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東峰岩屋ギャザリングで思ったこと。

もう2年まえかな、東峰村の岩屋神社のある竹地区にみんなそれぞれの旅で集まって、棚田コーディネーター阿南さんや地元の方と語り合った。その時のメモをFBから移植。

東峰岩屋ギャザリングで思ったこと①近くて遠い

宝珠山は近いのに遠い。すぐそこの秘境。こんな近くに、遠いからこそ保たれている、別世界のような空気と時間。
住んでいる人が明るくて若々しい。いろんな手の技を持って生きている。

内山節(社会学者・哲学者)が、山村の生活はたくさんの小さな技術の積み重ねで、分業前提の貨幣経済に合わないというようなことを肯定的に書いていたけれど、それがすごく府に落ちた。

宝珠山も福岡のたくさんのまちと同じように、炭鉱とともに高度成長を支え、次の役割を探すまちのひとつ。炭鉱が開かれる前のまちに戻るのでもなく、炭鉱時代に戻るのでもなく、未来の子どもたちが夢を描ける場所になってほしい。

僕たちはそこに住んでいないけど、走ったり登ったり飲んだり食べたりする、愛する場所として一緒に未来を考えたい。街にすんで里で遊ぶ人、里に住んで街で遊ぶ人。どちらがどちらを助けるとか何とかするとかではなくて、住む+遊ぶ=暮らしの場を共有する仲間として。

東峰岩屋ギャザリングで思ったこと②有名でなくても

宝珠山竹地区の棚田は、曲線美よりも石垣の高さとボリューム感が独特の雰囲気。棚田としてはちょっと変わってる。見ている人がヨーロッパの遺跡みたい、って言ってた。

棚田の景観保全のプロジェクト、ということで今回のライトアップもされてたらしい。「竹地区の棚田」という名前をどう使っていくかなんて小難しいことはどうでもよくて、とりあえず来て、見て、話して楽しければそれでまずはいいんだと思う。地元のおかあさんたちのおでんが超絶美味しくて、ほんと、ありがたすぎだった。
面白いこと、美味しいこと、楽しいこと、美しいことのまわりには人が集まり、人が集まれば仕事も生まれるよね。

久しぶりの岩屋神社。何度行っても場所のパワーに圧倒される。英彦山の第三の窟、宝珠山窟。隕石が何重もの菰に包まれた御神体。廃仏毀釈の嵐のなか人の勝手で首を失い人の想いであらためて大切にされた羅漢たち。空に絶する岩壁、赤に黄に染められた梢と遠い山から昇る太陽。

東京だったら行列ができるような場所を、地元福岡に住んでるのに知らなかったことが驚き、という声もあった。本当にほんとうに素晴らしくて、素晴らしすぎてあんまり人に教えたくなくなるくらい。

素晴らしい場所は、必ずしも有名になって人が押し寄せるのがいいことではないと思う。そんなにたくさんの人を受けるキャパもないし。その場所やそこに住む人をリスペクトする人が、自分で調べて集まってくれればいいんじゃないかと思う。
広く薄くやるWeb商売とは違う。少数のファンが、それぞれの美しい場所に何度も通うことで、地域に根差した顔の見える仕事もできてくるんじゃないかな。

東峰岩屋ギャザリングで思ったこと③辺境の力

宝珠山竹地区棚田コーディネーター阿南喜房さんは、「ここの人たちは生きる力がすごい」と言った。そのあと一緒に飲んだ地元のちょいワル仙人はまさにそれを体現する人だった。みんな心底圧倒されたね。

辺境には力がある。
宝珠山は筑前だけど、豊前と豊後に接してる。山中に三国石というのがあるはずなんだけど見つからん、って仙人も言っていた。
焼き物は小石原よりも小鹿田まで歩いて買いにいったという。山で隔てられてるけど5キロしかない。少し北に行けば添田。そもそも岩屋神社は豊前英彦山の一部。買い物は杷木か日田。日田のお酒をのみながらそんな話。

進化には隔離が必需品なんたけど、文化もそう。隔離されてガラパゴス化して独特のものが生まれる。そしてそれが外と接触して新しいものをとりこんで、次のステージに進んでいく。隔離と交流の両方が大事なんだよね。

辺境にあるというのは、そのクニの中央から離れ、しかも異質な文化と接して交流できる環境。いろんな不便がありながらも、何か中心的なものに依存するのではなく、あちこちのものを先入観なく取り入れて自分のものにして、自分の生き方で生きていく。三国境の村の空気は、そんな力に満ちている気がする。宝珠山の「何か違う」空気は、単に自然や棚田の美しさだけじゃなく、そんな辺境の力、自ら生きていく人の力なのかも。

高度成長とか、なにか一直線な道の途上では、みんなが中心に集まってみんなで同じことをやるのがいいんだろうけど、これだけ先の見通せない時代には、辺境の力が世界を支えていくんだよ、きっと。

福岡市が元気って言われるのも、日本の辺境だからだと思うんだけどね。

東峰岩屋ギャザリングで思ったこと④総合戦略

東峰村の総合戦略を眺めて、いくつか面白かったこと。

転出者へのアンケート。
将来、東峰村に戻りたいかという質問に、3.7%が戻る予定、40.7%ができればもどりたい、と回答、あわせて44.4%が戻りたがっている。戻りたいが戻ることはできない22.2%を合わせれば、6割の人が戻りたいと思っているそうだ。
実際にそこに身を置いて魅力を感じてしまうと、まあ不思議ではないけどね。

産業別人口。
人口2400人のうち、1200人が働いている。
農業180人、林業15人!山は林業以外にもっと使った方がいいかも。
製造業250人。陶器だね。やっぱりここが主要産業。
卸小売200人。宿泊飲食70人。この3つの合計520人の何割かが陶器観光関連、って感じかな。
そのほかは、建設100人、医療福祉120人、運輸30人、教育40人、公務50人。

5年間での仕事づくりや移住の目標。
新規就農者をで3人。もっといけるんじゃないかな!
農業法人1法人。農家レストラン•カフェを2法人。うんうん。
新規林業関係就業者を5人。「関係」っていうのがいいよね!いろいろありそう。
新たな特産品3個。うん。なんか当たり前じゃない破壊的なのができたらいいね!
観光入込客数71→80万人。春と秋の民陶むら祭に集中しているようなので、別の来る目的があるといいんだろうな。あと、観光消費額がどうなってるのか気になる。71万人が1000円ずつ使うと7.1億円だよね。これが80万人8億円に増えると9千万円増=10人の雇用創出効果。2000円使ってるなら20人だ!(東京都の推計を参考に超概算)
陶器の生産額5.7→6.5億円、窯業従業者155→160人。
起業数3件。ここ、もっとやりたい。絶対可能性ある。スタートアップカフェで、イナカで起業!みたいなイベントやりたい。
移住10世帯。これは上にあるやつをやってればきっと自動的にできるよね。
他地域との連携件数2→4件。これ、もったいないよね。英彦山文化圏とか山岳修験の里みたいな塊で、なにかできるんじゃないかなあ。あと例えば、福岡とか北九州から、自転車とかバスとか電車とか歩きとかトレランとかのルート沿いの自治体連携とか、愛好家団体との連携とか。いや、絶対出来そう。

いろいろ考えたら夢が膨らむよね〜!

で、今日食べたトマト鍋の美味しいブロッコリーがなんと宝珠山産だったという(*^o^*)

東峰岩屋ギャザリングで思ったこと⑤こんなことしたい

何ができるか、みんなで話したことも含め。

とにかく、初めて竹地区に来た2人は、こんないいところって知らなかった、って。どう知らせるかって大事。それでいうと、いろんなwebサービスをどう使うかだよね。イングレスみたいな位置情報ゲームとか、スペースマーケットみたいなシェアサービスとか。新しくアプリを作るとかじゃなく、普及しててユーザーが多いものにどう乗っかっていくかがポイントじゃないかなあ、と。

それと、具体的に面白いコトを作って、それをターゲット絞って繋いでいく。例えば、「民家に住んで棚田の農作業のアルバイトしよう!」って、大学生を夏休みに集めるとか、棚田でのイベントの企画運営のインターンシップするとか。

岩屋キャンプ場でトレラン修行合宿するとか。いや、これはやりたい。本当に考えてみよう。大きなイベントより、小さなイベントをたくさんやる方が受け入れ側も大変じゃないし、来る方も場所の普段の空気を味わえていいんだよね。遊ぶ人が自発的に企画して集まって来やすい仕掛けがあるといいよね。
登山もいろんなところを歩けそう。

ここを含めた旅のルートを紹介していきたい。今回も、バス+バス(日田経由、杷木経由)、電車+バス、電車+徒歩、ロードバイク(杷木経由、小鹿田・日田経由)、という、いろんな旅があった。早朝の靄のなかのバスとか、災害の傷跡の残る川沿いの道とか、細い林道を抜けて開ける小鹿田の里とか、見るべき旅路はたくさんあった。いろんな旅を、それぞれが探したくなるようなムーブメントが作れないかなあ。これからは団体旅行より、一人ひとりが自分で作る個人旅だと思うんだよね。欧米からのインバウンドも個人旅だからね。

泊まるところを作りたい。
150万円で売りに出ている空き家をリノベして、避難小屋的な貸し方とかゲストハウスとかコワーキングスペースとかをやる。クラウドファンディングで利用権を売って資金は調達。管理人として1人雇用できるかな?住み込み方式にすれば家族移住者が呼べそう。
宝満山から英彦山への峰入りルートをメジャーにしたいぼく的には、小石原にゲストハウスか小屋かテン場がほしいな。峰入り古道を気軽に歩いてもらうためには、大日ヶ岳と釈迦ヶ岳の間のところか、竹地区の一番上に。
納屋とか車庫とかをテント場的にエアビーかスペースマーケットにのせるのもおもしろいよね。
改装中の岩屋キャンプ場には大いに期待。

山里を愛する人のクラブみたいなのができないかなあとも思う。街に住む人が、いくつかの山里を故郷として何度も訪れ、住む人と交流し、お互いに会うのを楽しみにできるような関係で結ばれたコミュニティ。そしてそれを支える仕組みがあり人がいて、お互いのおもてなしの交換がお金の交換にもなっていくような。
それぞれの山里にそういう仕組みがあり、となりの里のコミュニティとも緩く繋がり、里から里へ旅ができる…。そんな、マチとサトの関係がつくれたらいいな!

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