最強の個人ドリブル練習

最強の個人で行うドリブル練習とは

コーン何個かをテキトーに置いてスラローム

を足裏無し&スピードの変化を付けてやる!


ドリブルが上手くなりたい!でも練習相手がいない!って言うならそれをやりなさい。
以上!




以下は理由などを長々と。


よくある「その場でのボールタッチ練習」の否定から話を進めていく。

「その場でのボールタッチ練習」とは5分10秒ぐらいから始まるようなタッチの練習のこと。
ドリブル練習としてよく見かけるし、コーディネーション練習としても良い!と言っている動画も最近見た。

この練習自体が悪いわけではなく、これを遊びとして楽しんでやってみよう!ぐらいだったらむしろ推奨できるんだけど、これを「ドリブルの練習としてやり込む」ってなると否定せざるを得ない。

この「その場ボールタッチ系」を”やり込んだ”であろう選手は、ゲーム中に無駄なタッチが非常に多くなる傾向がある。
やり込んだことで癖のようになっていて、トラップをするとすぐに足裏などを使ってダンスを始める。
それによって機を逸していることにも気づかずに。

そしてドリブルにおいても「足裏」が非常に増える。
実はサッカーのドリブルでは足裏はあまり良い効果を生まない。

フットサルでよく足裏を使うのは、というか使うべきなのは、
 ・平なピッチで弾まないボール(&時にボールが滑らない)
 ・プレースペース的にボールを動かす範囲が小さくて良い
 ・小さい範囲でいいなら足裏の方が方向転換が自在
 ・コンパクトに蹴れるシーンが多いから置き所は足元が良い
などの理由から。

サッカーでは不安定なピッチでより早く大きくボールを動かす必要があるため、トッププロを見れば分かる通り足裏でのドリブルはあまり使われない。
足裏ドリブルは「小さい範囲でのプレーなら早く、大きな範囲のプレーでは遅い」からサッカーで適しているシーンが少ない。

メッシの高速ドリブルは足裏では出来ない。
ついでに言うと、小さい選手(リーチが短い選手)は足裏で動かせる幅も小さくなるから、よりオススメしない。
メッシが足裏ばかりを使っていたら、今のメッシにはなっていない。

「その場ボールタッチ系」をやり込むと、その足裏が異常に増えるので、サッカーのドリブル練習としては否定的。
コーディネーションを「目的の運動に対する身体の調整力」とした場合にも、サッカーという競技の動きに適していない癖がつくのだから、むしろ悪い影響があると捉えられる。


「その場ボールタッチ系をやり込む」というその考え方にも問題を感じている。
「その場ボールタッチ系をやり込む」で育ったであろう選手は、上記動画の人もそうなのだが、「もうすでに十分上手い」にも関わらず、さらにやり込もうとする。
運動学習の理論、例えばエコロジカルアプローチなどでも言われているが、学習効果を高めるには簡単に言うと適度な「ブレ幅」が必要。(ブレ幅=バリアビリティとか変動性とか言うやつ)
全く同じことを繰り返すより、毎回ちょっとした違いがある繰り返しをした方が学習効果が高いということ。
出来る人が出来ることをミスなく繰り返していも大きな学習効果は望めない、とも言える。
なんだったらミスがレベルを上げてくれる。

だから「テキトーにコーンを置く」と「スピードの変化をつける」が重要になってくる。
いつも同じコーン間隔でやらず、自分自身でスピードに変化をつけることによって、その学習効果を高めるために必要なブレ幅を引き出す。

特に「スピードの変化」は超必須。
スラロームって言うと、だいたいは一定のリズムでスルスル抜けて行こうとするけど、それじゃあブレ幅は出ないし、そもそも試合中に同じリズムでドリブルすることは無いんだから。
相手の逆をついたら一気に置き去りにするつもりで加速したり、猛スピードで突っ込んでいって急ブレーキのように減速したり、パスコースを探すフリからこっそりスピードを上げて行ったり、上級者はそういうイメージを持って取り組むと良いと思う。
初級者は普通にスラロームやるだけでスピードの変化も含めたブレ幅が出まくるだろうから、無心で取り組むのもあり。
とにかく「ミスが少なくなったらやり方を変えなければならない」を忘れないこと。

ちなみにブレ幅を出す方法の一つとして。
・車が通ったらすぐにシュートを打つ
・コーンにボールがぶつかったら必ずボールを守る動きをする
・ボールをもう一つ用意して高く投げてボールが弾んでいる間にスラロームをやりきる
などなど、外的要因で急に発動する条件を入れるのもありだと思う。


最後に、なんでスラロームか。
コーン1〜2個置いて相手に見立てて〜ってやってもいいけど、それってかなりイメージ力が強くないと、適度なブレ幅にならずイージーな反復になってしまうと思うから。
スラロームってやっとけば、何度も切り返しが出るでしょ?
切り返しは最もミスが出やすい要素であり、ドリブルで一番向上したい要素でもあるから。


コーン何個かをテキトーに置いてスラローム
を足裏無し&スピードの変化を付けてやる!

という練習はあくまで個人練習におけるドリブルタッチの向上でのベストだろうというお話でした。
でも「この練習でプロになりました」という実績があるわけじゃなく、ただの考察みたいなものなので、信じるかどうかは自己責任で。

あと。
ある程度ドリブルができて一緒にやる仲間がいるんだったら、ゲーム(対人)の中でたくさん挑戦した方がやっぱり能力向上には良いとは思うけどね。
その方が楽しいし。



おわり

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