ライティング講座に参加
敬愛する作家、田口ランディさんのクリエイティブ・ライティング講座に参加した。
ここ数年Webライティングばかりやっていた私には、驚きの連続だった。
Webライティングに、読者を揺さぶる情動は必要ない。
大切なのは、
「米Googleの人工知能に評価されること」
この1点に尽きる。
要するに、検索エンジンで1位になることが1番大事。会社に評価されるのもそこ。
だから私は一種の危機感を感じてた。
それは・・・日本語を忘れる。
熟語、ことわざ、まわりくどい比喩、情緒的な表現、そんなものは英語圏のアルゴリズムには書くだけ無駄だ。小学生が書くようなわかりやすい文章が最も認知され、上位表示される。
そして会社はそのような人工知能に対応できる人をトップに置く。
これはライティングとは全く畑違いの、ITとか理系とか、国語やアートとは違う分野のことなんだなと、今回の講座で私はようやく一線を引くことができた。
今回は田口さんご自身のアトリエで少人数で開催され、そのことは自分にはとてもよかったと思う。
門下生?として受講した皆さんとも親しく話せたし、新しい出会いもこれからどんどん濃くなると思う。
笑って泣いて、終わるころにはかけがえのない仲間になるに違いないし、私には新しいスタートを切れたようだ。というか、まだネットやSNSが発達しない原点に引き戻されたような気がした。
昔の私は、今よりもっと多彩な日本語を使っていたんだろうな。
今回のライティング講座を受講して
「自分が本当にやりたかったのは、Webライティングじゃない。読者を揺さぶる文章なんだ。体験を提供する社会貢献なんだ。」
と改めてはっきりと自覚。
金がもらえるからとWebライティングを継続しているけれど、そこの出会いはもちろんかけがえのないものだけれど、安住したまま目標をここに設定し続けてはいけないのだと思う。
ライティング講座の夜は湯河原の旅館に泊まったが、寝られなかった。
その日の興奮もあったし、思考も巡った。
思考しちゃダメだって言われたけど、思考してしまった。
アメリカで漁師をやっている私の友人は「intuition(直感)」って言葉をよく使う。
魚が取れる場所を見つけるためには直感を読むしかない。
そして直感はいつも正しい。
そのことは田口さんがおっしゃっていることと同じだった。
人間が生きることの大前提に直感力は必要なんだろう。そして私たちはそれを信じないか、直感を見ることをやめて普段過ごしている。
言語は感動の共有のために使われない。
Webライティングなんて、人工知能のために書いているんだから、感動の共有なんか考えてたらクビになる世界だ。
宙ぶらりんだった自分が、旅立とうとする瞬間が見える。
これを未来と言うのか。
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