花PR 奈良県「葛城の菊」
こんにちは、会社員をしながらフラワーフォトグラファー/ライターをしているshionです。
とっても昔の話(11年前)で恐縮ですが…。大学の華道部に所属しながら、関東学生華道連盟の活動もしていた私。奈良県中部農林復興事務所、農林普及課から連盟あてにご依頼があり、日本橋の奈良まほろば館にて、葛城の菊をPRさせて頂きました。
時が経ってしまったが…当時の記憶も写真も鮮明に残っているので、綴りたいと思う。
葛城の菊とは
奈良県葛城市(かつらぎし)では、なんと大正時代から菊(一輪菊・二輪菊)の栽培が盛んだったとか。太陽の光が朝早くから当たり、逆に西日が遮られる場所に産地が位置し、色鮮やかな菊を生産するには適した場所だったから、だそうだ。
二輪菊とは
二輪菊とは、一本の茎に二輪の花を付けた菊のこと。その二輪は段差がついているのが特徴!生け花の花材として扱うのは、とっても便利でした!!!しかし実は…その背景には生産者の並々ならぬ努力が隠されていて。
二輪菊は初めから、二輪咲きになるのではなく、沢山の蕾がつくため、あえて蕾を二つだけ残し、それ以外の蕾は取り除く作業を行っているそう。(=摘蕾)
この摘蕾は、夏の暑い時期にする作業で、生産者には手間がかかるが…全国一位の生産量を誇るため、またお客様に美しい二輪菊を届けるため、そのひと手間を惜しまず、出荷しているそうだ。
誰が作っているのか
JAならけん葛城花卉出荷組合の生産者によって、作られている。関西各市場(梅田生花、鶴見花き、なにわ花いちば、京都生花、姫路生花)と、東京の大田花きに、生産したお花を出荷している。
二輪菊を使ってみて
ここからは、私の感想になるが…
二輪菊は、とても扱いやすい花材だった。よく見かけるスプレータイプの菊は、沢山の蕾がつき、ボリュームという点は◎だが、どれも背丈が同じであるため、華やかすぎてしまい、間引きをしなければならない。一方で二輪菊は、元々段差があるため、しなやかな茎のラインや、花の顔をしっかり見せることができて良き。
生け花の場合は、アレンジメントのように、沢山の花材を使うわけではなく…2~3種類の限られた花材を観察し、見極めて、剣山に生けていく。その過程で、どの蕾を取り除けば美しい佇まいになるか?どの程度の高さで生けたら、花や葉が生き生きするか?など試行錯誤を繰り返す必要があるが、二輪菊はその必要がなく、扱いやすい。だからこそ、華道初心者やお稽古体験入学の際に、触れて頂きたい花材だと思った。
二輪菊 作品例
(当時のスマホカメラで撮影したため…画質が粗くてすいません…)
展示したのが、秋だったため、ススキや吾亦紅を取り入れて、お月見風の大作に仕上げた。葛城で栽培された「ミス菊」という珍しい菊(ピンク色)も美しかったため、かすみ草をふんだんに取り入れて、和洋でのアレンジ方法も提案。段差が特徴的な二輪菊で、剣山の足元を隠したり、先生によるご提案で、茄子を用いて斬新な作品にもなりました。
11年前ですが…
当時お声をかけてくださった、奈良県中部農林振興事務所の前嶋様
葛城の菊を送ってくださった、JAならけん葛城花卉出荷組合の皆さま
会場を貸してくださった、日本橋の奈良まほろば館の皆さま
ありがとうございました!!!
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