
イスタンブールで飛行機に乗り遅れた話◆前半
大冒険をしてしまいました。
まだその冒険の途中ですが、何が起こったのかを記録しておきたいと思います。
飛んでイスタンブール
ヴェネツィアのカーニバルに5年ぶりに参加すべく、ターキッシュエアラインでイスタンブールを経由してヴェネツィアへと向かいました。本来であれば大量のドレスなどを運び込むので、直通便が良いのですが
ヴェネツィアには日本からの直通便が存在しません!
そんな訳で、トルコのイスタンブールを経由してヴェネツィアへと向かいます。ターキッシュエアラインを選んだ理由は
荷物の紛失が少ないから
もちろんゼロではありませんが、これは後々「かなりちゃんと荷物を正確に管理しているぞ!」ということが判明します
そしてターキッシュエアラインには長時間のトランジットが発生する旅行者のために『Touristanbul』(6時間以上のトランジット)と『無料宿泊』(12時間以上のトランジット)いうサービスがあり、行きの飛行機は14時間のトランジットが発生したため私たちは無料宿泊を利用しました。この無料宿泊は到着ロビーから出て右側にあるカウンターで予約することができます。
ホテルまでの送迎と夕食、朝食の提供、飛行機の時間に合わせて空港に送り届けてくれるサービスです。
ホテルは全て4つ星以上なので、これが全部無料というのは本当にすごいサービス!
私のトルコに対する好感度が爆上がりです
長時間のフライトの疲れをホテルで癒して旅を続けられるのは最高!と睡眠時間自体は3時間ちょっとでしたが美味しいディナーもいただいて大満足…だったのですが
雪のため飛行機が欠航!
飛行機が欠航になった場合、ピックアップのバスはどうなるのかホテルもドライバーも搭乗者もだれ
も正解がわからないまま、私たちは予定通り4時に空港に向かって出発しました。
その日の次のヴェネツィア便は18:05
早朝で空いていたのですぐに新しいチケットをゲットし、空港で朝食を食べて軽く仕事を片付けてから「イスタンブール観光をしよう!」っとなりました。
メトロとバスを乗り継いで旧市街方面へ
バスの車窓から見える景色が今まで見たことないものばかりで異国情緒が強い!本来であればそのころヴェネツィアにいてあの景色を見ていると思っていたのにまさか自分がイスタンブールにいるなんて!とワクワクが止まりませんでした。エジプシャンマーケットでお茶やナッツを色々買って楽しみ、美味しいランチを食べて空港に戻ろう!となったところで
帰りのバス停がわからない!!
Googleマップがうまく作動しなくて、あっちにウロウロこっちにウロウロとどうにもならない状況に。そのうち雪がボタボタ降ってきて「これはバスで行ったら絶対間に合わない」となりなんとかUberでタクシーを呼んで空港行きのメトロがある駅まで向かいます。突然雪が降り出したせいか道が所々混んでる。前が見えないほどの雪。なんだか間に合いそうにない時間。
でも諦めたくない
っという強い思いで
とにかく最大限頑張って空港に戻り、預けておいた荷物を受け取りあとは走るだけだったのですが、午前の便のほとんどが欠航になり午後から飛行機が飛び始めたタイミングの保安検査は激混み。掲示板には『last call 』(最終案内)の文字。
焦る!走る!息切れで瀕死になる!!
なんとか保安を出国審査を終え、走る!!!!!!!!
のですが、私は何を見間違えたのか本来はAーFだったのですがA8と見間違えてエスカレータ降りたらすぐだった乗り場から遥か遠い距離を駆け抜けていってしまったのです。この時点前を走って正しいAーFで行ったFRANさんは乗り場まで行くバスに間に合っていますが私がA8からの往復をしている間にバスへの道は断たれ再びA-Fに着いた時には当然のように
「もう乗れないよ」
と言い放たれました
そりゃそうだ
そりゃそうだけど
この時点でFRANさんとはLINEが繋がっていたので、間に合わなかったことともしかしたら私の荷物だけが
ヴェネツィアに行ってしまう可能性があることなどを簡単に打ち合わせて
「無事ヴェネツィアで会おう!」
っと誓い合い、私は次の手を打つべく動き出そうとするのです。
そこは国ではないところ
開き直りと切り替えには定評のある私です。
ここでグダグダ考えている間に航空券がなくなってしまうかもしれない
まず、
飛行機に乗り遅れただけでも相当なショックですが、ふと気がついた。もう保安通って出国手続きしてしまっているけどどこから外に出るんだ???
っという問題が生じます。出国の手続きをしてしまっていますから。とりあえず誰かに出口を聞こうと思った時でした。
パスポートがない
パスポートがない?
え?パスポートがない?
そんなはずない。パスポートだよ?
パスポートはこの世でなくしてはいけない物No. 1だよ?
パスポート無くす訳ないじゃないですか
でも、、、、
パスポートがない
血の気が引くというのをこれほどまでに感じたことはありません。
全身から汗が吹き出し、膝と手がブルブルと震え顔面蒼白
パスポートの紛失自体もかなりまずいですが、今いる場所は特殊な場所。
トルコであってトルコでない場所。
出国審査通ってしまっていますから
日本領事館に行って再発行の手続きとかうんたらかんたらも何にもできない
チケットを挟んでいたはずのパスポート
走っている時に落としたとしか思えません
もしかしたら届いているかもしれないと手当たり次第空港スタッフの人に聞きますが
「知らない」
「わからない」
「関係ない」
の3点張り。
まぁ、そうですよ。実際彼らには関係のない案件ですもの。
セキュリティのスタッフが「届いてないから警察に行け」というので警察にいったら「あれば君に届けるけどしらない」「君はここから出られない」「ここで待たれたら邪魔だ」と言い放たれ撃沈
そのあともたぶん100人くらいのスタッフに声をかけましたが全部同じ。
ですよねー
もしパスポートが見つからなかったら
とりあえず海外旅行保険の会社に電話をかけて対策を仰ぐしかない
しかし、考えられる対策が思いつかない
一番なくしては行けない場所で無くしてしまった
このあとヴェネツィアで合流する方々になんとお詫びすればいいんだろう。
私は日本に帰れる日が来るのだろうか?
もう猫ちゃんたちにも会えないのかな?
この間30秒
考えてもしょうがないことは考えるのをやめよう!と少しも早くきた道を血眼になって辿るしかありません。
A1から早歩きで、しかしじっくりときた道を辿る
怖くて怖くて
このまま消えてしまいたかった
っというかパスポートを無くした途端、物理の肉体を残して消えたも同然
どうなってしまうか想像もつかないけれど
もう私はこのまま空港の住人になってしまうの?
想像してみてほしい。
自分という存在を証明することができなくなる恐怖を
それも世界で一番失ってはいけないタイミングで
この世から抹消された自分の状態は
この上なく恐ろしく
血液が全部マイナス10度くらいに感じた
もはやこの身に流れる血を冷たく感じる
今これを書いているのはイスタンブール空港のラウンジだけど、ここに来るまでの道で昨日のフラッシュバックを起こして一旦しゃがんでしまった。
マリー・アントワネットが恐怖で一夜にして頭が真っ白になったという話があるけど、根拠もないし、実際ありえないと言われるし、創作話である可能性が高いっておもっていたけれど
これはマジでなるかもしれない
残念ながわ私は元々銀髪なのでわからないけど
恐怖で一夜にして髪が真っ白はわかる気がする
もはやパスポートを失ったショックでなにもかもがどうでも良くなったというかもう怖すぎて記憶が飛んだ。昨日のことなのに記憶が一部不鮮明になってて、人間の脳みそって本当に高性能だなって思います
A1から進んでさっきUターンしたA8は搭乗口の一番果て
人通りも少なく、スタッフが1人いるだけでした
これでなかったらもう終わり
っという覚悟で声を掛ける
「ここにパスポートの落とし物はありませんでしたか?」
スタッフさんはなかったという。
しらないという。
インフォメーションか警察に行けという。
こっちをみてもくれずスマホをいじりながらだるそうにそう言う
でもその斜め前に
白いデスクの上に
絶対日本のパスポートですよね?それ!!!!
っということで
「それが私のだよ!」と叫び、名前を簡単に確認されてポイっと渡され私はその場で生まれたての子鹿のように足を震わせて座り込み動けなくなってしばらく這いつくばってその場を離れたのでした。しばらくじっとしていればいいのになんで這ってまで移動したのかはもはやわからない。
とにかく
コーラで乾杯だ
コーラで祝杯だ
と近くにあったカフェで2000円もするコーラを購入して一気飲みしたのでした。
さて、
史上最悪のパスポート紛失が怖すぎたので吹っ飛んでいましたが、私はヴェネツィアに行かなくてはならないのです。なんとしても!少しも早く!!
じつはここで折り返しくらい、、、、
まだまだ戦いは続く