2 |【農業・観光編】2021松本山雅FC"裏"新体制発表会を文字に起こしてみた
1 |【事業・集客編】2021松本山雅FC"裏"新体制発表会を文字に起こしてみた
中川 農業・観光・教育という3つのテーマでご紹介したんですけども、その農業という具体的な取り組みについてお話を進めていきたいと思います。
農業の取り組み
農業については、コミュニティ推進部の渡邊さんと経営企画室の星野さんに説明いただきたいと思います。
渡邊さんは松本山雅の元気印ということで…
渡邊 ありがとうございます。気合い入れてやりたいと思います。
スマイル山雅農業プロジェクトについてお話しさせていただきたいと思います。このプロジェクトは2018年から始めたプロジェクトなんですが、松本山雅として今まで依頼をいただいて活動をするというホームタウン活動が主流であったんですが、地域の課題を探って、その課題を解決できるような活動をしていこうということで、地域にある遊休農地が増えているというのと、農業者が減っているという課題を解決しようということでこのプロジェクトを始めました。
最初は松本市の農政課の方にお話をお聞きして、中山地区に遊休農地があるということでそこの畑をお借りして、もともとユースアカデミーの子どもたちもサッカー以外の教育、人間教育をしていきたいと思ったので、食育といったポイントで、子どもたちに指導できないかなということで、中山地区で、塩尻市さんで品種改良された青大豆・あやみどりを一緒に育てることにしました。
地域の農家さんと、障がい者サービス事業所のみなさんと一緒にあやみどりを育てようということで、アカデミーの子どもたちが地域につながってほしい、地域から愛される選手になってほしいというのと、地域貢献を当たり前のようにやろうというようになってもらいたいのと、あと障がいを持った方への接し方、他社理解として障がいの有無に関わらず、一緒に生きていける社会を作っていければということで一緒に活動させてもらっています。
今は障がい者サービス事業所の方に大豆採れた後に選別してもらっていますが、それもお仕事としてお願いしています。山雅の仕事を一緒にやらせてもらって嬉しいですというお話もいただいていて、こちらもすごい嬉しいなと思っています。
中川 具体的にはどのようなことをやっていますか?
渡邊 具体的には種まきをアカデミーのジュニア生と一緒にやったりとか、あとは今年コロナでできなかったんですが、サポーターの方に神林にも畑をお借りしていて、サンプロアルウィンのすぐ隣なんですけど、そこで枝豆の収穫イベントとか、また大きいイベントなんかもやったりしています。
農家を増やすことは私たちにはなかなか難しいですけど、農業を教えるきっかけとか、農業を楽しんでもらえるというきっかけを提供できるのではないかと思って、サポーターさんにもせっかく試合を観に来ているので、ほかのことにも興味持ってもらって楽しんでもらいたいなということで、アルウィンすぐ隣の畑をお借りしてやっています。
今年から安曇野にも畑をお借りしまして、ホームタウンの市町村に畑を少しずつ広げていまして、そこは後援会の方、あとはサポーターの会の方とか、近くの障がい者施設の方にご協力いただいて安曇野のほうも今進めているところであります。
中川 ということは収穫量も増えてきている?
渡邊 そうですね。2019年は1トンだったのが2020年は1.5トン、ということで少しずつ増えてきてはいます。
その大豆を加工してガン豆くんクッキーとか、障がい者施設に作ってもらったりとか、そんなこともしてみなさんに楽しんでもらっています。
今日から大豆も販売しているので…
神田 作った分全部なくなったもんね。
渡邊 1トンどうなるかなと思っていたんですけど、あっという間に…(笑)
中川 この前スタジアム行ったときに恐ろしい光景を見まして、大豆売りますって言ったら即完売でしたよね。
渡邊 去年は枝豆を売らせてもらったんですよね。
中川 枝豆売っていますと言って探しに行ってたら、見つけたらもう売り切れていていました。
それだけあやみどりって、ブランド大豆ですよね。
渡邊 そうですね。塩尻市で育てているものなんですけど、あんまり出回っていないのかな、と。
この地域の洋菓子屋さんとか仕入れてもらって、テイクアウトなイベントでケーキにしたりとか、お菓子にして売ってもらったりとか、そんな感じでまずはみなさんに味わってもらって、楽しんでもらえればと。
あと、松本市内の保育園では給食のメニューの中に入れていただいて、松本市の保育課のほうで仕入れてもらって、給食に入れてもらって、食育ということで片山さんや今井さんが保育園に行って、パルシューレとかサッカー教室やった後に給食一緒に食べて、運動も食事も大事だよということを保育園で伝えてもらったりだとか、そんな活動もしています。
中川 いよいよ収穫量も増えてきて去年、星野さんが新企画の取り組みをスタートしたということで、ご紹介をお願いします。
星野 はい、この青大豆あやみどりをもっと地域の方々にまずは知っていただきたいということと、サポーターの方に実際に食べていただきたいですし、買って応援していただきたいという想いがありまして、この青大豆のブランドを食品ブランドとして山雅で初めて立ち上げました。そのブランド名があやまるというキャラクターもいまして、このあやまるブランドを新商品としてこの春に向けて発売できるように昨年末、商品アイデアの募集をさせていただきました。
応募総数108通というたくさんの応募アイデアをいただきまして、実際に審議会を開いてどういった商品か、このプロジェクトの主軸は地域の子どもたちを笑顔にする、そういった食品ブランドに育てていきたいという思いがあるんですけど、実際に集まったアイデアの中から審議会を開いて優秀賞を決めさせてもらって、その商品を実際に春までに商品化するというプロジェクトを今やっています。
実際に選ばれた商品なんですけど、肉まんが選ばれています。
こちらのアイデアが実際に商品化に向けていま動き始めていまして、メディアの方に取り上げていただいて、今回われわれ実際に一緒につくるところから参画していただけないかということで、企業様に声がけさせていただいたんですけど、実際にご連絡をいただきまして先日、打ち合わせを済ませたところです。なので、商品開発に向けていよいよ動いているということですね。
中川 これも地域で取れた大豆を地域のサポーターのアイデアで企画して、地域の飲食店や事業者さんとでコラボして商品化するという地域一体となった取り組みですね。
星野 そうですね。あとは実際、コロナ禍でなかなか昨年イベントとしていろいろな人と関わることが少なかったのですが、このブランドを作ることで地域外にもわれわれの想いが届くといいなと思ってブランドを作りました。
中川 将来的に渡邊さんが目指すモデルとして、描かれているものがこちらですね。
渡邊 サポーターのみなさんや地域のみなさんのご協力をいただきながら育てたあやみどりを、ガン豆くんとして販売させてもらっているんですけども、それを販売したりですとか、あやまるの商品として販売して、その売り上げを地域の子どもたち、食育絵本というかたちで食育指導できるような教材を作ったりといった形ですとか、協力農家さんにボランティアという形ではなく、きちんと工賃をお支払いして活動したりですとか、障がい者サービス事業者のみなさんに大豆を選別してもらっているので、その工賃としてつかわせてもらったりですとか、アカデミーの育成費ということで、ラズーソに入れたりということで、地域で作ったものを売って、地域に還元できるような仕組みにしていきたいなと思っています。
かつ、アカデミーの子どもたちも育成できるような仕組みにしていきたいなというふうに頑張って、いままだ現在進行中であります。
神田 これ、結構いいかたちで循環しはじめているいちばんのモデルケースだと思っていまして、実際に聞いた話だと、需要と供給だと需要のほうがまだあると、作ることやいろんなサポートをする人のほうが必要なので、いろんな人手を確保する必要があるので、ホームタウンを広げていきたいとか、このプログラムを大きく回せるかどうかが、チームを強くするところまでたどり着けるかどうかのひとつのチャレンジだと思ってまして、担当者とすると、これを一つまわすだけでも大変な苦労されたと思うんですけど、ホームタウン活動のチームの強化につなげるということを考えれば、これからこれが肝になるのだなという気がしています。
中川 今後の展開についても渡邊さんから。
渡邊 あやまるの商品は肉まんと言ったんですけど、肉まんを作ってくれる会社さんを探しているところでして、それをかたちにして流通にのせるといったところが1個目標でもあります。あと先ほどもお話ししましたが、食育の絵本ということで、地域の子どもたちに貢献できるような食育教材を作っていきたいと思っています。
それと生産エリアの拡大ということで、松本2か所、安曇野1か所ということでやらせてもらっているんですけど、遊休農地はまだまだたくさんあって、すべて活用するわけにはいかないと思うんですが、遊休農地を少しでも活用していくことが課題解決にもつながっていくということでも、各ホームタウン市町村に拡大できればと思っています。
なかなか管理するのが難しいのもあるので簡単にはいかないですけど、うまく遊休農地を活用できるようにしたいとは思っています。
中川 松本山雅は農業の会社ではないですが、そういう事業以上にこの取り組みの意義は大きいということですね。
神田 そうですね。関係者含めていろんな意義があるというのはこの育ってきたプロジェクトだと思っているので、これをいかに大きく回せるかというのは、このままでも素晴らしいんですけど、クラブを大きく見ると、クラブを強くできるかというところに各担当者が踏み込んでいけるかというところは、今後いろんな立場の人たちがやらなければいけない、このクラブを成長させるうえでそこは必要なのかなと思います。
観光の取り組み
中川 実は渡邊さんはこのあとの観光についても担当されているということで、そのまま観光のほうにもいきたいと思います。
観光なんですけど、松本山雅ジャーニーということで、quodさんにご協力いただいて、せっかく試合に来てくれたならこの地域を味わって帰っていただきたいなということで、2019年のFC東京戦のタイミングで松本山雅ジャーニーを実施しました。
内容としては、地元を味わってもらうということで、中山地区の畑の近くに農業体験施設があって、そこにテント泊していただいて、地元の野菜を使ってバーベキューをやったりですとか、近くの温泉に入っていただいたりですとか。
中川 私も参加していたんですけど、地域の使われていない土地を使って、いかにホテルじゃない体験とか、ディープな体験をしてもらうかというところで、松本山雅のサポーターとFC東京のサポーターと一緒にキャンプするということですね。結果的に何が起こったかというと夜、地元の方と仲良くなりすぎて2時ぐらいまで飲んで試合の日にめちゃくちゃ疲れていたということが起こったんですけど、実はこのアウェイサポーターにライフワークではあるんですけど、せっかく来てもらうからそこでいかに地域を味わってもらうとか、松本というところを特別に地域に住まわれるとか、そういう機会ですよね。
渡邊 農業体験もしていただいて、収穫体験とかしていただいたりだとか、東京からくるサポーターさんだったので、結構新鮮な体験ができたということで好評いただきました。
神田 自分達では当たり前のことが、東京にしたら非日常的ということなので、改めて地元の人からしたら気づかれないことなので、もっとそういうところをつなげられればいいですね。
渡邊 2020シーズンはコロナの影響で東京からお呼びすることができなかったので、域内で改めて地元の良さを知ってもらうということで、スポンサーさんにご協力していただきながら枝豆をつかったディナーを出してもらったりとか、ヨガやったあとにディナー食べてもらうとか、バルシューレ教室やったあとに枝豆を使ったピザを作ってもらうとか、農業体験と運動を組み合わせたイベントを2020年にやらせていただきました。
ジャーニーをやる一番の理由としては、なかなか松本域周辺で観光してスタジアムに行くパターンが多いなというのはいろんなところから情報得て感じているので、改めて他のホームタウン市町村にもぜひ足を運んでもらうきっかけをこちらも作って、ホームタウン市町村に貢献できればと思って、ジャーニーを始めました。
なので、いろんな地域の魅力を触れてほしいというのはありますね。
あとは、今回もそうだったんですけど、埋もれていた隠れた地域資源を活用できるんじゃないかと思っております。
サッカーで松本山雅を知ることはあると思いますけど、そういう入り口としては農業体験だとか、旅行は面白いなと思って、その延長で松本山雅の試合を観に行って帰ってもらうみたいな形で、旅行に興味を持ってもらう、ホームタウン市町村で旅をする、味わうというところに興味を持ってもらって、松本山雅のことを知ってもらうという、新たな関係人口を作り上げるのではないかと思ってジャーニーを実施しました。
なのでコロナの影響でなかなか実施するのは難しかったりはするんですけど、今後さらにジャーニーも事業を拡大していきたいなとは思っております。
中川 こちらも今後の展開ということで渡邊さんには用意していただいているので、流れのなかで紹介いただけると。
神田 ガンズくんがいる役割も似ている気がしますね。
去年パラグライダーやった生坂村のそういうスポットが改めてフォーカスされただろうし、域内の人にもそういうのを知ってもらうきっかけにもなるし、今年はコロナと向き合う1年になので、いろいろやりたいですね。
渡邊 アウェイのサポーターさんと地域をつなげるのは松本山雅なんじゃないかなとは思っているので、松本山雅ジャーニーがそういうハブになれればいいなと思ってます。
今も実際、ホームタウン紹介動画を撮ってホームタウンの良さを発信しているんですけど、そういう紹介をするだけじゃなくて、その紹介したところのツアーとか、そういうのを実行出来たら良いと思いますね。
中川 良いですよね。サッカーを通じてアウェイサポーターだけでなく地域の人たちともつながっていくということですよね。例えばおもてなしすることもそうですし、今年は地域の方を呼んでということで、そこでまたコミュニティができたりとか、地域の方にも地域のなかを知ってもらうということですね。
渡邊 中山の農家さんは松本山雅と活動し始めて、今まで出会えなかった方に出会えて、日常が楽しくなったと言ってもらえたので、そういう意味では山雅を日常の話に提供出来ているかなと思います。
中川 小林会長すごいですね。
渡邊 小林会長は山雅のことサッカーやってるチームでしょ?みたいな感じだったんですけど、今は会うと昨日勝ったね、負けたね、〇〇選手がゴール決めたねとか言ってくれるのでかなり試合気にしてくれるんだなと、応援してくれるんだなと思うので、このプロジェクトをやっている意味はあるんだなと思います。
中川 素敵な取り組みだと思います。
神田 観光のところがコロナ禍で歯切れが悪くなってきているので、ここはみんなで向き合って工夫するしかないですね。
中川 実際、これがJリーグで評価されていたんですね。コロナというところはあるんですけど、形を変えたりだとか、柔軟に対応しながらサッカーの試合をきっかけに人がつながっていく、コミュニティになっていく、遠出した人もおもてなしする人もそこのハブになればいいと思います。
中川 長い間ありがとうございました。あと大豆の宣伝だけ…
神田 まだいっぱいあるんですか?
渡邊 12月に採れたんで、まだいっぱいあります!
おいしいんで、ぜひよろしくお願いします。
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