ハロウィンと発熱
熱、37.7度。書いている場合ではない。しかし書かずにはいられない。ヒートテックの脇の周りがじっとり盗汗で湿る。掛け布団をかぶっていると肉体のまわりにひとつのこたつが出来上がるようだ。
田んぼの畔でひとり木枯らしをくらってるように寒気がして歯がガタガタ震え、頭はバスケットボールを両手でがっちり掴まれているようにじんじん痛い。
なにが私に入り込んだのかは知らないけれど、私の体内に何かいる。
10/31、ハロウィンは地球の北方では収穫祭と冬至、すなわち秋の生産と冬の死のちょうど中間点として祝われた。死者があの世から帰ってきても驚かないように、私たちもお化けの仮装をする。
今北半球はどんどん死のサイクルに入っている。私のからだにもすぅと気づかぬ間に邪気が入り込み、なんだかお祭りをしている感じ。
騒げ。叫べ。生き物よ。
人間でないものに生まれた生き物よ。
しばらく私はその生き物の生息を自分のからだに許そうと思う。なぜなら私も生き物としてこの地球にただ間借りをしているだけだから。