
循環させるコトを為す
今朝のニュースで、起業クラスターという言葉を聞きました。
誰も彼もがentrepreneur(起業家精神)というポジションに触発されているという。
起業やスタートアップ、主に米国からやってきた波長はデジタル世代には当たり前に浸透している様子。大陸とは違い、日本は海に守られ生かされている島国だから、米国のそれとは若干、趣が異なるように見えますが、何はともあれ起業するにはお金との付き合いが欠かせません。日本は最近になって、子どもに金融教育を始めたり、学生のうちから起業したりと、人生経験が少ないヒトに“対価"を考えさせる向きが盛んですが、どういう教育を施すかによって、ヒトとして在り方自体も様変わりする可能性を感じています。全てが"お金ありき"にならなければいいなぁ。
起業は中長期的な成長を目指す、地に足着いた事業がベースであるのに対して、スタートアップは短期的にインパクトを与える事業だと言います。いずれにしても、必要なのは“着想(発想)"と“活動の原資となるお金の収支リテラシー"。やりたいことをやる、という今時の風潮は聞こえはいいけれど、誰もがその二つのバランスを帳尻つけてうまくやれるわけではないと思うのです。データによると、起業した内の7割は数年で撤退していくという話もあり、似た様なことをやるだけでは自然淘汰されるわけで(かといって奇抜なアイデアは万人に好まれるわけでもないし)、決して甘い世界ではありません。
因みに、若い世代に好まれるスタートアップについて、3つに分けて解説する記事を見かけたのですが、概ね、創業者は①上場を目指す野心家、②上場ゴール(上場後に事業を売却)を目指すブリーダー、③仲間と楽しくやりたいことをやる仲間志向の3タイプに分けられるそうです。いずれにしても、自分がどんなタイプかを心得て、スケールやコストを過剰にせず、継続していける様に管理する能力は必要だと思います。個人的にはこれからは、お金は儲け所有する時代ではなくなり、社会にお金を循環させる時代になることを願います。過剰に持っていると、そのお金を目当てに群がるヒトコトモノはいくらでもいますから、自分の守備範囲を心得る(足るを知る)ことは継続する上で、地に足着いた計画という大事な準備にも繋がります。家計簿をちゃんとつけられるヒトは向いているかもしれませんね。あとは、自分の欲求が欲望に変わるのを防ぐ抑止力。ブレずに自分を保てる核がないと難しいかもしれません。
平成世代はSGDsがベースにあり、社会問題解決型のソーシャルビジネスに取り組むヒトが増えたと聞きます。さらにこれからは、“モノゴトの正常化や健全化"に取り組むヒトが増えるのかも?日本は膨大な債務が世界的に問題視されているので、"どうお金を稼ぐか"以前に、お金の収支や使い道をちゃんと考えられることが大前提となりそうです。財政健全化の先に、世界を俯瞰したスケールメリットが描ければ、大きなインパクトを与える事業となるかもしれません。
未来は、株主にどれだけ還元できるかより、暮らしの為に循環するマネーが増えるとよいのでは。富裕層じゃないから言える一言だと思いますが、土から風へと移行するならば、ごく一部のヒトだけが潤う今までの在り方をすっかり変えてしまうヴィジョンもありかと思うのです。想像の領域はお金はかからないし、自由なのだ。西洋から始まった産業革命の200年から、東洋で描かれる風の時代は意識革命の200年へ。そんな風に捉えてみるのも個人的にはあり。この記事読むヒト殆どいないし、影響力を持たないのもまた、自由な発想でいられるとポジティブに受け止めつつ、未来に希望を書き綴ろう。歪まず澱まず、流れる水のように行き届き循環する暮らしぶりで、生命の営みは地球を満たしてゆく。そんな未来の可能性を信じていよう。