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2019GW-山形経由で帰省の旅(後)

前回はこちら↓ 今回後半は写真少なめ・文章多めですごめんなさい

初めての山形県!

前回、板谷峠を越えて、上杉氏の城下町・米沢にたどり着いた。ここまで約8時間半、そろそろ疲れが出てくるころだ。

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乗り換え時間はたったの2分。初めて来た米沢の街をもう少しじっくりと見てみたいのはやまやまだが、写真だけ撮って向かいのホームにいる山形行きに乗り込む。ここも郡山と福島のような関係で往来は盛んだが、この列車は2両編成のワンマン運転。そこそこ混雑している。

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遅れてきた東京行き「つばさ」の到着を待ち、3分遅れの13時43分に米沢を発車。ひとつ前の関根で複線区間は終わっており、単線になることでローカル感は倍増する。これでも福島・山形・秋田・青森をつなぐ大動脈なのだが。

1992年の山形新幹線開業で他路線との直通ができなくなり、「つばさ」以外の優等列車が走ることはなくなったが、その名残か駅の設備は立派だ。

この辺りは置賜地方と呼ばれ、中心はやはり城下町・米沢。だがその範囲は地味に広く、飯豊町や小国町なども含まれている。

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赤湯で山形鉄道フラワー長井線が分かれていった。今泉・長井を通って白鷹町の荒砥に至る路線で、白鷹町は米沢藩に縁のある白鷹山のふもとにある町だ。

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盆地の底を走っていく。車窓の大半を占めるのは田畑、それとビニールハウスだ。果樹王国と名高い山形は、果物畑も多い。そして見える山々は東に奥羽山脈、西に朝日連峰だ。

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かみのやま温泉を出ると、上山城の天守閣が見えてくる。上山藩がおかれ、ここも城下町として栄えた。現在は温泉街として、たくさんの観光客が訪れている。

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遠くかなたに見えるがひときわ目立つあの白い山が朝日連峰だろうか。こうして記事を書いたり動画をつくったりしているのだから、山の名前も少し覚えたほうがいいかもな、と思った。

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山形に着いたのは14時29分。次の列車までは微妙に時間があったので、改札を出てみた。改札の上に時刻表が掲げられている駅は珍しい(首都圏にはあまりない気がする)。なお今回は駅舎の外に出る時間はなかったので、次回訪れたときは駅周辺の散策もしてみたいものだ。

最終コーナー・再び奥羽山脈を越えて

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次に乗車する仙山線の列車に乗るべく7番線に向かったが、乗り込む前に隣にいるディーゼルカーを見てみる。
これは次の駅・北山形から分岐する左沢線の車両だ。さくらんぼをはじめとした果樹栽培が盛んな寒河江を経由して、大江町の左沢に至る路線で、「フルーツライン左沢線」の愛称がつく。ちなみに読みは「あてらざわ」せんである。

寄り道したい気持ちをぐっと抑えて、14時56分発の仙台行きに乗る。ボックスシートを確保して、さあ体裁は整った。

定刻通りに発車。2つ先の羽前千歳までは奥羽本線だが、あちらは新幹線が乗り入れている関係で軌間が違うため、線路は別々だ。
北山形で先述の左沢線と分かれ、奥羽本線と平面交差して、羽前千歳で分岐。ここからがいよいよ仙山線だ。

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徐々に山へ分け入ってゆき、しばらく進むと山寺だ。かの松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅程で訪れ、名句「閑さや 巖にしみ入る 蝉の声」を詠んだ立石寺があり、観光名所として現在も訪れる人が絶えない。

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山寺を出ると緑はさらに深くなり、宮城県との境に向けて高度を稼ぐ。人家もあっという間に絶え、2つの国を隔てるように立ちはだかる山々に挑むかのように、列車は山を登っていく。紅葉のシーズンには車窓からも紅葉を望むことができるが、落ち葉で空転が起きやすく、しばしば遅延するという。

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山形県最後の駅であり仙山線で最も標高が高い駅、面白山高原を出ると面白山トンネルに入り、宮城県に入る。このトンネルは全長5361mで、1937年の開業当時は日本で3番目に長いトンネルだった。

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宮城県に入ってもなお景色は変わらず、下り勾配に転じて山を下る。だがここはすでに仙台市内で、終点の仙台までずっと仙台市内を走る。

宮城県最初の駅であり宮城県最西端の駅、奥新川に着く。ここもかつてはハイカーで栄えたが、人口の減少に伴って駅利用者も減り続け、一日の平均乗車人員は20人を割っている。また「新川」の地名は作並にあるニッカウヰスキー仙台工場からきている。

作並で山形行きと行き違う。先述のニッカウヰスキー仙台工場が駅から1.5㎞ほどのところに、また作並温泉が2㎞ほど離れたところにあり、現在も利用者がそこそこいる。ちなみに作並から北仙台までは日本の鉄道で初めて交流電化がされた区間である。

愛子からは本数・利用者とも一気に増え、通勤・通学区間となる。ここまで観光客が目立っていた車内にぽつぽつと地域の人たちも増え始めた。

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仙台に近づくにつれて、高い建物が増えてくる。そして、同時に旅の終わりも近づいてくる。仙台まで来れば、目的地の鹿島までは1時間ほど。あと少しだ。

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そして東北本線を跨ぎ、仙台には16時25分に到着。
さすがに疲れが体にきたか、駅周辺を歩き回る気力は残っておらず、半分意識が飛んだ状態で16時55分発の原ノ町行きを待った。

そのラストランナー、常磐線の原ノ町行きにやっとのことで乗り込み、ボックスシートを確保したとき、何とも言えぬ安堵感と寂しさが僕を包んだ。ああ、あと少しでこの長い旅も終わるのだ、と。

4時間ぶりの東北本線。岩沼からはいよいよ常磐線に入り、東北本線と分かれて阿武隈川を渡る。
亘理、山下、新地、相馬と停まってゆき、そのたびにお客さんを降ろして、僕をゴールへと連れてゆく。

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18時08分、鹿島到着。全行程終了。
所要時間、13時間08分
移動距離、522.9㎞

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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