『死を招くファッション』◆アトリエシオネHALLOWEEN2021イベントレポート
2021年10月30日:都内某所
まるで貴族の邸宅のような豪華なスタジオで、アトリエSHIONE初のHalloween撮影会を開催いたしました。今回初登場となる19世紀のドレスたちをまとった貴婦人が作り出す空間は、時空を超えた異次元のようでとても素晴らしかったです‼︎
今回は1825年〜1890年頃までのドレスをご用意いたしました。一口にバッスルドレスと言っても年代や着る時間帯、着る人によって色々異なります。
今回のイベントでも複数の年代のパターンを参照して作成いたしました
ドレスに合わせて、ウィッグや髪飾りも新しいものを制作いたしました!
ロココとは違ったデザイン、形で比べると面白いです。
バッスルドレスの他にもクリノリンドレス(円形のパニエをはいたドレス)を2着と、ストンとしたラインのリージェンシーのドレスも混ざっています。19世紀の100年間で様々に変化したファッションの歴史を一堂に集まるのはとても面白いです。
今回の撮影会のテーマである『死を招くファッション』は、19世紀、実際に起こった史実に基づき決めました。
◆パリスグリーン(シェーレ・グリーン)
19世紀初頭にドイツで工業的に生産され始めた緑色の人工顔料。鮮やかなグリーンは大変に美しく、ドレスの布地の他にも髪飾りに使われた造花、壁紙、おもちゃ、家具などにも使用されました。しかし、鮮やかな発色のために使われた染料の中にはヒ素が含まれており、造花製造工場では深刻な健康被害が…そして、パリスグリーンが原因と思われる死亡案件も。
布を染めるために使われたパリスグリーンは、着用して動く衣摺れによって空中散布され深刻な健康被害を及ぼしました。色が濃いほど致死率が上がったとのことなので↑の3着はかなりやばいです‼︎(このドレスたちは現代の生地で製作しているので安全ですが😅)
ドレスだけでなく、花冠に使われる造花にもパリスグリーンは使用されていました。19世紀は急激な工業発展に伴い深刻な環境破壊があった反動か、こうした造花などを身につけることが流行っていたようです。実際、パリスグリーンの健康被害が発覚したのも造花工場で働く女性たちからでした。
ファッションが時に身を危険に晒すこともある
ヒ素を含んだ染料の他にも、クリノリンドレスの大きなパニエによる引火火災(エリザベートの親類もこれで亡くなっています)コルセットの締めすぎによる健康被害、ファッションのために、流行のために、歴史上では様々な事件が起こっています。アトリエSHIONEでは今後も歴史と衣服の関係を紐解くと共に、こういった事件やエピソードもイベントの体験の中から学んでいただける場を設けていきたいと思います!
最後に参加ゲスト様の素敵な写真の数々を‼︎
ご参加ありがとうございました!
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