【おてて絵本】『やさしい』のまち 2
⭐ おてて絵本は、両手を本に見立て、想像力を働かせて物語を作り上げていく親子遊び。(ウィキより)
✨ 見えなかったよ ✨
おててを合わせゆっくりひらいたら、
きょうもみえるかな?
『やさしい』のまちのおはなし。
ほら、見えてきたのは小さなおうちの
女の人と小さなこども。
どんなお話してるのかな?
おかあさん、きょうね、あのね、
せんせいが『やさしい』の話をしてくれたんだよ。
赤ちゃんはみーんなお母さんのおなかから
『やさしい』をもって生まれてくるっていってたよ。
うん!
先生がそういってたの。
ぼく、ぜーんぜん知らなかった。
おかあさんはしってた?
えっとね、なんかね、
『やさしい』の色とか形とか、
「ほかほか」か、「ひやひや」かとか、
『やさしい』はどんなのか
いーーっぱいお話したの。
でもさ、へんだよね。
『やさしい』ってみえないよね。
ぼく、みたことも、
さわったこともないよ。
でも、言えなかったんだ。
笑われちゃうとおもったら、
先生にもいえなかったんだ。
みんなが黄緑色だっていったり、
うさぎさんとか、
お星さまって。
見えないのはぼくだけ。
おかあさん、おかあさん、
ぼくがわるいこだからみえなくて、
みんなはいいこだからみえるの?
え?
ちがうの?
でも、みえないよね?
ぼく、みたことないよ!
『やさしい』は
いろんなところにあるの?
教えて!教えて!!
かえりみちにもみたって、
『やさしい』って、
みちにおちてるの?
へぇ、、、あのでこぼこって、
『やさしい』だったんだ。
目が見えないひとのみちだって
ぜーんぜん知らなかった~!
しんごうもそうなの?
見えない人もわかるように
「わたっていいよ」の音がするって
ぜーんぜんしらなった。
そっかぁ。
『やさしい』はみえないけど、
みちにあるんだね!
みみがきこえないひとは
どうやっておはなしてるかって?
しらない!!
どうやるの?
おてて?
おててでおはなしするの?
おかあさんできる?
みせてみせて!!
「ありがとう」ってぼくにもできるかな?
んっと、これで「ありがとう」?
そっか、これならぼくにもできるよ!
えっ、これも『やさしい』なの?
しらなかった~!
あした、お友だちに言ってもいい?
ねぇ、おかあさん、
『やさしい』って
いっぱいあるんだね!
はーい、おやすみなさーい!!