マウンテンドクターと近年のドラマ
2024年7月から、カンテレ・フジテレビ系列の月曜22時全国ネットドラマにて、長野県松本市周辺を舞台としたマウンテンドクターが放送されています。
どうも関連記事によると、カンテレの近藤プロデューサーが松本市出身で、そこからこのドラマが制作されたとか。
ドラマ・白線流しの影響
さらにそこのなかで白線流しというワードが出てきました。
白線流しとは今から28年前の1996年1月期にフジテレビ制作で放送された松本市を舞台にしたドラマで、主演は長瀬智也さん、酒井美紀さんで、主題歌がスピッツの空も飛べるはずでした。
30年前にリリースしたこの曲が1億回再生されているのはさておき、当時の平均視聴率は11.2%と、お世辞にもそんなに高視聴率だったというドラマではありませんでした。
なぜならこの年の4月期の月9ドラマはあの「ロングバケーション」
しかも、ランキングを見るとフジテレビに限らずドラマの黄金期であったことがわかります。
ただ、この記事の最後に
比較の対象が強すぎたように思える時代であり、かつまだ今に比べたら規制が緩かった時代でもあったように思います。
しかし、今でも思い出に残っているという方も少なくなく、このドラマを見ていたという近藤プロデューサーは
とあり、子どものころに見たものの影響から、大人になって新たなるものを生み出す、まるでドラマのような展開だなと感じました。
高視聴率というのは多くの方が見ているので世間に影響を与えることができるのですが、たとえ番組の視聴率が伸び悩んでも誰に刺さるかで、本当にその人の人生が変わってしまうように思います。
カンテレって?
ここまでカンテレという言葉を使ってきましたが、あまりテレビを見ない方や関西圏以外の方にはピンとこないかもしれません。
カンテレとは大阪を拠点とする関西圏のフジテレビ系列局である準キー局・関西テレビのことで、2015年から愛称をカンテレに統一しました。
2024年9月時点での全国ネット制作番組は、
・月曜22時ドラマ(マウンテンドクター)
・火曜21時バラエティ
・火曜22時バラエティ(火曜は全力!華大さんと千鳥くん)
・火曜23時ドラマ(あの子の子ども)
・土曜8時台バラエティ(土曜はナニする!?)
このほかに不定期で「さんまのまんま」や「千原ジュニアの座王」「決断ひとり」などなど、そして「R-1ぐらんぷり」が主な番組となります。
そしてカンテレといえばやはり「競馬」ではないでしょうか。日曜15時からフジテレビ系列で放送されているのはフジテレビの「みんなのKEIBA」か、カンテレ(東海テレビ・テレビ西日本)の「KEIBA BEAT」で分かれているくらいで、競馬番組は東と西の地域ごとで別の番組をやっているのです。
ほか、オリックスバファローズ(・阪神タイガース)の主催試合中継制作や大阪国際女子マラソン、あと地上波では放送されませんがDAZN向けのJリーグ中継制作、フジテレビ・スカパー!向けのJリーグYBCルヴァンカップ中継制作など意外とサッカー中継も多く、スポーツ中継も数多く手がけています。
カンテレへ行ってみた
そんなカンテレのある大阪へ行ってみました。
大阪メトロ堺筋線の扇町駅から直結しているとのことで、地下鉄で向かいます。
グッズ売場の「カッテーネ」も見てきたのですが、マウンテンドクター関連のグッズはすべて売り切れていました。。
ドラマのカンテレ
そんな数多くの人気番組を抱えながら、ここ数年でカンテレが力を注いでいるのが、今放送されているマウンテンドクターを含む「ドラマ」なのです。
世代にもよりますが、自分の中ではやはり1998年に放送された「GTO」がかなり大きかったと思います。平均視聴率は28.5%、最高視聴率は35.7%でした。
ここにカンテレ制作の過去ドラマがあるのですが、正直、多くの視聴者はフジテレビ制作なのかカンテレ制作なのか区別がつかないしあまり関心がないと思います。でも、それだからこそ個性的なドラマができるのではないでしょうか。
今回のマウンテンドクターも「山岳医療」という新しいテーマを元に制作されたドラマで、そもそも月曜22時台のドラマはカンテレ的にはチャレンジ枠と題しているようで。
そんな攻めた結果が今のカンテレドラマ制作につながっていると思う記事を見つけました。
カンテレ局内でもドラマ制作、ゆえに全国ネットでのドラマ制作にはかなりハードルも高く企画力も必要で、そう思うと今回のマウンテンドクターはまさに山岳医療という新しい分野、そしてプロデューサーの出身地でもある松本市が舞台というのはいろんな巡りあわせが回ってきた結果なのかなとも思っています。
現代と過去のドラマ視聴
自分はあまりドラマを見る習慣がなく、見てもピンポイントで、シリーズ通して見続けるということが少なくなっているなかで、改めて今と過去ではその視聴方法に変化があるように思います。
先に出てきた1996年の白線流しや、大ヒットを遂げた1998年のGTOなど、90年代のドラマはまさにリアルタイム視聴が主流で、放送されていたその曜日のその時間に見る、といった形でした。
見逃してしまったら再放送が無い限り見ることができなかったため、どうしても見られない場合はビデオ(VHS)に録画していた人も多かったでしょう。
VHSなんて、そもそも巻き戻しという言葉がわからない若い世代は知らないと思いますが、いわゆるテレビ用のカセットテープで、VHSレコーダーがあってそこにビデオテープを入れて録画するというものです。
今みたいにテレビに番組表が出てボタン一つで録画するという時代ではなく、新聞のテレビ欄を見ながらチャンネルと放送時間を確認してから録画予約を設定して録画できる時代だったわけです。
しかし、厄介なのはプロ野球中継などの延長で、野球中継のあとの番組がそれぞれ30分づつ延長されて放送時間が繰り下がってしまうと、ドラマの半分が録画されていない!ということも珍しくありませんでした。そんなプロ野球中継が優先されるほどの時代だったのです。
ほかにもVHSあるあるとして、チャンネルを間違えてニュースステーションが録画されていたとか、3倍モードをうっかり標準モードで録画して最後にテープが足りなくなってしまったとか、録画するテープが無くなってしまってツメの折ってあるテープにセロハンテープを貼って録画したらそれが消してはいけない大事なテープだったとか、いろんな思い出があったと思います。
その後、DVDやブルーレイ、そしてHDDなどの録画機器の登場でVHSの時代が終わり、録画の手段が変わり、そして今は配信の時代となり、録画するということ自体が無くなりつつあります。
それを象徴したニュースがつい最近ありました。
ついに録画用のブルーレイが生産終了となったのです。
HDDで事足りるというのと、そもそも配信でいつでも見られることを考えれば録画する必要もなくなっているといったことでしょう。
そこでテレビも配信に向けた取り組みを行うようになっています。
TVer が開始されたのは2015年10月。インターネットや動画サイトへの違法アップロード対策として公式への番組配信としてスタートしたのが、これまで配信を拒んでいた番組も参加し、またキー局だけでなく大阪などの準キー局や地方局制作のローカル番組もTVerで見られることもあり、さらにTVerオリジナル番組やドラマのオリジナルストーリーといったものも配信されており、今や新しい媒体になってきたように思います。
そしてマウンテンドクターの第1話を見ていて思ったのが、どちらかというとストーリーではなくドラマのあらすじを説明する回、例えるならエピローグ、いわば第0話のように感じました。
なぜなら、TVerですぐに見返すことができるからでしょう。
それぞれストーリーは1話完結で進んでいるのですが、元をたどれば第1話につながるように思えたのです。これまでの数多くのドラマもそのような構成になっていたと思うのですが、TVerやサブスクで見返すことができるようになりより見逃しても大丈夫な構成になっているように思います。
なので最新話から見始めても第1話を見返すことでさらに面白くなり、あと、カンテレドーガやFOD、Netflixのサブスクでお金を払えば全話見返すことができるわけです。
かつてのレンタルビデオはこれで商売できていたのですが、時代の流れでサブスクに移行しつつあるのです。
とはいえ、TVerの再生回数と地上波放送の視聴者数はまだまだ雲泥の差があるのも事実で、視聴率が低迷している、ネットの時代だとはいえまだまだ地上波放送の力は健在であるように思います。
あとからでも話題にできる視聴環境
パリ五輪で一時は視聴率が落ち込みましたが、TVerなどで後から見返し、あとからでもヒットさせることができるのが今のドラマの時代であると思います。
白線流しも視聴率こそ伸び悩んだものの、あとから思い出に残るような作品となったように、このマウンテンドクターもヒットとなってほしいですね。
主題歌 Official髭男dism Sharon
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