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「業界変革のHub」を担うバーティカルSaaSのインサイドセールス

はじめに

はじめまして。株式会社Shippio セールスディレクター兼インサイドセールスマネージャーの竹原(@kousuke__7)と申します。
Shippio(シッピオ)は、貿易を支える国際物流領域のSaaSとBPaaSを提供するスタートアップです。製造業 / 商社 / 小売の企業さま向けにサービスを展開しています。

今回のnoteでは、私たちが考えるバーティカルSaaSにおけるインサイドセールスの「あるべき姿」や、試行錯誤しながら実際に取り組んでいる内容について書きたいと思っています。
また、バーティカルSaaSのインサイドセールスの難しさ(面白さ)や今後実現したいことも書いていきます。
今回のnoteは下記のような皆さまに読んでいただけると嬉しいです。

  • SDRやBDRなど幅広いインサイドセールス業務で成果を出し、大きな挑戦ができる環境を求めている人

  • インサイドセールスとしての市場価値を高めたいと思ってる人

  • インサイドセールス / フィールドセールス経験を積んで、マネジメントにチャレンジしたい人


Shippioインサイドセールスチームのテーマ

セールス部(インサイドセールス・セールス)として、「国際物流を【コストセンター】から【プロフィットセンター】へ」というテーマを掲げています。

島国である日本にとって海を越えた貿易取引は必要不可欠であり、貿易を支える国際物流は社会インフラと言っても過言ではありません。
そのような、日本になくてはならない国際物流ですが、実は50年間イノベーションが起きていないと言われており、いまだにアナログツールが使われている重厚長大な産業です。

また、上の図の通り国際物流領域はコストセンター扱いされるケースが多く、新しいチャレンジへのハードルが高くなっており、「ヒト / カネ」が集まりにくい状態になっていると言えます。
私たちはまずは国際物流領域の「コストセンター」からの脱却、そして「プロフィットセンター」に変えていく組織になることを目指しています。
その中で、インサイドセールスチームは「業界変革のHub」となる組織を目指しています。
業界変革を目指すうえで、インサイドセールスがビジネスサイドの「起点」となり、事業をスケールさせる存在になる必要性があると定義しています。

インサイドセールスを管掌することで強く感じた魅力

私自身、フィールドセールスとして入社して以降、フィールドセールスマネージャーや新規事業開発、カスタマーサクセスのマネージャーを経験しており、インサイドセールスは未経験でした。
そのような自分が感じたインサイドセールスの魅力の1つは、どの「The Model」のチームよりも、PDCAを高速で実行できる点です。
具体的な取組みは後ほど記載しますが、Slackでは下記のようなやり取りが日常的に行われております。

インサイドセールスのメンバーがSlack上でチームにフィードバックを依頼する様子
フィードバックをもとに成果を出した報告!!!!

また、インサイドセールスは価値訴求などの情報「提供」だけでなく、数多くのお客さまと直接会話ができるので情報「収集」も可能です。
マーケティングでは質の高い情報収集が行いにくく、フィールドセールスでは収集できる情報量に限りがあります。
インサイドセールスは、情報提供 / 情報収集の両面で「質 × 量」ともに担保できる組織です。
例えば、インサイドセールス起点で新機能や業界動向などを発信(情報提供)しながら、企業の方々からはリアルタイムな業界ニーズの変化や明確なプロダクトフィードバックも捉えることが可能です。

The Modelのあるべき姿を目指して実行していること

私の個人的な意見としては、「The Modelの各チームは対等であるべき」と強く思っています。
各チーム同士で健全な牽制ができる状態でなければ、The Modelはスケールできないはずです。
例えば、インサイドセールスがフィールドセールスの指示に従って動き続けることは不健全で、お互いに持論をぶつけ合いながら改善していくべきです。
そのような組織を目指すうえで実際に取り組んでいることをご紹介します。

①質に向き合った共通KPIの設定

Shippioのセールスチーム(IS / FS / CS)では、下記のような共通KPIを設定しています。
インサイドセールスのKPIが改善することで、後続のフィールドセールス / カスタマーサクセスのKPIも改善していくように、共通KPIとして「案件化率(有効商談率)」を設定しています。

案件化率(有効商談率)は、フィールドセールスの商談フェーズに基づき、明確な条件を設定しています。

具体的には、フィールドセールスの案件化(フェーズ01 → 02)の条件をもとに、「ミッションや課題(お困りごと)の把握」や、「課題解決できることの理解」などを設定しています。
また、インサイドセールスとフィールドセールスからそれぞれKPIオーナーを選抜し、日々改善に努めています。
なお、案件化率(有効商談率)は、PDCAを高速で回すことにより、3ヶ月で40%改善しています。

②ドメイン知識 / お客さま / プロダクトに向き合える環境の構築

弊社は国際物流業界のサービスを展開しているため、一定のドメイン知識が必要になります。
どのサービスもドメイン知識は必要だと思いますが、バーティカルSaaSの場合は特に重要です。
また、「案件化率(有効商談率)」を共通KPIに置いているため、ただ商談機会を獲得できれば良いというわけではありません。
インサイドセールスも「業界」「お客さま」「プロダクト」に正面から向き合う必要があります。
向き合うべき理由は下記noteに詳細を記載しています。

一方で、The Modelのチーム毎に「必要な知識の深さ」があるとも考えています。
共通KPIを設定することで、各チームで必要な知識を定義することが可能となりました。
案件化するまでの知識(ミッション / 課題の把握や課題解決の提案)は、インサイドセールスとしても必要な知識と明確に線引きしています。
ドメイン知識 / お客さま / プロダクトに向き合える環境を作るための具体的な取組みをいくつか紹介します。

1)ドメイン出身者のウィークリー勉強会
国際物流は、世界情勢や天候などとも大きく関係し、刻一刻と状況が変化していきます。
そのような業界動向をタイムリーかつ適切な情報量でキャッチアップできるように、週次で勉強会を開催しています。
堅苦しい勉強会ではなく、気軽に参加できるような雰囲気で開催しています。

ドメイン出身者のウィークリー勉強会の案内。めちゃくちゃラフですw

2)成功事例共有会
商談作成後のお客さまの成功事例(サクセス事例)について、週次でインサイドセールス / フィールドセールス / カスタマーサクセス合同でミーティングを行い、お客さまに「評価していただいた点」「つまづいた点」「横展開できる点」などを共有しています。
3)商談同席 / 商談動画の共有
お客さまに許可をいただいた商談については、録画して社内で視聴できるようにしています。また、インサイドセールスが商談に同席することもあります。

③心理的安全性のあるプロダクトフィードバックの仕組み

インサイドセールスが情報収集で「質 × 量」を担保できると上述しましたが、情報収集した内容をアウトプットできる環境も重要です。
特に、インサイドセールスが情報収集するプロダクトフィードバックはお客さまの中でも顕在化したCriticalな機能不足と言えます。
Shippioには、社内チャットで気軽にプロダクトフィードバックができる環境があります。
もちろん、一定のドメイン知識があることが前提となるので、2つ目の取組みとはセットになります。

インサイドセールスがSlackに投稿したプロダクトフィードバックの一例

④チームを超えた連携ができるShippioの「One Team」意識

Shippioでは、行動指針であるバリューをAnchors(アンカーズ)と呼んでいます。
そのAnchorsの中には「One Team」というバリューがあり、これが連携しやすい文化醸成に繋がっています。
インサイドセールスとして、新しいリードが足りなければ、既存のリードから掘起しの施策を行えば良い!
フィールドセールスとして、初回商談が足りなければ、ウェビナーに登壇して獲得すれば良い!
というマインドで、チームの垣根を超えた連携が増えています。
直近のウェビナーでも、セールスチームから6回登壇する予定です。

ウェビナーの一覧。私もここ1カ月で3回登壇してますw

重厚長大な産業ならではの難しさ

様々な取組みを実行していく中で、重厚長大な産業かつバーティカルだからこそ感じる難しさもあります。

①比較対象できるシステムが無い難しさ

Shippioのシステムのリプレイス元は、ほとんどが「Excel」「メール」「電話」などのアナログなツールとなっており、もともとシステムを導入しているケースは限りなくゼロに近いです。
以前実施したアンケートでは、案件管理ツールが「Excel / スプレッドシート / メール」という回答が大半でした。

Shippio作成の商談前アンケート結果

つまり、「機能比較」「料金比較」で差別化を行うことができないので、コールの中で機能や導入メリットをイメージできるように伝える必要があります。
実際に私が行ったコールでも、15分かけて丁寧に伝えたうえで、電話口でご納得いただいて商談をトスアップしたのですが、フィールドセールスからは「どの機能も初見のように驚いてくれました」というフィードバックを受け、重厚長大な産業のSaaSの面白さ(難しさ)を痛いほど感じました。。。

②ヒアリングとナーチャリングの重要性

ホリゾンタルSaaSと異なり、限られたリードの中で事業をスケールさせる必要性があるので、コールのヒアリングとコール後のナーチャリングが重要だということは共通認識だと思います。
上記の通りに1回のコールでは伝わらないケースもあるので、お客さまの関心ごとや背景、理由をしっかりとヒアリングし、興味関心に合わせたコール後のフォローアップも重要です。
日々、チーム内のナレッジを集約し、横展開できるような仕組みも必要です。

これから実現したいこと

「業界変革のHub」と言えるインサイドセールス組織の追及

記載のような取り組みを行っている一方、まだまだ改善できる点は多いです。

  • 新規リードに頼らないスキル / 仕組み作り

  • 新機能や事例に合わせたインサイドセールス起点での柔軟なターゲティング

  • 案件化率(有効商談率)の高度化

  • フィードバック以上のプロダクト開発への関与

などなど。
重厚長大な業界を変革するためには、インサイドセールスのパフォーマンス向上が必須です。

チーム間の活発なキャリアチェンジ

今までに記載したビジネス上での連携はもちろんですが、今後はもっと活発なキャリアチェンジが起きるような組織を目指していきたいです。

Shippioのインサイドセールスにはドメイン知識を取得できる環境が整っており、マーケティングやフィールドセールス、プロダクトチームとも密に連携できます。
他部署と連携することで、マーケティング / プロダクト開発に関する考えや、セールススキルなどを身につけられます。
また、新規事業として新たなサービスもリリース予定ですので、将来的にはインサイドセールス / フィールドセールス組織の立上げなどにもチャレンジできます。

キャリアにおいてもインサイドセールスを起点にマーケティングやフィールドセールス、事業開発などに広げていく仲間を増やしていきたいです。

最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。
重厚長大な業界を「コストセンター」から「プロフィットセンター」に変えるという大きなことを成し遂げるためには、インサイドセールスが「Hub」「起点」になる必要があります。

The Modelの各チームと連携しながら、この大きなミッションを達成するためにコトに向き合える仲間を探しています。
インサイドセールスのメンバーがより細かい内容で発信しているので、ぜひ見ていただけると幸いです。


Shippioの事業やインサイドセールスに少しでも興味を持っていただけた方は、カジュアルにお話しましょう!
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