく、地域に根差した文化遺産。
②意外や意外、これ、インド発のニュース記事
アフリカのニュースでも、おそらく報道はしているだろうが、私が最初に見つけたのは、インドからの記事。なぜ?
インドは、海洋文化を重要視しており、首相率先してさまざまな海洋文化の解明に向けた取り組みを実施しています。国立の海事博物館の建設など。海洋問題には、水中文化遺産を以下に保護するかも含まれており、インドは21世紀を新たな海の世紀としている。
自由で開かれたアジア太平洋地域という言葉も、インドは海洋進出を進める中国との関係から見ています。海の平和の維持と自国の経済的優位を示すには、歴史的にインド洋に君臨して平和の海を保ってきた保護者としての歴史を強調する必要があります。実際はどうであれ、国民が海に感心を持つことは、海洋開発などを通して経済を発展させるためにも必要不可欠であるとみています。
海洋文化や海に関する学びはインドにとって重要課題。それ故、水中文化遺産保護に関する報道は、ここ数年、メディアが好んで取り上げています。
③ユネスコ条約の目的とは?
良く皆さんが勘違いしているのが、「ユネスコ水中文化遺産保護条約は、トレジャーハンターに対抗するためにできた国際条約である」ということ。宝を積んだ沈船などをどう保護するのか…。それが重要であると。しかし、それは、そもそも条約の目的のほんの一部にすぎす、ほぼ解決している過去の問題に過ぎない。
で、ニュース記事を見ると、様々な水中文化遺産が危機にさらされていると…。え、海の中の遺跡って比較的守られているのでは?
危機にさらされている元凶は、漁業、オイルや資源の採掘、規制のない観光、海洋汚染を挙げています。そう、SDGsの課題に見えませんか?そして、トレジャーハンターの「T」の字も出てこない。Tではなく、「S」=
Sustainableの文字が見えますね。
開発により多くの水中文化遺産が消滅の危機にある。それらを守らなければならないと…。そして、この脅威が自国民の活動によるものであると。つまり、国民の理解が深まり、政府が対策を取れば、保護できるのである。そのための、トレーニングコース。
まとめ
と、短い記事ですが、そんなことを読み取ることができます。いかがでしょうか?
日本は、比較的GDPも高く、また、海岸線は3万キロあります。それなのに、水中文化遺産保護に関しては、政府はほぼ無関心を貫いています。最貧国でも当たり前に行っていることを、日本ではできていない…
なぜなのでしょうか?
今一度、世界を見つめる必要があるのかと思います。
世界では、すでに数十万件の水中遺跡が発見され調査が行われている。最貧国でも国際的な枠組みの中で水中文化遺産の保護をすすめています。そして、海洋問題の一つの課題として文化遺産の保護を扱っています。日本の内閣府は、いつになったら目覚めるのでしょうか?