01 Ankiを使うべきタイミングと使い方のロードマップ
Ankiは、カスタマイズ性が高く、自由度が高い一方、その解説記事や基盤となる使い方が大体全て英語でしかありません。近年は言語とりわけ英語の勉強に使う人が増えたため、英語の勉強用の使い方は出回っていますが、医学を含めた勉強への使い方はあまり出ていません。
このため、便利だとはわかっていてもどのように使ったら良いかわからないという人も多いと思います。
また、Ankiはよく学習コストがかなりかかると言われます。デジタル勉強全てに言えることですが、新しい勉強法を試す際にある程度学ぶ必要があるのは仕方ないかもしれません。
しかし、学習によって受けられる恩恵に対して、学習コストが高くなりすぎると途端にその勉強法は崩壊してしまいます。
実際、Ankiはできることが多く、ある程度ITに慣れた人が使っているため、そうでない人は手を出しにくいかもしれません。
このnoteでは、そのような慣れていない人、Ankiを使い始めたばかりという人から、自分でAnkiを使いこなしていて、細かい設定をどうにかしたいという人まで全てを対象にしています。
このため、テンプレート配布やおすすめの設定、使い方の提示を行いつつ、カスタマイズできるところには自分が得ている知識の説明とカスタマイズの可能性について述べています。
notiの性質上、初心者向け、慣れている人向けにそれぞれ絵文字をつけています。慣れていない人はまず🔰を中心に読んでいくと良いと思います。
また、僕のブログにあるAnkiのまとめ記事を読んでおくとスムーズにnoteを理解しやすくなると思います。
マガジンで扱うのは以下の内容です。
Ankiを使いこなすためのロードマップ
基本的な使い方を理解することはそれほど難しくはありませんが、学習の設定やわかりやすいカードを作成して、それを継続して演習するのにはそれぞれちょっとしたハードルがあります。
僕の設定と参考にして、合わない部分は自分のスタイルに合わせて貰えば良いなと思っています。
紫苑の勉強workflow
基本的に、Ankiは、毎日繰り返してやり続けて知識を定着させるためにやっています。暗記するために繰り返し、テストして覚えていない部分を覚える、忘れているところを思い出すそんなアプリです。
なので、Ankiに書いている内容は基本的に理解済の内容になります。もし、理解していない内容があると演習するときにそのカードだけにかなりの時間を割いてしまうことになるので効率をかなり下げてしまいます。
このため、まずは理解したものを入れていく。ということは前提として覚えておいて下さい。最初は、復習したらその分のAnkiを作って入れると思っておけば大丈夫です。
また、フラッシュカードの性質上、知識を細分化して繰り返すことに長けているので、知識の結びつけや整理用にObsidianを使っています。(04 参照)
一方で、主にinputの際には手書きの方が都合がいいため、goodnotes5(iPad)を使っています。
このようなやり方を基準としてnoteを書いています。そのため、僕の勉強スタイルと違う人は適宜読み替えながら読んで下さい。
Ankiはなぜ必要か?Ankiのメリット
人はなぜ忘れるのか。テストに向けて暗記パンを欲しいと思ったことがあるのはきっと僕だけじゃないでしょう。
勉強は1度やっただけでは理解できても覚えられませんし、覚えたつもりでも時間が経てば忘れてしまうことなんてよくあります。
医療系の勉強は暗記することが非常に多いので、広い範囲を勉強して知識をつけていこうとするとどうやって覚えていけばいいのか?という壁にぶつかります。
暗記をするなら、完全に忘れてしまう前に、そして忘れてしまった後にもその項目に触れることが重要だと思っています。内容に触れる機会を最大にするというのがAnkiの最大のメリットです。
Ankiのメリットを知って使い始めたらとりあえず最初の設定をしておきましょう。恐らくここから先はnoteを見ながら自分でAnkiを触った方が分かりやすいと思います。
最初に行うべき設定
Anki自体はオフラインでも使えますが、多端末でデータを同期するためにもクラウドに内容を保存しています。メイン機器としてiPad、家ではパソコンを使うためにもこの設定は絶対にしておきましょう。
Ankiには独自のクラウドであるAnki webがあります。Ankiは基本的にオフラインにデータを保存しますが、同期・バックアップのためにはアカウント作成とログインが必要です。
下記からアカウントを作成して下さい。
ここまで終われば準備完了です。
大きく分ければこの3つです。
Ankiを設定する
Ankiの設定を自分で考えてやるのはとても難しいです。
この設定には、以下の2つがあります。
SRSは、自分の勉強の内容により最適なものが違うので最初から行うのは大変です。時間がある時や不便を感じ始めたら02(1/1現在未執筆)を参考に設定して下さい。これにより復習の間隔を設定できます。
あまり設定していないと毎日効率よくやっていくのが難しくなります。
また、カードの設定をしておけば、自分の好きなデバイスでカードを演習することができるようになり、カード作成も一部効率化できます。
特にiPadを使う人は、iPadでAnkiの形が崩れることがあるのでテンプレートの設定をすることを推奨します。はじめから作るのは難しいと思うので配布用のテンプレートを用意しています。(03 参照)
メインデバイスは、パソコンとiPadのどちらかになると思いますが、基本的にパソコンの方が多機能です。テンプレートの編集機能やカードを一括で編集することのできるブラウザ機能、Ankiに機能を追加するアドオンは全てパソコン限定の機能です。
iPadでは、穴埋め問題を作る機能は同じように使えます。しかし、カードを編集のブラウザ機能はパソコンほど多機能ではないので、簡単な編集のみすることができます。また、テンプレートの種類は変更できてもそれ自体の編集はやりづらいです。
このような理由から、iPadだけで完結するのは少し厳しいのが現状です。
iPadだけの機能として手書き文字を入れられる機能があります。他にもiPadならではの良さはありますが、ここでは単純な機能の違いの説明だけの留めておきます。
カードを作成する
準備ができたら、どんどんカードを作成していきましょう。多く作りすぎると大変という声もありますが、とりあえず"覚えるべき"と思ったことは入れていくと良いでしょう。
Ankiにはテンプレートのタイプが大きく分けて2つあります。表裏の通常のフラッシュカードと穴埋め用のテンプレートです。医療系の勉強では穴埋めタイプのカードを頻用しています。
このフィールドには、テキスト・画像・音声・表など様々なものを入力することができます。これについては04.05で詳しく説明します。
カード作成を効率化する
カードを作成するときには、状況に応じて他の入力方法を使うことでAnkiのカードの作成時間をかなり削減できます。
僕が使っているのは、clibor、Frozen field、CSVによるインポートです。
CSV以外はパソコンでしか行えませんが、上2つはかなり使える機能です。
デッキ、タグを使い分けてカードを管理する
テーマごとにデッキを作成する以外にもカードを管理する方法があります。それはタグです。小テーマごとにタグを設定することでブラウザでのカードの管理やカード自体の評価がしやすくなります。
最初は適当につけても後でブラウザでつけることもできるので、すぐに必要なものではありません。ただカードの枚数が多くなればなるほどデッキ名だけでは管理できないのでタグの導入をおすすめします。
情報を編集する
ブラウザやアドオンを使えばカードを編集することができます
勉強していく上で新しい内容は必ず出てきます。そのようなときは、新しいカードを作るのではなく既存のカードに足していく方が学習効率が高くなると思っています。
このような編集には、ブラウザやアドオンといったパソコン限定の機能を使う方がかなりやりやすいです。しかし、iPadでも現在演習しているカードの編集はできるのでそこは使い分けていきます。
カードを演習する
ここで、学習の進捗状況を管理する設定やアドオンを入れていれば、それぞれのカードがどの段階にあるのか分かりやすいです。
演習することについては、詳しくは02で執筆したいと思います。
学習の進捗状況を把握するための統計機能も備わっています。現在どの程度学習できているのか?新規カード、学習カード、習熟カードなどがどのデッキにどの程度あるのかを、iPad、さらに詳細にアドオンを使うことで見ることができます。
自己の学習において基本的な流れは以上の通りです。以上のことができるようになればかなり自由にAnkiを使って効率的な学習ができるようになると思います。
Ankiのアドオンは一括では紹介しません。導入が難しい上に最初に大量に入れてもわからなくなるので、必要に応じて説明していきます。
Anki Anki Study with Anki Practice Anki Live with Anki
Ankiは自分の学習を効率化してくれるツールです。しかし、学習コストが高いため、自分の勉強にどう組み込んでいくのか?どう設定するのか?どうカードを作るのか?考えるのも少し難しいです。
僕と同じような学習スタイルの人には設定やテンプレートを共有して、その他も分かりやすい情報を届けることで、Ankiを使いこなす人が増えればいいなと思っています。
全体を通して質問があればしおんのTwitterまで。また、僕と違う学習スタイルの方でnoteに載せていい方がもし居れば、学習に組み込むというところでご紹介したいなと思います。
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