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映画『まる』

昨日、映画『まる』を観に行った。映画はいつも初回上映時間帯に行くことにしているので朝から出掛けたところ、入口で昔のネガのような栞をオマケにいただき、上映後には生中継の舞台挨拶を観ることができた。ちょっとお得な感じ。

監督は荻上直子。キャストがとても素敵な俳優さんばかりでそれも楽しみにしていた。主役は当然のこと、綾野剛、森崎ウィン、小林聡美、早乙女太一、片桐はいりがとても見事で、特に片桐はいりはもう、片桐はいりに見えず、ただのあやしいおじさんにしか見えなかった。すごい。あやしいといえば早乙女太一の胡散臭さも後からじわじわくる。

内容は、宣伝媒体のゆるさとは違ってとても「今」の映画で、台詞ひとつひとつがとても批評性のある脚本。それでいて普遍性もある。私が好きな漫画に益田ミリ『ツユクサナツコの一生』があって、その作品と双璧をなす映画だと思った。どうしてひとは、漫画を描いたり絵を描いたりしてしまうのだろう。役に立つ立たないってどういうこと。お金を稼ぐってなに。ものの価値って誰が決めるものなの。等々、ぐぐっと体に刺さるようなテーマが凝縮されている。テーマをきちんと受け手に届ける為に、軽やかな上着を纏ったような仕立てになっていて、そこはこの監督の変わらぬ個性。

繰り返し観たくなる映画でした。


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