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これから一歩を踏み出すあなたへ。心温かくなる魔女の教え

💡この記事は、キャリアスクールSHElikes(シーライクス)での制作課題を修正し、投稿したものです。
テーマ:「好きな本をおすすめしてください」

あなたは、今の環境を変えたいと感じることはありますか。または、生きづらさや居心地の悪さを感じて、悩んだことはありますか。『西の魔女が死んだ』は、悩んでいる人が前を向けるような、生きるヒントになる小説です。
 
この作品は小説家である梨木香歩さんのデビュー作で、1994年に出版されてから小学館文学賞など、今まで3つの賞を受賞しています。2008年に映画化もされており、すでにご存じの方も多いかもしれません。
 
私はこの小説が大好きで、定期的に読み返しているのですが、新しい環境へ進もうと考えている人や自分を変えたいと思っている人の背中を、そっと押してくれるような作品です。
 

「自分で決める力」を鍛える魔女修行


どういうお話かというと、中学生の主人公であるまいが、おばあちゃんと過ごした日々を回想する形で、物語が始まります。まいは、中学校に入ってまもなく不登校になり、その後1ヶ月ほど、大好きなおばあちゃんと一緒に暮らすことになります。

まいのおばあちゃんはイギリス人で、自然に囲まれた家で暮らしています。人々からは「魔女」と呼ばれています。
まいは母親から、「昔から扱いにくい子」などと表現され、ショックを受けてしまうシーンがあるのですが、おばあちゃんにとってまいは、感受性が豊かな自慢の孫。おばあちゃんは、まいと一緒に暮らせることも喜んでくれました。
 
おばあちゃんと一緒に過ごすなか、まいはおばあちゃんのように強く生きていきたいと思い、魔女修行を始めます。それは、「自分で決める力」を鍛えることでした。
 
どのように鍛えるかというと、まず規則正しい生活をすること。そして自然とふれあい、お気に入りの居場所を作ること。基本的なことですが、心を鍛えるにはこれが大切であると、おばあちゃんはわかっていました。そしてまいは、おばあちゃんと過ごす穏やかな生活のなかで、多くのことを学んでいきます。
 
強く生きていくためにはどうすればよいのか。立ち止まってしまったとき、どう乗り越えていけばよいのか。話が進むにつれて、まいの成長が感じられます。
 

大人になっても読み返している本。読むたび心が浄化されていく


私がこの作品を知ったきっかけは、中学生の頃。夏休みの宿題で、読書感想文を書いたときでした。当時の私は思春期真っただ中。まいと同じように学校に馴染めず、日々生きづらさを感じていました。ですが、だからこそ読みながら共感することも多く、この本の優しく穏やかな世界観に引き込まれていきました。
 
大人になった今でも、この本は定期的に読み返していて、そのたび温かい気持ちになります。人はみんな、幸せになれるようにできているから大丈夫。そうやって優しく、声をかけてもらっているような気がして、この本を読むと、心のモヤモヤがゆっくりと溶けていく感覚になります。
 
10代の多感な時期に出会った作品でしたが、あれから何度も、おばあちゃんの言葉に救われています。大人になった今だからこそ、前を向きたい人には読んでほしいと思います。
 

新しい環境へ進むのは悪いことではない


なぜこの作品をオススメしたかというと、ストーリーの中で出てくる、大好きな言葉を紹介したかったからです。それは、

「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」

というおばあちゃんのセリフです。

これはまいが、不登校になった理由をおばあちゃんに話したとき、そして新しい学校へ転校するか悩んでいたときのシーンで、おばあちゃんはまいに、無理に今の場所で苦しみ続ける必要はないのだと、環境は自分で選んでいいのだと伝えたかったのです。

その後まいは転校することを決め、新しい場所で両親と3人で暮らすことになります。 私はこの言葉から、新しい環境へ進むことは悪いことではない、ということを教えてもらいました。
そして実際、この本に背中を押してもらったおかげで、私は学生時代も転校を経験し、大人になってからも地元から離れて暮らすことを決め、新しい街へ引っ越しました。

それだけではなく、最近はやりたいことを見つめ直し、転職活動をしています。これは自分がのびのびと生きていけるよう、好きなことを続けようと決心できたからです。
 
このように、この本で出会えたおばあちゃんの教えは、大人になった今でも、私の心を明るく照らし続けています。あなたもかならず、読むと明るく温かい気持ちになれるはずです。
 

 最後に、新しい環境へ進もうとしているあなたへ


私はこの本に出会ってから、自分の幸せは自分で決めていく、そういう私であり続けたいと思えるようになりました。『西の魔女が死んだ』は、今の環境で悩んでいる人や、自分を変えたい人にこそ読んでほしい作品です。

そしてまいとおばあちゃんの会話で、「おばあちゃん大好き」「アイ・ノウ」 という掛け合いがあります。このふたりの温かさに、思わず涙が溢れてきます。
きっとあなたも前向きな気持ちになることでしょう。

💡この記事は、SHElikes(シーライクス)のスクール課題で執筆したものを修正し、投稿したものです。

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