文学の散歩道 (BU2D-4)「にごりえ・たけくらべ」(樋口一葉) 4
(前回のつづきです)
◆ 「小説」とは、著名な作品であれば、必ず、「主題」が隠されています。
この「たけくらべ」も、「純愛小説」の「美しいベール」で、覆われている感がありますが、
実は、「女性」が「不幸」の道を生きていかざるを得ない、この時代の社会の仕組みに対する、不条理さへの「訴え」がありました。
そのように、なんらかの「主題」が、どの作品にも隠されています。
あの「伊豆の踊子」もそうでした。 「純愛小説」のベールはかけられていますが、「主題」は別のところにありました。
話しを戻し、「樋口一葉」の「後期・作品」は、このように、
「女性を不幸」にするような「時代。社会」に対する「問題提起」が、根底にあります。 だからこそ、「心が痛む」のです・・・。
私も「樋口一葉」の作品は、好きですので、ほとんどの作品には目を通していますが、特に、「にごりえ」も、「にごりえ・現代語訳」・樋口一葉。 と、タイトルになっているほどですから、有名な作品ですが、
この作品も、「女主人公・お力(りき)=力ちゃん」の、「女性」として「生まれた」ことの「不幸な人生」を描いています。
(つづく)