心の「素顔」で生きてきたー精神療法家物語ー
Ⅰ] 煩悶と訴え
1)苦しみ
「とても苦しかった。」
と、一言では、とても言い尽くせない気持ちでした。
明日が来るのがとても嫌だった。朝、このまま目を閉じたままで、深い海の底に潜っている貝のようになりたかった。
目を開けるのも、開けると外の景色が目に入ると心に圧力がかかり、気持ちが乱れ、脳が疲れてくるようなのです。とにかく、身体を横にしたい。横にしていても、次々に嫌な思いが勝手に出てくる。
「どうにかしてくれ。」
と叫びたいけど、その声も心の静けさを破るようなので出ないのです。
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