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完全キャッシュレス化ができる理由

ヨルダンの首都アンマンにはBRTというバスが走っている。Bus Rapid Transitを略してBRT。移動手段はみんな車かバスかタクシー…でもそのせいで交通渋滞が大発生という問題を解決すべく、BRTはバス専用レーンを渋滞に巻き込まれることなく走れるというもの(でも一部は一般道路を通らないといけない)

まだまだ路線は少ないものの、最近は首都アンマンの近郊都市ザルカの路線も開通するなど、頑張っている様子。しかし、このBRTとても便利だけれど、とても不便なことに専用ICカードまたは専用アプリでしか乗れない完全キャッシュレスのバスなのだ。ちなみにアンマン市内だと1回乗って0.55JD(約110円)。だからカードかアプリがないと乗車時に乗車拒否される(乗車時に払うシステム)。お釣りなく、お金を持っていたとしても。観光を産業にしている割に、短期滞在の観光客にはとても優しくないシステム。1日バス乗り放題のカードとか発行すればいいのに…

便利なようで不便。でもそこはさすがヨルダン。カードもアプリも持っていない人も実は乗ることができる。その方法は、すでに乗っている乗客に呼びかけてカードかアプリを貸してもらい、入口の機械にタッチ。そして貸してくれた人に0.55JDを現金で払う。そうすれば乗れる。

初めてこの様子を目にした時はその大胆な方法にとても驚いた。日本の社会だったらこんなことできるだろうか?乗車拒否をされてる人を見てみぬふりをしてしまうだろうし、自分がカードもアプリも持ってなくて乗車拒否されたらあきらめてしまいそう。
いや、日本の社会はまず利用者を第一に考えるので、完全キャッシュレス化はあまりにも大胆すぎて出来ないだろうな。
ヨルダンでは、時には乗りたい人が乗客に「誰かカード貸して!」と呼びかけるし、時にはバスの運転手が「誰かカード貸してあげて!」と呼びかける。この臨機応変さにいつもとても驚かされる。こうして、完全キャッシュレス化が出来ている。日本よりもある意味進んでいるのかもしれない。

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