文学の散歩道 (BU2D-3)「にごりえ・たけくらべ」(樋口一葉) 3
(前回のつづきです)
「にごりえ」では、
「女」として「幸せに」生きていきたい・・・。
だけど、今は「白粉(おしろい」と「紅」をさして、生きていかねばならぬ人生にまで落ちてしまった。。。
「好きな男」の幼子(おさなご)に、
「白鬼・・・」と罵(ののし)られる悲しさ・・・。
「なぜ」そこまで言われてまでも、「こんな生き方」をしなければならぬのか・・・。 「お力」は、苦悩するのでした。。。
このように、「お力」は、人生「諦め半分」でありながらも、「幸せ」をかろうじて「願う」のでした。
最後の結末は、「好きな男」との最後でした。
しかし、それは、「本当の幸せ」だったのでしょうか・・・
それとも、やっぱり「不幸」のままで、終わってしまったのでしょうか・・・。 本文からは、はっきりした「答え」は、読みとれませんでした。
このように、「樋口一葉」の作品は、
「主題」に対する「答え」が、「はっきり」しないものが多いです。
先にも述べたように、「樋口一葉」自身が、その「答え」を見つけられなかったからでしょう。
それほど、この「当時」の時代とは、社会とは、
「女性」にとって生きにくいものだったのです。
(つづく)