作詞・入門講座 2-6.2 (SK2-6.2) 。 ②「作詞」について。 「書き過ぎない」。「余韻を残す」
(前回のつづき)
・この手法は、「小説」でよくみられます。
例えば、有名な作品ですと、川端康成の「伊豆の踊子」は、みなさんご存じだと思います。
あの「学生さん」と「踊子」。 最後、どうなったのでしょうか?
単純に考えれば、二人は、「伊豆(下田の港)」で「別れた」わけですから、「悲恋の恋物語」です。
しかし、表向きでは、「学生さん」の「旅費」が底を尽きかけたので、東京に戻っただけです。
もちろん、話しは、そんな単純な話しではなく、もっと「深い意味」があり、「建前」として「旅費」が尽きたといっただけなんでしょうが、
ともかく、二人は、「決定的」な「別れ」という「結末」をしているわけではありません。
なぜなら、踊子たちの家に遊びに来るように、「再会」の約束も、社交辞令や建前かもしれませんがしています。
このように、二人は、「伊豆(下田の港)」で別れたのは、「決定的」な理由があってわかれたのではなく、
また、「決定的」な「最終的・結末」で終わっているわけではありません。まだ、「続く・・・」かもしれないわけです。
すなわち、この小説は、「余韻」を残して終わっています。
なので、「流れ(方向性)」は残っていますから、たぶん、「悲恋の恋」が「最終的な結末」なのかもしれませんが、「学生さん」も、精神が回復しましたし、1年たてば気持ちも高鳴り、それに、踊子たちの家に遊びに来るように、「再会」の約束もあったのですから「会い」にいったかもしれません。
ということで、「小説」は終わってしまったけれど、
「楽しい想像」が「続きます」。
同じように、「作詞」の場合も、
「決定的」な「最終的」な「結末・結果」まで書かず、その「前段」で、「途中」で「余韻」を残して終わる書き方が、私も好きです。
ということで、「作詞」の勉強には、「小説」がおすすめです。
「小説」の技法をコンパクトにしたのが、
「作詞」といってもいいくらいです。
(つづく)