シオコレエピソードvol.10 「シオコレのお直しのこと」
シオコレには、おもしろくてたまにグッとくるエピソードが店内のそこかしこにあります。
店を訪れた方とスタッフの間で、そんな話で盛り上がることもしばしば。
せっかく豊富なネタがあるので、それを共有していく不定期SNSコラム企画 #シオコレエピソード も第10回を迎えました。
今回は、シオコレのお直しを担当してくれているご近所さんについてのお話です。
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シオコレスタッフが神様と呼ぶ方を、もうお1人ご紹介します。
それはシオコレ専属でお洋服のお直しを引き受けてくださっている田中さん。
シオコレの商品だけではなく、お客さん私物のボトムスの裾上げや、ウエストゴムの調整など、さまざまなお願いをしています。
シオコレから徒歩10秒以内のところにお住まいなので、とにかく近く(奇跡としか言いようがないです!)、お客さんから承ったらすぐに田中さんにお渡しできて、何ならその日のうちに綺麗に仕上げて持って来てくださるのです。お客さんに連絡すると「早や!!」と言われて、シオコレは毎度ニヤリとしています。
「難しいことはできないからね。」とおっしゃるのですが、なんのなんの。
今まで、どこからも断られた、とか、べらぼうに高い見積もりを出された、というお客さんの依頼も、経験による目から鱗の発想でチャチャっと、あっという間に直してしまわれるのです。お客さんもシオコレも、その手腕に何度感動させていただいたかわかりません。
しかも「お店にお客さんが来てくださるように」と、とても良心的な価格をおっしゃってくださるので、相場よりずいぶん安く、みなさんにお気に入りのお洋服を直していただけているのです。
朗らかで元気な田中さんは、塩屋の海を護る西向き地蔵の地蔵講を長く続けてくださっているお1人だったり、ご近所のさまざまな文化サークルでも欠かせないキャラクター。
物腰は柔らかいのに、カラリとしていて、くよくよしない。周りまで明るくしてくださる上に、できることはしてあげたい、という奉仕の心の持ち主。
そしてとても誠実な方なので、信頼が厚い。
肝が座ってらっしゃるのは年の功もあるのかもしれませんが、やはりもともと気丈夫な方なのだと思います。
ここまで褒めちぎると嘘みたいなんですが、本当に素敵な方なのです。
シオコレオープン時、「困ったら何でもゆうといでね」と言ってくださって、ご近所さんに受け入れていただけるか不安だったシオコレにはたいへん心強く、お直しのことだけでなく、色んな相談をさせていただいてきました。
倉庫が無くて悩んでいた私たちに、倉庫に使える近くのお家を紹介してくださったのも田中さんでした。
「もうすぐ90になるのよー!」とおっしゃいますが、お若く見えるのもあって、何かというと、今もついつい頼ってしまうのです。
…甘えてばかりではないか!と、ハッとするシオコレ。感謝の気持ちをもっとしっかり伝えたい、田中さんが困ったときには、何かできることをしたいと心を引き締めるのでした。
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お直しの依頼主と一緒に現物を見ながら、ここはこうすればいいね、とその場で提案してくれる田中さん