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生きる力
これは19歳の頃にmixiの日記に書いたもの。
時々、子どもの頃から共に過ごしたペットのことを思い返すことがある。
この日記の数日後には空へいってしまった愛犬の生きる力。
リビングでそのまま寝ていた私は台所の勝手口から慌ただしく出ていく父の行動で目が覚めた。
その扉の向こうには、9年共に生きている愛犬がいる。
すぐにまた発作が始まったんだと思った。
でも、いつものことやからと思って気にも止めず目を閉じた。
しばらくしてまた目が覚めると、愛犬の苦しそうな声が家の中まで響きわたってた。
母も起きて2人で様子をみているようだった。
今日は落ち着くまでに時間がかかるなあと思いながら
体はまだソファーの上。
いつの間にか部屋で寝ていた祖母までもが様子をみに来た。
そして、この状況にはいつも何か感じるのか相棒(猫)までもがドアの所から様子を伺ってる。
そんな大きな事態という現実を受け入れたくないという思いから、また眠りにつこうとした。
でも 寝ている所から首を右に向ければ丁度一直線にドアがある位置に私はいる。ドアがスライド式の窓になっているから外の様子はだいたいわかる。
目が覚めきった私はようやく体を起こして愛犬の元へ行った。
思っていたよりひどい状況だった。
愛犬は元々、癲癇(てんかん)という脳の病気を持っていて 全身の痙攣がおこる。
いつ起こるかわからないその発作は
ここ2年間で頻繁に起こるようになり 直面することが多かった。
昼間、愛犬を触ってる時
いきなり硬直し口を激しくガクガク震わせ泡を吹き、そのまま後ろへ倒れて激しくもがきながら全身の痙攣がやってくる。
5分くらいその状態が続くと、愛犬は何ごともなかったかのように意識を取り戻す。
物凄く息は荒くなってるけど そのままいつもの愛犬になる。
初めてみた時は物凄く怖かった。
それが頻繁に起こるからそんなに気にもとめなかったけど、今日は異常だった。
1時間くらいたってようやく落ち着いた。
愛犬からは、耳を塞ぎたくなくような悲鳴しか聞こえない。
でも、どうすることもできない。
舌でしか体温調節できないからか、全身には水がかけられて、親の手によって水を飲まされてた。
激しくもがき動いたのか全身は泥だらけ。
立ち上がって歩いても方向感覚もわからない愛犬は
足がもつれ激しくこけたり、鉄で造られた囲いに思いっ切り正面からぶつかり倒れる。
本当にこんなのみたくないけど
愛犬が必死に生きてるんやって思うと、絶対に目を背けられない。
どんな状況でも一緒に乗り越えていくのが家族や。