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救命講習を受けた話

ある夜夫と食事中、夫の様子がおかしくなった。
困ったような顔で固まっていた。
窒息か?と思うも、一般的に窒息時に行うチョークサインは特に出してない。

これがチョークサイン

噛みきれないまま飲み込んだ肉が喉に引っかかってしまったらしい。

結局夫が自分で喉から引き摺り出してことなきを得たのだが、その間私は「え、どうしたの」と言いながら背中を叩くことしかできなかった。

もしもの時大事な人を助けられないんじゃ嫌だと思い、窒息時の対処法を調べたときに、消防庁主催の救命講習の存在を知り、即座に予約した。

そして当日、朝9時に会場の消防署に到着すると30人近くの受講者がいた。

みんな仕事柄来なければならなかったのか、私みたいに何か思うところがあってやってきたのか、わからないけれど老若男女さまざまな人がいた。

そして始まった。
まずは座学。

実際に倒れている人を見つけ、AEDを使って救命したという家族のエピソードや、
小学校で急に児童が倒れたものの死戦期呼吸と呼ばれる「ゆっくりとあえぐような呼吸」があったために、周囲の人間はまさか心臓が止まっているとは思わずに、校内にあったAEDが使われず失われた命があったという事例の紹介(のちに、この事故を教訓とした、ASUKAモデルという教員研修等のためのテキストができたそう)

ビデオを見た後は早速実技(8人1班)
よく見る心肺蘇生訓練用の人形とAEDが置いてあり、消防局の方が救命処置の手順を説明してくださり、一人ずつ一連の流れをやってみることになった。

市民が行う一時救命処置の手順は以下の通り

  1. 安全確認
    まずは周囲の安全を確認。

  2. 反応はあるか確認
    肩を叩きながら「大丈夫ですか!聞こえますか!」と声をかける

  3. (反応がない・判断に迷う場合)大声で応援を呼ぶ
    119番通報・AED依頼

  4. 普段通りの呼吸はあるか確認
    しゃくりあげるような呼吸は死戦期呼吸という心停止直後に見られる呼吸なんだそう=普段通りではない

  5. (呼吸がない・判断に迷う場合)ただちに胸骨圧迫を開始する
    強く(約5cm沈むくらい) 胸の真ん中
    速く(100~120回/分) アンパンマンのマーチ(なんのために 生まれて. なにをして 生きるのか~の方)のリズムで
    絶え間なく(中断を最小にする)
    ※30回繰り返す

  6. (人工呼吸の技術と意思があれば)人工呼吸2回
    胸骨圧迫×30回と人工呼吸×2回の組み合わせ
    人工呼吸は息を吹き込みすぎず(1秒以内)一回ずつ口を離して息を吐きだすのを待つ
    もし、人工呼吸に抵抗がある場合はほかの人に依頼するか、自分しかいなければとにかく胸骨圧迫だけでも行う。

    AEDあるいは救急隊が到着するまで、5.6を繰り返す(ほかの人に頼んでもいい)
    途中で嫌がったり、顔をしかめる様子があれば中断して様子を見ながら救急隊を待つ

  7. AED装着
    大体パッドにどこに貼るかイラストが描いてあるので、一枚ずつ着実に貼り付ける。ここで大事なのは、一回貼ったものは絶対はがさないこと。
    一回剝がすと二度と使えないらしいので、向きを間違えた、胸に貼ると書いてあるものをわき腹に貼ってしまった、といった場合でも、とにかく心臓を挟んだ位置にあればいいのでイラストと逆の配置でも構わないとのこと
    一回電気ショックを与え息を吹き返しても、また心停止する場合もあるのでとにかく救急隊が到着するまでパッドは剝がさない。

大人は胸の上の方と脇腹。幼児は胸元と背中。

訓練だとわかっていても、いざ人形を目の前にするとなんか緊張した。
これが実際の人間相手だったらちゃんとできるのかなぁと心配になった。

でも、参加している方って本当にまじめでふざける人なんて一人もいなくて、それがなんだかとてもうれしかった。

AEDの講習の後は窒息への対処をご指導いただいた(背部叩打法と腹部突き上げ法)

これで夫がのどに何か詰まらせても対処できそう、でもびっくりするのでちゃんとよく噛んでほしいです。

次は、上級救命講習を受けるつもりです。

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