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[revision en 14 mai] Mettre ma créativité en action

前回の投稿にて、自分でマスクを作ったことと、
それを希望される方に合計で30枚を「提供」したことを書きました。
「提供」した後、何人かのお問い合わせもありまして、
今でも手探りで考えながらでありますが、試しに「販売」することにしました。

「販売」という方法で提供することと、その理由
初めて自分で作成したパターンで縫製したマスクを30枚、
様々な環境で過ごしている人に提供しました。
概ね、それを好意的に使用してくださっています。
そして布のマスクを使用した中での感想や疑問もいただきました。

使用してくださった人の中で、
私が歩いて行動できる範囲で会うことのできる人に関しては
彼らが使っている場面を拝見してのヒアリング、
同時に私も1ヶ月ほど同じものを使った上で気がついた、
改善点を反映した、新たなサンプルを作りました。

二人の方に、最新サンプルと旧サンプルを比較していただき、
着用性能が向上したという評価をいただいた時、
修正版のマスクを希望された方の一人に言われました。
「あなた自身の仕事で、きちんと世の中のお金を回しなさい。」

この1年ほど、私は企業に勤めず定職を持たず、
個人の製作でのウェアの提供や、自分の中での製作や勉強をしています。
そろそろ何かしらのお勤めを探そうとしているときに、
自粛要請を受けて、今に至っています。

5月に予定していた展示会も、延期か中止か分からず、
ドレスのかわりに作るつもりはなかったマスクを作ることになって、
それを無償でやり続けて、自粛を続けていても、
政府は国民が、自粛要請を守りを継続できる施策を準備できていません。

私にマスクを作って欲しいと希望した人は、この状況の中での機会を使って
マスクを販売するように勧めてくれてもいました。

でも、布のマスクを作って売っている人はたくさんいて、
今では材料すら手に入れることが難儀するくらいです。
そして、作家さんによるSNSや通販サイトで販売されている人の価格を見ると、
私はその人たちと同じ価格で、この仕事を続けられないとも思っていました。

そもそも、私が作りたいアイテムは、
手に入らない「使い捨てマスク」に代替できる「布マスク」ではなく、
緊張も多い今の生活の中でも、身に付けることでストレスにならないような、
無意識に着けられる「衣服」のようなものです。

モニターサンプルを手にした人が、そんな私の意図を理解して、
マスクを使ってくれているならば、私は幸せです。
その「価値」を正当な金額にするには、さらに何をすればいいのか?
そんな課題を少しでも解決できる方法を考えていました。

正直、マスクを作ることよりも、
販売に関しての条件をいろいろ考えることに時間がかかりました。
作業経過の写真をアップデートしていましたが、
それをみて予約を希望される方に対して、
はっきりお返事できなかったことを心よりお詫び申し上げます。

「販売」の条件
価格と販売の条件は下記となります。

マスク:”ナウシカ”
色:杢ブルー、ネイビー
サイズ : M/L
¥2000/ 1枚
送料:¥120/日本国内(普通郵便:数が多いとレターパック¥370)
購入個数の制限はありません

尚、今回購入されて、実際ご使用された上で、
サイズやパターンのカスタマイズをご希望した
再オーダーを同額の¥2000/1枚で、承ります。
ただし、全く同じ材料で作れない場合もあることをご理解ください。
Mask "Nausicaä"
Color : Melange blue or Navy
size : M/L
¥2000/1pcs
Shipping fee : ¥120/limited in Japan(Japan Post)
Unlimited purchase quantity

If you purchased this time and you wanted me to customize the size and pattern, you can Re-order for the same price as ¥2000/1pcs.
However, please understand that I mat not to make it with the exact same materials.

画像1

(色は実際とちょっと異なります。)

2020年5月14日
ネイビーのLサイズも完売しました。
Mサイズは各色ご用意できます。
Lサイズをご希望の方は、一度お問い合わせくださいませ。

2020年5月10日
杢ブルーのLサイズは完売しました。
Lサイズはネイビーのみ販売しますが数に限りがあります。

¥2000という価格設定は本当に悩みました。
それでも、まずは試してみて、結果を見ることにしました。
価格が高価だと思われる方は、他で安価に販売されている
布マスクの購入を、お勧めいたします。

そもそも、個人の作家には布マスクを作って
ウェブやSNSを使って販売している人はたくさんいるので、
私から購入したいと思った経緯の中に、
「手頃な価格で購入できるから」という理由は必要ないと思います。

尚、今回購入されて、実際ご使用された上で、
サイズやパターンのカスタマイズをご希望した
1度目の再オーダーにかぎり¥1500/1枚で、承ります。
ただし、全く同じ材料で作れない場合もあることをご理解ください。

カスタマイズはサイズや形状だけでなく、
フィルターを入れるポケットの追加なども含まれます。

でも、この立体形状のマスクを購入した後、
次はプリーツのマスクを作って欲しいというような
違う形状に対する再オーダーはご遠慮ください。

マスクにノーズワイヤーを挿入したものを
希望される方もいるかもしれませんが、
その際に限り、材料費と加工賃で¥300ほど価格が高くなります。

今回ご用意できるマスクの数には限りがありますが、
購入枚数の制限を設定しません。
必要な枚数を自由にお申し付けください。

条件を考えた「経緯」
これからマスクを着用するということは、
衣生活の一つのデフォルトになるような気がします。
そうでなくても、今のウイルスが収束したとしても、
ウイルスが蔓延する前とは全く同じ世界には戻らないと思います。

余談ですが、かつて、眼鏡販売店のCMコピーでは
「メガネは顔の一部です。」という言葉がありました。
化粧品のCMのコピーでは
「顔の1ミリはウエストの3センチ」という言葉もありました。

マスクも顔の一部になるとするならば、
より多様性が増えていくコンテンツになると思います。
顔の1ミリにこだわる価値があるならば、サイズの合わない簡易的な形の布で
鼻と口を覆う形状が、もっと繊細で緻密になってもいいと思います。

実際にアクセサリーのような独自のセンスで
マスクを作って販売しているアパレルブランドもあります。

はじめ、私が自分でパターンを開発するのでなく、
単にダウンロードした型紙のマスクを作って友達に送ったら、
「参考までに」という言葉が添えられて、
サイズの合っていない着用写真をお返事にていただきました。

この「参考までに」の対応として、私はどうすればいいんだろうか?
確かに職業柄、型紙を修正しその人に合わせたものを作りたくなります。

でも今まで、私はオーダーいただいた方の着心地やサイズに合わせて、
独自の設計での衣服を作ることでお金をいただいています。

そのことを今の状況を鑑みて、自分のパラダイムシフトとして、
「今までの仕事を今回は無償でやる」ということを一回やってしまうと、
ずっと続けなければいけなくなってしまうかもしれないし、
それでは、私はこの社会で生き続けることはできません。

しかも政府は今もなお、
国民が自粛要請を守り続けるための施策を準備できていません。
だからマスクを作る活動を無償でやっている人もいますが、
私はその人たちとは別に、同じ形を大量に提供することでなく、
より個別に対応した設計でのマスクを提供することで、
今回の商品の価値を認めてくださる人に有償で提供することにしました。
そして、有償にする限り、その利益を社会に還元することを考えています。

でも反面、日本の工業規格には顔のサイズに対するものはありません。
ただ私がまず自分の顔を基準にして、
サイズ展開したマスクのサイズが合わないという人に、
アップチャージした料金で設計をした商品を個別に提供することは、
何となく理不尽な部分を感じて、すっきりしなかったことも事実です。

私が自分で作った商品なのですが、工数が多く加工時間がかかるということと、
希望する方にはカスタマイズや改良をしても、価格を維持して提供したいので
初回の商品単価を高く設定することにしました。
不公平が出ることはご容赦ください。

個人的には今後、材料費が高騰しないことを願います。

商品のサイズスペックと取扱について

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上:アベノマスク(W13.5cm×H9.5cm) 中:ナウシカ/M 下:ナウシカ/L

厚生労働省が配布した布マスクと単純に並べて比較しています。
配布された布マスクはサイズが統一されていないと聞いていますが、
拙宅に届いたものは上記の寸法です。

画像5


Mの箇所A:上辺は頬骨を覆うように設定していますが、
Lは頬骨より上を覆うくらい顔に対してのかぶりが深くなります。
頬骨を通る部分ほど立体になっていない、
頬骨上の方が距離が短いので、Lサイズの上辺は短くなります。

Lサイズは眼鏡の鼻パッドでマスクの上辺を押さえることで、
眼鏡が曇るのを防ぎたいというつけ方をする人もいるみたいです。
そこで箇所B:中心丈を1.2cm高くしています。

モニターサンプルとして提供したサンプルよりも
中心丈を1.5cmほど長くしています。
この1.5cmは顎のカバレッジを増やした結果です。
モニターサンプルから設計も変更して、
下辺中央に小さな三日月の形状を追加しています。
この三日月が顎を支えるパーツとなります。

画像4

画像5

洗濯は高温の水での洗濯と乾燥機を避けて、
洗濯機での普通洗濯、もしくは手洗いをお勧めします。
形を整えて干すことで、アイロンがけは不要です。

どんなに考えても「正解」はない
この2週間くらい、ずっと考えてきたことを
整理して、それを明確にするために文章にしても、
まだ、もやもやすることの方が事実ですが、
「ここからやってみよう」ということにしました。

おそらく、ここまで考えた背景に関してのことは、
まだまだ突っ込まれたら、別のストーリーがたくさん出てくるはずです。
そういう外部からのお申し出に対して、全て答えられたら、
万事OKとなるかどうかもわかりません。

こういった迷い、リスクや欲求不満な部分に
ある程度の許容を受け入れていこうと思います。

そういったわけで、完璧と言えるマスクかどうかわかりませんが、
愛着を持って使っていただける可能性を感じた方に
届けられることを想像するだけで幸甚に思います。

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