インターンを医学生が行う方法について
インターンとは?
俗に言うインターンシップとは、学生が興味のある企業で働いたり、訪問したりして職場を体験することです。
期間はインターン先やインターンの種類によっても様々で、1日だけの見学、短期インターン、長期休み限定のインターン、長期インターンなどがあります。
このうち、1日だけのインターンや週単位の短期のインターンでは見学の延長線上のことも多いのですが、それ以上の期間では実際に働きます。
長期間のインターンでは、バイトなどと比べて難しい仕事が割り当てられたり、実際にプロジェクトに加入したり…キャリア形成に役立つ仕事をやります。
医学生のインターンシップ
インターンシップはキャリア形成に有用な実際に企業見学してみるものが一般的ですが、医学生はそもそもキャリアパスとして企業への就職をすることがほとんどありません。
東大や京大を中心として昨今臨床医以外の選択肢を卒後1年目からもしくは初期研修の終わった3年目から取ると言う人もいますが、全員がそのような思いを持っているわけではありません。
また、上記のようなことを考えている人によっては本noteの内容は導入的に過ぎず、より詳しい内容を自分で調べる必要があります。
所感ではありますが、日本の中で医学生の企業インターンには以下のような人がいろ思っています。
将来起業や企業での就職を考えていて、学生のうちから見学や経験をしておきたい人
行政に興味がある人
ITやプログラミングに興味があり、その能力を医学と掛け合わせて磨きたい人(役立てたい人)
学生でバイトをするなら将来の役に立つものをしたい人
医学のコミュニティ以外のコミュニティを見たい人
など…漏れはあると思いますが大体この辺りだと思います。
将来起業を考えているのであれば時間がある学生のうちにある程度の経験をつんでおきたいところです。
大学の中で行政の内容を勉強するのは難しく、医師になってからその場へいくのは学生ほどは気楽ではないので、ある程度早いうちに見ておきたい。
ITやプログラミングを一通りやり尽くして実務で生かしたいと思ってもなかなか自分1人で稼ぐと言うところまで行き着くのは難しいですし、自分自身の技術を向上させると言う意味でも、実務は非常に有用です。
残り2つは医学生の事情で説明します。
実際に聞き及んだ医学生に親和性の高そうなインターンには以下のような種類があります。
医学生や医師、もしくは一般の人への医学関連のサービスの運営、協力のためのインターン
機械学習、フロントエンドエンジニアなどのエンジニアインターン
行政インターン
基本的には1つ目の医学生が関与する場所でインターンをすることが多いような気がします。
昨今の医学生事情
実際にそれぞれのインターンをやる方法について説明する前に、医学生を取り巻く状況について説明します。
部活と学生団体と?
一昔前は医学生は勉強以外の時間をかなりの時間部活に費やしていました。
しかし、複数の大学の学生からなる学生団体や勉強会などが登場して、いわゆるスポーツ系の部活に長時間所属する人は減っていきました。
医学系の勉強会や英語の勉強会、その他学生団体などに所属することで、普段の学生生活で勉強できないことや、会う人ができない人に会えるようになりました。
また、必要とされる能力も普段の学校の生活とは異なっており、そのせいもあり多方面に優れた人と出会い、学びやすくなったと思います。
しかし、近年では1人単位で新たな環境に身を投じる人が出てきましあt。それが、バイトの変遷でも出てくる、ビジネスを起こす人や企業などのインターンです。
バイト?の在り方の変遷
前は塾系のバイトに加えて社会勉強をしたい人は飲食のバイトをすると言う話をよく聞きました。
もちろん、生活費等の捻出のために戦っているバイト戦士はこの限りではありません。
近年では、自分1人でビジネスを起こす人が出てきました。
ビジネスや副業(資産運用)例えば以下のようなものです。
再受験の方の、以前のお仕事や、その他得意とするお仕事
ウェブ系の副業
投資
このような流れの中で企業がインターンとして医学生を募集する人や、積極的にインターンとしての道を開拓する人が増えてきました。
インターンを始める方法
さて、本題に入ります。インターンを行う方法はいくつかあります。
行政のインターンとそれ以外では系統が異なるので、行政のインターンは、別で紹介します。
知人の紹介
ネットでの募集
ウェブサイト
SNS
インターン募集のサービス
知人の紹介
インターンをしている友人や先輩などから勧誘されることや、紹介されることもあります。
数は人脈や個人の活動などに依存しますが、身近にインターンをしている人がいればその人から紹介してもらえるかもしれません。
ネットでの募集
今の時代1番多いのはこれです。ここからは企業の系統や募集する人数によっても異なります。
企業のホームページで募集している場合には、ウェブサイトでインターン生を募集していることもあります。インターンをしたいのであれば興味のある分野で検索してみると良いと思います。
しかし、長期的な募集ではウェブサイトを使うこともあるかと思いますが、大体の場合ではSNS(主にTwitter)も活用することが多いです。
このため、ウェブサイトである程度探した後は、興味のある企業や分野のSNSでのインターン募集を待つと良いと思います。
インターン関連で何か興味のあることを調べていて日頃からフォローしているのであればあまり心配しなくても大丈夫です。また、興味のある分野について呟いている人をフォローしておけば拡散されてきて流れてくることもあります。
インターン募集のサービス
上記SNSは募集の場として使われることはありますが、常時募集のために使われるわけではありません。なので、インターン募集が出回るサービスを使うとより見つけやすいです。
僕が登録しているのは、以下の2つです。
Wantedly: https://www.wantedly.com/
キャリアバイト: https://careerbaito.com/
しかし、そもそもインターン専用のサービスでない上に、インターン自体も医学生のそれとは系統が異なる募集が多いです。
行政のインターン
行政医師や、省庁がどのようなことをしているか知ることのできるインターンの募集は、以下の2つであっていました。
厚生労働省のインターン: https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/saiyou/tokusetsu/internship/
新潟県庁のインターン: https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/fukushihoken/igakusei-internship.html
しおんのインターンの見つけ方
僕は、企業インターンに2つ、行政のインターンに1つ行ったことがあります。うち1つの企業インターンは今年の2月から今現在の続けています。
このうち、1つ目の企業インターンは、SNS。2つ目の今も続けているインターンは知人からの紹介、行政のインターンはSNSで見つけて応募しました。
また、インターン先を後輩に紹介したり、インターンで出会った人から別のインターン先に興味ある人がいないか聞かれ、後輩を紹介したこともあります。このように身近にインターンをやっている先輩が居ればまずはその人に話を聞くのが良いかもしれません。
インターンをやることは目的ではありませんので……
インターンを始める前に知っておくべきこと
インターンを始める準備は大体できたと思いますが、最後にインターンを始める際の注意事項です。
正当な給与を払わないブラックインターンに注意
インターンでは基本的に短期間のインターンや行政のインターンを除いて、給与が支給されます。しかし、中には無休で長時間仕事をさせるようなインターンも中には存在します。
自分の興味のある分野で納得済みでしたら…止めはしませんが、無休と言われたら穏便に断ってブラックリストへと入れるのが良いと思います。
私生活の乱れに注意
この記事では、医学生であること、医学生として卒業して国家試験を受けることを前提に話しています。このため、大学の単位や試験を落としてインターンをやることを想定していません。
インターン先の中には、大学のスケジュールなどを全く考えずにテスト期間でも仕事をお願いされることもあるかもしれません。確固たる意志を持って別の道に進むのは止めはしませんが、インターンに夢中になり、本業で道を外すことがないように注意が必要です。
これはバイトでも同じことが言えますね。
医学生がインターンを始めるべきか否かについて
このnoteを読んでいる人の中には、医学生がインターンをやることなんてあるんだ。知らない世界だ。という人から、実際の企業や体験記を追い求めてたどり着いた人まで様々いると思います。
ですが、大体どの人においても興味のあることがあってインターンを始めてみたいと思うのであれば、始めてみると良いと思います。きっとあなたの興味をより深め、見識を広げてくれることになると思います。
特に、行政のインターンなど数日単位のものについては、基本的に失うものは何もないので、安心して両足を突っ込んでみることをおすすめします。
きっと何かが得られますし、そうでない場合は向いていなかったことを知ることができます。
しかしながら諸般の事情でインターンを始めることをお勧めしない場合もあります。
以下では、僕が後輩から「インターンを始めたい」と言われた場合に答えている内容を記述します。
手段の自己目的化は良くない
インターンは少なからず時間を消費しますし、通常のアルバイトと異なり、数回の面接後雇われることが多いです。
インターンをやること自体は手段であり、そこで学びたい内容や技術、得たい経験があるはずです。
起業に興味があって会社の仕組みを学びたい、マーケティングをしてみたい、プログラミングの実務をしてみたい…など自分の目的を考えてみましょう。
そうでない場合負荷が高いインターンは医学部の生活との両立がかなり難しいです。少々社会勉強してみたい、経歴に拍をつけたい等々の理由であれば負荷が高く無いものを選択するのも手かもしれないです。
このような目的を明確化することで、自分と親和性の高いインターンで効率的に学ぶことができますし、入った後にギャップに思い悩むことが起きにくくなると思います。
そもそも、知識を得たいのであれば、ビジネス関係の勉強会ではダメなのか?実務を行いたいのであれば自分自身でスモールビジネスを行うのではダメなのか?、集団の中での意思決定方法であれば学生団体ではダメなのか?など
自分自身のキャパや興味、将来との親和性、勉強会や学生団体に入るのではなく(もしくは追加して)インターンでない理由を明確化させた方がいいと思います。
インターン先を選ぶ上での注意点
さて、インターンを始める準備をしましょう。
最近では、リモート可のインターンもかなり多いので、所在地によらず、様々なインターンを検討することができます。
なお、サマーインターンなどのインターンは一般化が難しいため、下記ではベンチャーでのインターンを想定しています。
インターン先を選ぶ条件としては下記のものがあります。
会社の事業と社風
(できれば)会社の資本と成長率
インターン生の業務内容と方法
会社の事業について
私は、可能な限りでその企業に関する情報を集め、そこの会社がどのような事業をしているのか、どういう人が働いているのかについて調べます。
これは自分自身がその事業に携わるため(インターン生だけ別の部署ということもあるので確認は必要ですが)予め、自分がやっていきたい事業とマッチしているか?の確認、また、面接時に話せるようにするという目的があります。
具体的には、業種については企業のホームページやプレスリリース、あるなら製品を見ます。
社風
人数の少ないベンチャーだと人により社風はモロ出ます。どのような経歴の人が働いているかについては調べておいた方が良いと思います。
企業の資本や成長率はどの程度か
ベンチャーと一括りに行っても、今まさに資金を調達し始めて新しい風を待っているところから既に相当数の資金調達を終えており、スキルを持った人材が一定数揃っているところまであります。
複数の事業がある場合ももちろんありますが、会社の状況と携わる事業によって、学べるフェーズが変わります。特に起業を将来考えているのであれば、シリーズのどの段階でどの程度調達しているかは事前に調べておくと良い思います。
また、成長率が高く、資本が潤沢にあるような場合、裁量を持たせてもらえるようなインターンであれば、かなりのことができると思います。加えて、資本によって良い人材を雇っている場合には、裁量を貰いつつ、フィートバックを受けられる素晴らしいメンターや上長に出会えるかもしれません。
一方、場合によっては、そもそもお金の無いところは一定期間で契約終了となってしまうかもしれません。
インターン生の業務内容と方法
業務内容について検討すべきは、下記3つです。
業務の濃度
時間
学び
裁量
業務の種類
リモート有無
業務を行うのであれば、ブルシット・ジョブであることは望まないはずです。
しかし、インターンといえども、企業により大きく異なり、コミット時間をかなり求められ、裁量が与えられるインターンから、特定の学びにならない単純作業が与えられるインターンまで様々あります。
もちろん、裁量はあるがあり過ぎてどうすればいいか分からない場合や単純作業に見えるが形式立てて技術を習得できる場合もあるのでこの辺りはインターンに何を求めているか次第でも変わります。
個人的には、学びがあり、裁量もあるようなインターンをおすすめします。
上記濃度以外にも、インターンが行う業種の確認も必要です。営業、CS、市場調査、マーケ、コンサル、エンジニアリング等々ありますが、ベンチャーの業務の一部だけ担うことが多いためイメージとのギャップが生じることもあります。
また、名前はマーケティングでも実際は記事を書いて出すだけの作業を繰り返し続けるといったインターンも存在します。
インターンをオンラインで行うことができるのであれば、実習期間など忙しい場合でも自宅から空き時間に仕事ができるのはとても良かったです。(コアタイムの制限がある企業も多いです)
医学生はインターンに採用されにくい?
目指す企業によるという一般的な話になってしまいますが、業種等によってはバックグラウンドの全くない医学生だともちろん採用されづらいですし、そもそもエンジニア・コンサルを中心とした人気な企業インターンでは競争率が高いです。ただベンチャーに限定すると競争率の異常に高いインターンはあまりないと思われます。
では、医学生だから落とされるのか?というとそういうわけではありませんが、交絡因子的に落とされる場合はあります。
そもそも医学生採用の前例なく、親和性低そうに思われる
忙しくて平日昼間にオフィスに行けない、コミット時間が少ない、休みが多い
などの場合です。また、就活慣れ、面接慣れしていない人は面接の時点で人物評価と社会性の評価で落とされることもあると思います。
以上となります。
今回の記事では、インターンを体験した実際の感想については扱っていません。企業インターンについては今のところ体験記を記事にするつもりはありません。行政インターンについては以下より体験記をみることができます。
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