写真機、最初の一台はどうしよう?
ハジメマシテ。
川本史織と申します。写真家です。著書に堕落部屋と女子部屋という女の子の部屋写真集があります。
写真に関わる事を中心に投稿していく予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、初めての投稿。基本的にカメラがないと始まらないのが写真なので、最初の一台について書いてみようと思います。(以下脱線しまくってます。)
写真を始めてみようという方は、カメラ欲しいな?買っちゃおうかな?と思うのではないでしょうか。
今日では、スマートフォンにカメラが付いていて、その性能はコンパクトカメラと同等か、目的によってはそれ以上もあったりします。
スマホのカメラで十分という見方もありますが、所謂、写真機、カメラ、なるもので本格的に、本腰入れて写真行為に耽りたいということもあるでしょう。
先日出会った女の子が
「最近カメラ買ったばっかりなんですよ!」
「何買ったんすか?」
「一眼レフです」
「今時一眼レフとはなんでまた?ミラーレスじゃないんだ!?」
と、一眼レフにした理由を聞いてみると、スマホでは飽き足らなくなってしまい、ミラーレスを買ったらそれでも飽き足らず、結局一眼レフにしたと話してくれました。
そういうケースもあったりするので、本格的に写真を始めよう、本腰入れてやろう、趣味として長く付き合ってみよう、と思う方に、私なりのカメラの選び方を伝授します笑。
その前に私の最初の一台の話。
うちには、父が使ってたカメラがありまして、それを使わせてもらってました。
終わり…。
このようなケース、結構おられるのではないかと思います。
折角なのでどんなカメラかといいますと、黒いNikon FEにマイクロニッコール55mm 1:3.5です。父が落下させたことにより、ピントリングが凹んでてクソ重いです。
そんなマイクロニッコールも未だ現役。
30年以上前とは思えないシャープな写りと豊かなトーン、だと思って使ってます。(ここらへんは個人の主観、自己満)
使いにくいけどたまに使いたくなるのです。
主に複写用。
最初の一台が父のお下がりというのは美し過ぎるのですが、シャッターに不具合があって、電子制御シャッターではミラーが上がったままになることがあったのです(メカニカルシャッターの1/90のみ作動)。実用上問題があったような、ないような微妙な感じではあったので、その後のお話を。
大学(美術系)に入学したとき、制作物や作品の記録に必要だろうということで、親がカメラを買ってやろう、となってました。自分専用機。おそらくこれが、まさに最初の一台ですね笑 (ここらからこの記事の本題に入ってきてる感ある…)
当時はもちろんフィルムのカメラです。
確か夏休みくらいだったか、帰省したときに地元のカメラのキタムラに行ってCanonにするかNikonにするかって感じで父とお店の人と話しておりました。(いつの時代もCanonとNikon。最近ではSONYも熱いかも)
最終的な決定権は私にあるのですが、なんせなんにも分かってない時のことなので、父とお店の人に任せてました。
なんもわかってないものだから、とりあえずズームレンズがいいと。それも望遠付きの…笑
わけわかってないから、とりあえず遠くのものが大きく写る長いレンズが良いものだと思ってたのです。
望遠レンズ=高級かつ良質みたいな間違った解釈。店頭でCanonとNikonを覗いて、触って、レリーズしてと色々やってみて、結局はなんとなくNikonがよくてNikonにしたのです。
見た目もNikonが気に入りました。
決めたのはNikon F-601QDにAi AF nikkor 35-105mm 1:3.5-4.5 の三倍ズームレンズにしました。
ファインダーを覗いてズームリングを動かしたときの感動と言ったらもう大変。
それ以上にオートフォーカス!!!
半押しでピントが自動的に合う「おおおおお!!」の繰り返し。
本当に自動でピントが合うのですから、まだまだ無垢な私は興奮しておりました。
(このカメラとレンズはその後売ってしまいます…なぜならCONTAXが欲しくなってしまったから…バカだオレ笑)
こうして無事、自分専用機を迎えしました。
自分専用機を手に入れてから友人の運転でドライブに行きました。能登です。
何を撮っても楽しい!たのしい!タノシイ!
とある港で沖の方を見ると「?」不思議な光景が。
なにこれ?
??
え?
ええええ???
蜃気楼ぽいw
えええええ!マジか!カメラ持ってきてよかったーーーー!
ここぞとばかりにF601を構えてパシャパシャ撮りました。(フィルムは真夏の炎天下、超絶光量なのにISO1600!ザラっとしたのが撮りたかったのでしょうか…)
この時ほど望遠域があって良かったと思ったことはなかったのですが、なんかあんまり大きくならないな?とも思ってました。
(今思えば105mmでは足りないわな笑)
「こんな貴重な体験、うまく撮れたのか…?」
そんなことは思いもせず、この後もドライブを楽しんだと思います笑
そして…
現像結果は大満足!
ライトボックスに置かれたスライドフィルムはルーペ越しに光りを放っていました笑。光を放っていたのはライトボックスですけど。
当時はフィルムといえばポジフィルムと思い込んでいました。
なぜプロがポジフィルムを使ってるかも理解せずにポジフィルム礼讃な当時の写真業界に踊らされていたのです。
簡単にポジフィルムに触れておきますと、ポジフィルムは印刷原稿用として重宝されてました。故に商用写真を生業とするプロからの需要があったわけです。
私も仕事をし始めた駆け出しの頃から5-6年位はポジでの納品が中心でした。関西では基本的にポジ納品が絶対でした。(納品形態が選べる東京が羨ましくてしょうがないへっぽこカメラマン)
つまり、主にプリントで楽しむアマチュアにそんなもん必要なかったわけですね笑
ちなみに、ポジフィルムにもプロ用とそうではないものがありました。
プロ用は印刷原稿用途として、ベースに薄いグレーが乗っかってました。(理由は知らん笑)
一方、プロ用途ではないものは多少金額が安く設定されており、ベースはクリアでした。
これは、プロジェクターで投影することを前提としたフィルムだったからそうです。
アメリカなどでは撮影したポジフィルムはプロジェクターでスライドショーとして家庭で楽しんだそうです。
川本家にもスライドプロジェクターがありまして、私が小さい時は時々スライドショーをしてくれました。
(今思えばそういう体験が今に繋がってるのかもしれぬ…)
初心者の私もカメラの自動露出が優秀なおかげで露出の難しいと言われているポジフィルムでも綺麗に撮れておりました。マルチパターン測光優秀!感動。
高感度フィルムなので、黒の締まりは浅くザラついてました。
とまぁ、最初の一台はこんな感じです(←フィルムの話ばっかやんけ)。
今思うと、このズームレンズはイマイチでした。シャープなんだけど立体感に欠けるというか…、今ならもうちょいマシに使ってあげられたかもな…涙。
その後にゲットしたカールツァイスのバリオゾナー28-85mm 1:3.3-4 が異常によく出来たレンズでした。素人の私ですらわかるその違いに興奮してました。(ただ、バカだから望遠域85mmが短いなとか思ってました。なんで望遠にこだわってたのかわからん笑)
ボケが強いわけではないのですが、ボケの質感のせいか、ピント位置と背景の分離がよくて、なんとなく立体感があり、全体のトーンがなんとなく良いのです…。なんとなくね、なんとなく…。
当時の私は就活用の作品制作としてコンタックスの広告を作り、このレンズ(カールツァイスレンズ)を評してキャッチフレーズをつけてました。
「時間、空気、その場にいた事実。」
そこにいた事象や時間、目に見えない気配が感じられる描写だったんですねぇ。なんのことやら?なんですが、そういう印象だったのです。簡単に言うと空気感てことでしょうか?
必然的に空気の層は写り込んでいるので、あながち間違いではないと思います。(再び主観、自己満です)
このレンズは今も大事に防湿庫に保管されています。
最近ゲットしたカメラに、マウントアダプター経由で使用出来るので使ってみようかと思ってます。
(20年の時を経てカールツァイスのレンズが使えるようになったのは本当に嬉しい)
話は脱線しましたが、最初の自分専用機F601はこのようにお迎えしました。
現代のように、大量の情報が転がってるわけでもないので、お店でカタログもらって、お家帰って検討して、お店の人、父と相談みたいな感じ。
そして、決め手はズームレンズであるということと、カメラボディのデザインでした。なんとなくNikonが1番良いんだろう、とも思ってたのはあります。
(それからしばらくしてズームレンズはこれ以降、今現在もあまり使わないようになります)
というわけで、最初の一台を選ぶ時、どうするか?発表でーす。
ひとつめ。
カタログスペックもいいけど、基本的に見た目で選ぶのをオススメします!笑!
フィーリング、フィーリング!
いつも触っていたくなるカメラが理想です。撮影行為に及ばなくても、ピント合わせたり、ファインダーやモニタを覗いたり、適当にレリーズしてみたりと、カメラで遊ぶ、カメラと遊ぶことが結構大事なんじゃないかと思います。
遊んでるうちに色々と見えてくるし、いざという時に素早く設定出来ます。
慣れてくると備えの設定も出来るようになります。
先を見越した設定ですね。
いつも一緒にカメラと共にしてると、写真撮る率も上がります。常に電源をオンにしておけば、スマホでやるより素早くササっと撮れることもあります。
ふたつめ。
上級者向け、主にプロが仕事で使うような高級機をおすすめします。
プロがお仕事で使えるということは、ミスが起こりにくく出来てるということです。
ピント、露出の精度が高く、意外とシンプルな操作系です。丈夫に出来てます。
初期投資はかかりますが、後戻りもしにくいです笑。売却時も高値で売れやすいです。おすすめ。
みっつめ。
ライカにしてしまう。または同等なカメラにする。超高級なカメラですね。新品ですとボディとレンズで軽く100万越えますが、中古で揃えたら60~70万くらいで抑えられるのではないでしょうか?
ボディレンズ一体型のライカなどは手に入れやすいかもです。
趣味性が高く、一台買えば一生モノ的なカメラ。新製品も頻繁に出ませんし、価値が落ちない。持ってないからあれなんですけど、ステイタスが上がった気になりそうですし、所有欲は掻き立てられますね。
あと、ふたつめでも書きましたが、高価故に後戻り出来ないですね。
一見高いように感じますが、最悪売却するときにも値崩れしにくいので、トータルでコスパは良いかもしれません。こんなこと書いてる私、先述しましたが、ライカに関してはフィルムのコンパクトカメラを持ってる程度で、所謂M型など代表的なライカは一台も持ち合わせておりません笑。パナソニックのライカレンズも持ってません。
(余談ですが、100万のカメラで撮影します!との謳い文句で仕事しているケースも見たことありますwww)
とまぁ、あんまり参考にならないですね笑。
友人や知人からおすすめなんかある?と聞かれたら、最近ではとりあえずミラーレスにしとけば?なんて適当なこと言ってます笑
(私はミラーレスでの撮影が70-80%です)
この記事は私の最初の一台にまつわるエピソード笑
以上、役に立たないカメラ選びでした。
おまけ
Nikon FEギャラリー
※この写真はLightroomで作ったオリジナルの露光不足フィルム風プリセットをベースに現像しました。カメラはZ7、レンズはマイクロニッコール60mm1:2.8です。マットボードをクリーム色のパーマセル(現シュアー)で留めて、簡易写場を作り、自然光で撮影。レフ板はZ7が入っていた白い箱。レフは白けりゃなんでもいいってもんですよ。テープの色は適当過ぎますね笑
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