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サッカーを知らない人でもサッカーを楽しく見る方法
レベル1:応援するチームを決めて応援する
応援するチームを決めると、感情移入ができて楽しみやすい。というかこれをしないとあんまり楽しめない、といっても過言ではない。
たまたま見ることになった試合の場合は、その場でどっちを応援するか決める。応援すると決めるための理由はなんでも良い。色とか選手の表情とか応援の雰囲気とかなんかのキャンペーンに乗っかるとか。
応援の仕方は自由だが、自分のチームが勝つことをちゃんと喜ぶ。負けることを喜ぶようになったら何かしら病んでる。または拗らせてる。
サッカーを知らなすぎて「どうなったら勝ち」がわからなかったら、とりあえず周りに合わせて盛り上がる。生身の人間が肉体をぶつけ合ってなぜか足でボールを扱うという非日常的なことをしながら真剣に戦っている姿、を見てるだけでもエモい。
一緒に応援できる仲間を見つける。リアルでもネット上でも良いので、応援を共有できる仲間を見つけると楽しみ度がアップする可能性が高い。でも1人で応援するのも決して悪くない。
なんかうるさいやつと一緒に見ない。感情に任せて応援するのが楽しいので、せっかく自分が盛り上がってるのに「今のプレーは実は良くないんだ」とか横から語ってくるやつは楽しむために邪魔なので遠ざける。どうしても遠ざけられない場合は、「さすがっすね〜」とか言って流す、または武力に自信がある場合は力でわからせる。人の応援の価値観に否定的に踏み込んでくる奴はとにかく排除。
生観戦してみる。画面越しではわからない実際の人間が戦っている生々しさが、より自分の感情を刺激してくれる。涙腺ゆるゆるな人は生で見るだけで泣くかもしれない。
レベル2:大体のルールと用語を知っておく
ルールと用語を知ると観戦中の疑問が減るため、「ん?今の何?」とか「それどういう意味?」とかにいちいちなっちゃうストレスから解放される。だから以下をざっくり覚える。ざっくり知っておけば、あとは観戦しているうちになんだかんだ覚えるから、ちゃんと覚えなくて良い。
11人対11人でボール1個を使って対戦。みんなコートの中で好きに動ける。
ボールをゴールに入れると1得点。相手チームより多く得点すると勝ち。1ゴールで3得点入る方法とかは無い。1点ずつしか入らない。
基本的に手でボールを使っちゃいけない。わざと手でボールを触るか、変な位置にある手にボールが当たると「ハンド」って反則になって相手チームのフリーキックになる。自陣のゴール前にいるキーパー(他とユニフォームが違う人)とスローインは手でボールを使う。
コートの外にボール(人じゃないよ)が出たら、出る前にボールを触ってない方のチームの、スローイン、ゴールキック、コーナーキックのどれかになる。ボールが浮いてても、ボールが線より出ていれば、出たことになる(この一文はわからなかったらスルーでOK)。
相手選手と身体が当たるのは問題ない。必要以上に強く当たりすぎたり、足引っ掛けて倒したりしたら「ファール」って反則になって相手チームのフリーキックになる。その「やりすぎ」の基準はそれぞれの審判次第で変わる。
相手ペナルティーエリアで自チームがファールされたらPK(ピーケー=ペナルティーキック)になる。PKは相手キーパーと1対1で邪魔なしでシュートできるやつで得点の期待が超高い。
「ファール」が危なかったり、「ハンド」も含めてなんかずる過ぎることとかするとイエローカードが出される。「ひどい!」ってレベルのことをするとレッドカード。イエローカード2枚でレッドカードになる。レッドカードになると退場になって、1人少ない人数で試合しなきゃいけなくなる。
「オフサイド」は覚えなくても大丈夫。待ち伏せ禁止のルールって言われるもので、相手チームの後ろの方にいる選手より前で待ってる時にパスが出されるとオフサイドって反則になって相手のフリーキックになる。
フリーキック、ゴールキック、コーナーキック、は名前にキックが入っているからわかるかもだけど蹴って始めるやつ。それぞれがどういうのかは、わからなくても大丈夫。
自チームがボールを扱う(ボールを蹴っている)ことを、「ボールを持っている」とか「自分たちボール」とか「マイボール」とか言ったりする。ボールが外に出ると選手は反射的に「マイボ!」って言ってしまう習性がある(審判に「自分たちボールだ」とアピールしている)。ボールを相手ゴールに向かって蹴ることを「シュート」、ボールを蹴って味方に渡すことを「パス」、ボールを持っている選手が1人でボールを転がしていることを「ドリブル」って言う。ボールを触ることを「タッチ」と言い、「ワンタッチ」「ツータッチ」とか触る回数で言ったりするが、なぜか「ワンタッチ」のことを「ダイレクト(ダイレ)」って言ったりもする。ついでに、自陣でピンチの時にボールを外に蹴り出すことを「クリア」って言う。
それぞれのチームが攻める(狙うゴールがある)方向を「前」、守る方向を「後ろ」って言う。攻めている方向の垂直方向は「横」。横方向で、コートの端っこは「サイド」や「外」と言い、コートの内側を「センター」や「中」と言う。コートを半分で分けて「陣地」って言ったりして「自陣(自分の陣地)」「相手陣」と言ったりもする。前に人が行くことを「上がる」って言ったり、後ろに人が行くことを「下がる」や「引く」と言ったりする。
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左側半分が自陣。
青チームがボールを持っている状態。青チーム的にはマイボール状態。
レベル3:なんとなく良いプレーを知る
何が良いプレーかを知ると、盛り上がりどころを共有できるのでより楽しみやすくなる。けど「覚えなきゃ」で覚えるのはダルいから、興味がある時になんとなく以下に目を通しておくだけで良い。自制心がない人が知りすぎると排除対象の語り野郎になるから注意。
相手ゴールの近くにボールがあるほど得点の期待が高いので、ボールが相手ゴールに近づくほど良い。
自分たちがボールを持った状態で相手ゴールの近くにボールがあったらもっと良い。
さらに得点の期待値が高いのが、「キーパーと1対1」か「クロスをダイレ」の二つ。「キーパーと1対1」は、相手キーパーとシュートを打とうとしている選手の間に他の選手がいない状態。「クロスをダイレ」は、まず「クロス」の説明としては「外から相手ゴール前へのパス」で、そのクロスをゴール前でダイレ(ワンタッチ)シュートすること。「キーパーと1対1」はレベルが高いとほぼ見かけないので、だいたいは「クロスをダイレ」の状況が出来たら激アツ。
相手ゴール近くでマイボール状態になるための手段は、自分たちボールで相手ゴールまでボールを近づけて行くか、相手ゴール近くで相手ボールを奪うか、の2種類。だから自分たちボールでボールを前に進められたら良い。ボールを奪う位置が相手ゴールに近いと良い。
だいたいは自分たちボールのまま相手ゴールに近づきたいから、相手にボールを取られそうで取られなかったら「うぇーい!」。その結果ボールが前に進んだら「うぉぉー!」。
自選手の近くに、すぐに邪魔できそうな相手がいないことを「フリー」と言う。相手がいない場所のことを「スペース」と言う。なので、「スペースにいる味方はフリー」。フリーでボールを持っている選手はなんでもできるので、その状態を作れたら「おお!」で拍手👏。
相手が前に進むことを阻止したり、相手のボールを奪ったり、相手にクロスを上げさせなかったり(クロスは「出す」よりも「上げる」と言いがち)、相手がフリーでボールを持った時にいち早く駆けつけてどうにかしたり、っていう相手の邪魔をしたときも「ナイス!」で拍手👏。
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黄色チームが青チームのクロスとか潰したら黄色チームが盛り上がる。
レベル3まで知っていたら、観戦が相当楽しくなっているはず!
とはいえボーッと見てなんとなく盛り上がっても楽しいから、とりあえずレベル1は必須で!
一番は自分なりの楽しみ方を見つけることだけど、この記事がそのきっかけになることを願っています。
おわり