2007B志乃【お迎え待ちの花嫁】
元の色などまるで分らないほど風雨にさらされて枯れ透けていても、豪奢ながくの群れはしっかりと残っていた。たっぷりと寄り集まっている姿は、羽枕のカバーをそっと切り開いたように柔らかな密度を感じさせる。触った瞬間にほろほろと崩れて落ちそうなところまで、袋に詰め込まれた羽の塊そっくりだ。
しおらしげに花首を折って風に揺られる姿は、さながら花嫁姿の亡霊だった。
株ごと枯れてなお雨を待つ、冥道の迷子。
ご支援を頂けましたら、よりいっそう頑張ります!
元の色などまるで分らないほど風雨にさらされて枯れ透けていても、豪奢ながくの群れはしっかりと残っていた。たっぷりと寄り集まっている姿は、羽枕のカバーをそっと切り開いたように柔らかな密度を感じさせる。触った瞬間にほろほろと崩れて落ちそうなところまで、袋に詰め込まれた羽の塊そっくりだ。
しおらしげに花首を折って風に揺られる姿は、さながら花嫁姿の亡霊だった。
株ごと枯れてなお雨を待つ、冥道の迷子。
ご支援を頂けましたら、よりいっそう頑張ります!