見出し画像

展覧会の絵

先月末に大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏会へ出掛けた。
演目はラヴェルにちなんだものでまとめられていて、
前半がラヴェル作曲「ラ・ヴァルス」「ピアノ協奏曲ト長調」。
後半がラヴェル編のムソルグスキー「展覧会の絵」という構成。

「展覧会の絵」はよく演奏される組曲だと思う。
随分前にCDで通して聴いた時にはあまり印象がよろしくなく、
陰鬱なイメージが残っていた。
だからこの日の目当ては前半に登場する小林愛実さんのピアノ演奏だったのだけれど、「ピアノ協奏曲ト長調」が素晴らしかったのは勿論のこと、
後半の「展覧会の絵」の演奏がとても軽やかで、聴いていて楽しかったことが予想外の喜ばしいことだった。爽快感すらあって、楽団と指揮者が違うとここまで印象が変わるものかと驚いた。(この日の指揮は高関健さん)

先日、ノーベル文学賞をハン・ガンさんが受賞された。
母は彼女の本を読んだことがないと言うので、持っていた詩集を
渡したところ、翻訳に違和感を感じる、というのだった。
「小説じゃなくて、詩だからじゃないの?」と答えたところ、
そうではなく、日本語の言葉の使い方そのものに対する違和感だという。
これが所謂ジェネレーションギャップなのではないのか、と。
私達は韓国語が堪能ではないので、なんとも言えない・・・。
ということで特に話にオチがあるわけでもない、雑談で終わった。
私は違和感なく読んだ詩集だったけれど、実際のところ原文で読むのが
いちばんいいのだろう。

音楽は言語を超えた領域だから、こういう違和感は存在しないだろうけれど
解釈の幅はより広いような気がする。
機会があれば、また今回とは違う「展覧会の絵」を聴いてみたい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?