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今更ながら、『滝沢歌舞伎ZERO 2020 The Movie』「花鳥風月」を考察する。

はじめに

こんにちは。神楽詩音と申します。
つい数時間前にクソ長い、主観バリバリの意見記事を投稿したのですが、本日二度目の投稿です。何事も勢いが大事。

超今更ながらに、昨年4月に発売された『滝沢歌舞伎ZERO 2020 The Movie』のメイキング映像を見まして。その流れで

「花鳥風月観たいな」

と思ったので、見始めたのです。
映画は合計で4回劇場で見て、あと円盤とネトフリで一回ずつ見た程度なのですが、「花鳥風月」の演目だけは向井康二しか見ることが出来ず、他のメンバーの踊りを見れていなかったわけです。
そんなことを思い出したので、

「なら全員分セルフマルチアングルで見てやろう」

と思い、急遽花鳥風月を全員分見る回が開催されたのです。

そしたら私の想像以上に皆さんの踊りが良い。良すぎる。何で私は向井さん以外の踊りを劇場で見ていなかったのか⁈(でもやっぱり向井さんの「花鳥風月」大好きだから後悔はしていない。)と思ってしまいました。

ってなわけで、向井さん以外はほぼ初めて見る「花鳥風月」の感想を、虚妄要素強めで述べていきたいと思います。

それでは行こうじゃないか!


阿部亮平

・冒頭の静の動きがめっっっちゃいい。
阿部さんってあんまりダンスの印象ないけど、ガシガシ踊るよりも「静」の動きがめちゃくちゃ良い。特に冒頭のイントロの所、手の使い方とか指先とかがめちゃくちゃ良い。儚い。

・最初真ん中にいる時の姫感がハンパない。
ここぼやけているからあんまり注目して見てなかったんだけど、阿部ちゃん真ん中なのね。姫感半端ない。

・どこか達観しているというか懐かしんでいる感じもする。誰かに伝えるというより自己内対話って感じ。
他のメンバーが「何か伝えよう」とか「表現しよう」って思っているように感じる人が多いのに対し、阿部ちゃんは「誰かに伝える」って言うよりも、「今自分はこう思ったんだけどどうかな?」って自分に訴えかけている感じがする(あくまで虚妄である)。「この感情を伝えたい!!!」って突き進むってよりも、「そうか、今の自分はこう感じたんだ。だからこういう風に表現したんだ」って立ち止まって考えた上で自己完結しているって言うか、とても冷静な感じがした。どこまでも阿部ちゃんだなぁ…そこがエモい。

・一番アイドルっぽい。
あざとい警察によくつかまっている阿部さんだけど、「あざとい」とか抜きで一番「アイドル」らしい踊り方をしていたなぁって印象。周りが結構表現者タイプが多い中で、一人だけ「アイドル感」を出すことによって、阿部ちゃんのキャラが立っている感じがした。

深澤辰哉

・肌の色真っ白だな。
最初の感想マジでこれ。後ろの背景と同化してしまうのでは?私も肌白くなりたいから、ニート生活極めても良い?

・儚い。
「深澤辰哉」と書いて「はかない」と読む。肌の白さもそうだけど、消えてなくなりそうよ。

・表情もあえてあんまり作らず、落ちサビのヒットのとこだけちょっと力強くなるのめっちゃいい。
「儚さ」にもつながるけど、表情があまり変わらないところが良い。殆ど全員、落ちサビのヒットの所で表情や踊り方変えてるんだけど、そこの差がかなり少ない。でもそのちょっとした変化を見つけた時に「私しか気づいてないかも!」って感じさせる感じ(「感じ」が多い)。そこが儚さに繋がってるのか?
ほら、お昼休みになると突然消えちゃう女の子を図書室で見つけた時ってなんか儚さ感じるじゃん(虚妄)。とか、ハニレモの映画見た人なら、倉庫で眠ってる界君(ラウちゃん)見て儚いって思ったじゃん。そんな感じ。(とは?)

・仕事人感がすごい。「仕事をやり切る」っていう職人の気がする。
この次の渡辺さんの所でも書いたんだけど、いい意味で「仕事」であることを意識しているなと感じた。多くのメンバーが「自己との対話」とか「自分が想像する何かを表現」しているのに対して、なべふかの二人はその表現の中に「でも、これは仕事」って言う気持ちが見える。あくまで彼らは仕事としてこの曲を踊っているので、その「与えられた仕事をやりきる」って言う気概がとても好きです。

渡辺翔太

・衣装の扱い方がうますぎる。みんな「バサっ」ってなってるのにはなべさんだけ「ふわっ」ってなってるの最高なんだが。
今回みんな同じ衣装で、黒いガウン(?)みたいなのを着てるんだけど、その扱い方が特別に上手い。みんな激しく動くからガウンを「バサッ」てしてるんだけど、渡辺さんだけは何故か「ふわっ」となってるのよ。何で?なんでそんな事出来るの?この演目は桜とか花びらが舞うのをイメージしているなと思っているんだけど、その「舞う」を一番衣装で表現できているなと思った。

・深澤さん同様、「自分を表現する場」ではなく、「お客さんに提供する商品」っていうか、仕事感が良い。そこが潔くて好き。割と感情的になることに一線を引いている感じする。
殆ど先述した深澤さんと同じなんだけど、「仕事人感」がすごい。渡辺さんってこの演目に関わらず、どのパフォーマンスも割と冷静にやっているイメージがあって、それが今回も出ているなと思った。私は渡辺さんの潔さがとても好きなので、ほんとに解釈の一致です。ありがとう渡辺さん。

佐久間大介

・一番の憑依型。全編通すと一番感情込めてる感じする。踊るって言うか舞うって言うか…。
これは正直分かってたことだけど、一番「自分以外の何か」に憑依しているなと感じた。ラウちゃんもかなり感情込めて踊ってる感じするけど、割と部分的だったので、全編通して「何か」に憑依していた印象。

・全体的にしなやかさとか儚さを意識してそう。序盤は女性的な踊り方するなって思ったけどラスサビあたりは割と感情的に、ガシガシ踊ってた印象
佐久間さんってバレエやってたのもあってか、しなやかな踊り方とっても上手いよね。でも、「BlackGold」とか「Make It Hot」とかではかなりガシガシ踊っているから、その使い分けがしっかりできるのがすごい。今回は花がテーマっぽいから最初はしなやかさ意識してたと思うんだけど、落ちサビから急に踊り方変えてた印象。…いいな。表現者「佐久間大介」大好きです。

宮舘涼太

・重心が重い。めちゃくちゃしっかりしてる。安定感半端ない体幹えぐい。
ご存じのとおり体幹がエグくてですね。安定感がすごい。いやみんな安定感あるんだけど、なんか舘さんは踊ってる最中に飛びついてもブレずに踊り切りそうな安定感がある。佐久間さんやふっかさんには儚さを感じたけど、舘さんには儚さは感じなかったなぁ。

・一番男らしい踊り方してるかも?しなやかさやなめらかさがありつつも、ボヤけていない。はっきりしている。
ジェンダーレスの時代に「男らしい」って言うのちょっと違うかもだけど、前項の「安定感」に繋がってくるのかも。前項にて「ふっかさんや佐久間さんには儚さがあるけど、舘さんには感じなかった」って言ったけど、これにも繋がってくるかも。しなやかなんだけど、最初と最後、振りと振りの間はちゃんとハッキリしているからこそ、しっかり輪郭が見えるのよね。「そこに実在してる」感がすごい。掴めそう。

・向井さんとシンメなのめっちゃ好き。Bメロの肩の出し方めっっっっっっっっっちゃエッチ。向井さんとシンメなの最高(2回目)
向井さんしか見てなかったはずなのに、Bメロで向井さんとシンメになってるの気付かなかったんだけど。Bメロはラウちゃんの肩出しに目が行きがちだけど、舘さんあんなにえっちな出し方してるなんて知らなかった。大人の余裕…さすが国王…セクシーでロイヤルで美しいです…。
何度も言うけど、だてこじシンメなの最高だな。

岩本照

・振り付けや振り付けの背景にのめり込むのではなく、客観視した上で自分が感じたものを表現している感じ。全体的に表情は変化ないけどラスサビから一気にのめり込んでる感じ。
佐久間さんやラウちゃんが「振り付けの世界観にのめり込んでいる」と感じるのに対して、岩本さんは「振り付けの世界観を客観視した上で自分が感じ取ったものを表現している」っていう印象を持った。でも、これ阿部ちゃんの「達観している」とはまたちょっと違って。阿部ちゃんのは「冷静に振り付けの世界観に入っている」んだけど、岩本さんはあえて一歩引いている感じ。普段から振り付け作ってるからなのかなぁ…
でも最終的にはラスサビ当りで、俯瞰していた世界に自分も飛び込んでいる感じもする。やっぱりダンス好きなんだなってすごい感じた。

・やっぱ岩本さんがセンターに来ることによって安定感が半端ない。
落ちサビからはセンターがラウちゃんになるんだけど、それまで岩本さんがセンターで、やっぱり安定感がすごい。ラウちゃんってセンターになるべき人物だと思うけど、年齢とかそういう面でとても不安定だなと感じることがあるわけ、その不安定さがラウちゃんにしか出せない良さで、落ちサビ~ラスサビにかけての感情を爆発させる感じにはとってもあっているのよ。でもずっと不安定なままだと、見てる側も不安定になっちゃうから、そこで岩本さんがセンターに来ることによって、そのずっと続く不安定さを解消しているような気がするのよね。ラウちゃんがセンターにいる時は「周りを見ずにただガムシャラに前へ進んでいく」爆発力があるんだけど、岩本さんがセンターの時は「周りのペースを見ながら、みんなの半歩先を行く」落ち着きがあるのよ。なんか…わかって…。

・ダンスの癖も少なめ。見やすい。
Snow Manの皆さん割とダンスのクセ強めだなと感じるんだけど、岩本さんって全ての無駄をそぎ落としたような踊り方するから、とっても見やすい。でも岩本さん感もあるのよね。そのバランスが絶妙。

向井康二

(向井さん最推し故クソデカ感情が爆発してしまったので、項目なしで行きます)

向井さんのは何度も見てきたはずなんだけど、他のメンバーと比較してみると、気付かなかった所いっぱいあったわ。特に唯一ラスサビまで表情の変化が殆ど無かったところ。他のメンバーはほぼ全員落ちサビのヒットの部分で踊り方も表情も変わってるんだけど、向井さんだけ殆ど変わってなかったのよね。でもそれは、なべふかに感じた「仕事人感」では無くて、感情移入するものと自分の狭間にいるて表現しきれてないって感じ。いい意味で「向井康二」自身も、「向井康二が憑依したいもの」も無くてあやふや。だからこそ引き込まれる。その不安定な感じがいい。ラウちゃんに感じる不安定さとはまたちょっと種類が違うのよね。心の中に表現したいものがあるんだろうけど、中々それを上手く表現できてない感じで、それに対する焦りも感じる。そこがいい!!!!!!!!!!!向井さんってバラエティとか普段の感じ見ると、割と感情出やすい方だなと思うんだけど、「何かを表現する」ってなると、自分の中であんまり整理できていない気がするのよね。緊張してるって言うのもあるのかもだけど。私は今まで「花鳥風月」の向井さんは憑依型だって解釈していたんだけど、ちょっと違うわ。何だろう…いい意味で向井康二でも第三者でもない、「何者でもない感じ」に、憑依型って思ったのかな…。難しいぞ…。
けどやっぱり向井さんの踊りが一番好きです。

目黒蓮

・完全に「目黒蓮」自身を表現した踊り。表現っていうか、目黒蓮そのまま。
佐久間さんが何かに憑依しているのと対照的に、目黒さんってマジで「目黒蓮」を表現してるよね。いや、表現って言うか目黒蓮がそこにいるって感じ。この曲が流れたら目黒さんこうやって動くだろうなって思うくらいに「目黒蓮」そのままだった。とっても目黒さんらしい。

・内に秘めた熱い思いを敢えて(なのかできないのか)外に出さない感じ。漢って感じ。向井さんが表現できないことに焦りを感じていると取るならば、目黒さんは表現しきれていない、出し切っていない自分の事も「自分」だとして認めていそう。
結局みんなめめこじ担だと思っているので、クソデカ感情が爆発してしまった(なお、最推しコンビはあべこじ)。向井さんと目黒さんってかなり対極にいる人達だなって思うわけ。向井さんが「表現しきれていないこと」に焦りを感じ、不安定さが溢れる一方、目黒さんは「表現しきれていない自分」に満足はしていなくても「それも自分である」と認めて表現していそう。目黒蓮ってマジで「漢」だよな…。自分を客観視出来て、未完成な自分も愛せる目黒蓮解釈の一致過ぎる(ただの虚妄である)。

ラウール

・若い。尾崎豊の「盗んだバイクで走り出す」系の若さ、そしてその若者が抱える葛藤みたいなのを感じる。
何て言うか…自分なりの意見や考えは持っているものの、それをうまく表現できない、言葉に出来ない若者の葛藤みたいなのを感じるのよ。でもその葛藤はラウちゃん自身が抱える葛藤では無くて、あくまでラウちゃんは「葛藤を抱える若者」に憑依しているって感じ。表現したいけど表現できない若者の葛藤をうまく表現するって言う皮肉さが良い。エモいぞ!近代の文学作品でなんか題材にできそうなくらいエモい!最後はその若者に対しての同情というか、その若者を包み込む感じもある。
ここからはオタクの虚妄なんだけど(これまでも全部虚妄だが)、あくまでこの踊りで表現しているのは「ラウちゃん自身ではない若者の葛藤」なんだけど、どこか自分の中での共通点も見出してそうだなとも感じるわけ。でも、その感情は全く表現されていないのよね。そこがすごい。こういうのって自分との共通点があると、過去の自分の体験や考えや思ったことを引用してきそうな気もするんだけど、あくまで別ものとして表現している感じがする。けど、この表現をする過程で「ああ、自分もこんな事思ったな」っていう過去の自分との対峙、対話もしっかりしていそう。
まってストーリー性高すぎてこれ一つで小説書けそう。

まとめ

結局全員に対してクソデカ感情が爆発してしまった。
Snow Manってギャップがすごいのが売りの一つだと思うんだけど、そのギャップってバラエティの時のワチャワチャ感とダンスの上手さの二者間のギャップだけではなく、ワチャワチャ感と表現力の高さのギャップもだなと改めて感じた。みんなアイドルって言うか表現者なんだよな。そして、同じ曲に対して全員違う解釈を持って表現していて、でも纏まりがあるのがすごい。いや、凄い。まあ、解釈云々については虚妄にすぎませんが。

と、まあこの「花鳥風月」だけでもめちゃくちゃに見ごたえがある作品ですので、まだ未視聴の方はDVDやNetflixでの配信で見る事をオススメします。他にも公式がめめあべをゴリ押ししていることが白昼の元にさらされた「男と女の舞」や、阿部ちゃんの舌打ちが見れる「九剣士」、17歳のラウちゃんの儚さとあべふかの優しい歌声がマッチしすぎている「Maybe」など、色んな演目があるので、必見です!絶対に損はさせない。

という事で、本日二回目の神楽詩音でした(と言いつつ、書いてるうちに日付越えちゃった)。
マジで何回も言うけど、岩本さんの映画を素面で最後まで黙ってみるのとか不可能に近いので、生配信してくれないかな。家で叫びながら見たい。いや、それはDVD買えって話か。いや見に行きますよ絶対。
その前に『おそ松さん』あるから!ムビチケ戦争勝ち抜いて2枚はゲットしたので、2回は見に行きます。映画も曲も楽しみ。カップリングの「REFRESH」大好きなやつだった。「HIp bouce!!」が好きなオタクが好きにならないわけないのよ。

それではまた次の記事で。