個人事業主■海外移住■出国するまでにやることまとめ
個人事業主として国内で活動している人が、海外移住する際にやるべきこととは?夫の海外赴任に家族で帯同するために廃業することに決めた私が、実際に行なった手続きを記録しておきます。
全体像
私が手続きを経験した上でのイメージですが、だいたいこんな感じです。以降で、タイミングの決め方や注意事項をメモしていますので、参考になれば幸いです。
出国時期を決める
まず最初に必要なのが、出国時期の決定です。これは会社からの辞令、またはエイヤで決めましょう。
確定申告の方法を決めて、逆算して最終稼働日を決める
これは、確定申告をいつするかで、どの程度の余裕を持って店じまいをするかを決めましょう。最終稼働日が決まったら、そこまでに収支を確定します。
3月の確定申告期間内にする場合
通常運転で今年度の全ての数字を翌年度の3月に申告する場合は、通常の確定申告と変わらず作業可能です。日本に住民票がない場合、e-Tax経由では申告できないので、納税管理人を選出して登録しておき、その人が3月に申告することになります。家族、友人、税理士など、任意の大人を指定できますので、申告に明るい人であれば可能でしょう。この場合は、出国までに全収入が分かっている必要がないので、最終稼働日は出国日に限りなく近づけることができます。それでも、バタバタするのを避けて1週間前くらいが妥当でしょうか。
出国前にする場合
私は、税理士に納税管理人を頼むほどの収入でも無く、かといって家族に頼める人材がいなかったため、出国前に「準」確定申告を自分ですることにしました。その場合は、収支を準確定申告の書類を提出するまでに確定しなければいけません。正確には、準確定申告後も年度内の事業関連の支出は経費に認められるものもあるので、準確定申告をしても3月に本チャンの確定申告で修正(上書き)できるのですが、海外に行くので追加費用を申告する予定は無いし(月額でかかっているサブスク費用はあるが、無視できる程度)、確定申告問題から一刻も早く開放されたいので、準確定申告一択でした。
すると、プロジェクト完了・費用確定を、この書類作成時点で確定している必要があります。私は単発で案件を受託していたので、基本は前月までの受注でストップし、請求書の発行を申告前に完了する必要があります。この点を見据えて受注するようにしましょう。
私は出国の約一週間前に廃業しましたが、手続きでバタバタしたり、出国後まで長引いてしまったりしたので、もう少し時間があれば良かったなと思っています。2週間あれば行けたかな、という感触です。
代理人を選定する or 準確定申告をする
海外移住後に何かあった場合のために、代理人を選定し、所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書を提出しましょう。(海外移住しても不動産などの資産がある場合等は、代理人が確定申告をする必要があります。)私の場合は、準確定申告をすることにしたため残された難しい手続きは無く、何かあった場合の国内連絡先という位置づけだったので親に頼みました。
廃業届と同時に提出したと思います。
廃業届を出す
廃業届の提出は、廃業後1ヶ月以内。税務署の窓口に直接持ち込むか、郵送での申請が可能です。
廃業日当日の提出はOKだけど、確か廃業前には提出できなかったはず。そのため、確定申告で申告する収支がこの廃業日までに確定させましょう。
青色申告をしている人は、所得税の青色申告の取りやめ届出書も同時に提出しましょう。すると、今年度から青色申告ではなくなります。
国民健康保険の脱退、被扶養申請
市役所の窓口で、国民健康保険の脱退をします。私はここで失敗したのですが、廃業する本人ではなく、世帯主による申請が必要です。申請書記入を直筆でやらないといけないとか何とか。私はこれを知らずに、窓口の人も知らなかったので、自分で海外移住後に連絡が来て、結局、自力での脱退ができませんでした。どうしようかと途方に暮れていましたが、最終的には、夫の扶養への加入手続きのときに、新しい健康保険組合への移行手続きをしてもらい、事なきを得ました。ちなみにこのステップは、資格を失った日から14日以内にしなければならない模様。転出届を出すと窓口で教えてもらえるやるべきことリストに入っているので、同時処理可能。ここは私が失敗したステップなので、皆さまは無事に完了できることをお祈りしております!
転出届を出す
さて、いよいよ転出届を出して住民でなくなります。海外転出の2週間前から提出可能。窓口で転出届を出すと、納税管理人を登録してね、とか、国民健康保険を脱退してね、とか、子どものための申請をしてねとか、TODOをリストアップしてくれると思うので、それに沿ってイライラを押し殺して粛々と対応。無の境地。
ちなみに、最近は在外選挙人登録を出国前にできるようなので、忘れずにやっておきましょう。(出国後でも大使館などでできます。)
まとめ
ギリギリまで受注したいのは山々ですが、引越し前は基本バタバタするので、余裕を持ったスケジュールで進めるようにしましょう。私個人の肌感では、廃業から出国までの期間は、日頃から収支の管理を整理している人は一ヶ月は要らないと思いますが、2週間は欲しいなと。
健闘を祈ります!