見出し画像

WBCから何を学べたか?

侍ジャパンこと、野球日本代表はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でアメリカを下し優勝・世界一となりました。

WBC決勝戦の視聴率は、平日の午前中にも関わらず42.6%を記録したそうです。

これを見て、やはり日本は野球の方が盛り上がるのか…と思う他のスポーツ業界の方は多いかもしれません。
しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。
いろんな角度から考えていきたいと思います。

WBCが良くできていた大会

WBCという大会自体が良くできていました。
国際大会という舞台なんですが、

・東京(日本)で予選ができる
・日本代表はテレビのゴールデン(プライム)タイムと言われている19時から試合開始
・決勝はアメリカ(マイアミ)
(日本との時差は13時間)
・日本の準決勝が祝日

なので、日本はちょっと頑張ればアメリカ(準決勝)までたどり着けたのです。
これって目標設定と同じで、掲げる目標があまりにも高すぎると途中で挫折してしまうし、かといって低すぎてもモチベーションにつながらない。頑張れば届く目標だと目標達成もできるし自信にもつながります。
WBCに話を戻すと、対戦相手が弱すぎても盛り上がらないし、かといって予選から強豪が出てきたら大会自体が盛り上がらないので、頑張れば勝ち上がれる(アメリカに行ける)レギュレーションだったように思えました。
もちろん選手個々の能力が素晴らしいというところもあります。だからこそ、優勝して当たり前のような感覚でもありました。
参加国は全世界で20か国だけですが、それでもこんなに盛り上がれるのにはほかにも理由があったからに思えます。

日本が頑張るほど儲かるアメリカ

WBCの主催はアメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)とMLB選手会です。
野球の世界大会が無いことから2006年に始まった大会ですが、主催国であるアメリカが有利な大会であることには間違いありません。
しかし、主催するMLB側からは選手を出し渋り、さらに大会から得た収益のうち主催者側の割合があまりに高く、日本がどんなに頑張ってもいろんなものが持っていかれる大会なのです。

しかし、主催者が儲かるという構造自体は否定しません。
なぜなら主催者が儲からないと大会自体が行われないからです
注目すべきは、WBCのパートナー企業がほぼ日本の企業だということです。

ここでW杯のパートナー企業を見てみましょう。

よく見ると日本の企業はゼロなんですよね。

なので、WBCはアメリカが主催であるものの、日本の企業が出資し、日本が一番盛り上がって、アメリカに所属する大谷さんが活躍し、収益も主催のアメリカが持っていくという構造なのです。
これは今に始まったことではなく2006年の第1回大会から言われていたことなので、いまさら騒ぐ必要もないでしょう。

その構造が変わることはないので、そのWBC熱から何を学べたか?を考えていきます。

テレビ視聴率は日本戦全試合40%超え

前述のとおり、決勝戦は視聴率40%を超えた件について考えてみます。
平日の午前中からみんなテレビ見ていたの?という半面、こんな話題がありました。

これが本当だとすると納得がいきます。
なぜなら、70歳以上の先輩方はテレビの視聴習慣があり、かつ平日午前中に在宅している割合が高いと思われるからです。
テレビの視聴率は自宅のテレビでカウントされているので、そうなると、70歳以上の方が在宅している率の高い平日の午前中に視聴率40%超えなどは決して不可能ではないでしょう。

そして、もうひとつ面白い記事を見つけました。

W杯の際は、サッカーのサポーターは品がないから渋谷で騒いでいるとディスられました。
なので、野球ファンが渋谷で騒がないのは(高齢で)試合後に騒ぐ体力が無いからとディスり返せばいいと思ってます。

冗談はさておき。

Jリーグも高齢化だ高齢化だといわれていますが、プロ野球もちゃんと調査すれば高齢化だということがはっきりするんじゃないでしょうかね。
でも、自分は高齢化ということを否定していなくて、なぜなら高齢層がお金を出して若い層を受け入れられるサイクルを作っているからなんですよね。
お金を出せる人(高齢層)がお金を出し、若年層がわずかな負担でチームを支え、その若年層が今度は高齢層(お金を出せる人)になって次の若年層を支える…といったところです。

つまり、ファンに年齢は関係ないんです
本来、若年とか高齢とか関係なく、応援することに年齢なんて関係ないはずです。

個人的に思っているのが、若い世代を呼びたいと言っている人ほどどの世代も呼べていないと思うんですよね。
これからは世代関係なく、人を呼べるところが強くなると思ってます。

選手を誰も知らないのに盛り上がる

WBCの試合を見ていて、対戦相手国の選手を知っている人ははたしてどれくらいいたでしょうか?
W杯では結構対戦相手の選手を知っている人も多いですが、WBCでは相手の選手を知らない割合がかなり高いです。下手したら、相手どころか日本の選手を誰一人知らないのに見ていた人も多いでしょう。なのに、視聴率が40%を超えてしまうわけです。
これって紅白歌合戦で出場歌手が当日まで非公表なのにそれでも高視聴率をとっているようなものです。
要は、自分たちの応援しているチームの選手を誰かひとりでも知っていれば応援している気分になるということなんだと思いました。

日本が優勝したから独立リーグを見に行こう

巷では野球人気復活だ!という声もありますが、はたしてそうでしょうか。
というか、そもそも野球が人気というわけではないように思います。
ぶっちゃけ、日本で人気があるのはプロ野球と高校野球です。
独立リーグで満員の球場を見たことがあるでしょうか。
WBCで日本が優勝したから独立リーグを見に行こうとはならないですよね。
W杯で日本が活躍したからJリーグを見に行こうとならないのと同じですよね。
なぜなら、出ている選手が誰もいないからです。

そうです。
やはり世間一般が見たいのはテレビ・スマホの画面越しに映っている選手が見たいんですよ。
W杯に出場したその選手がJリーグにいないから、Jリーグはお客さんが増えないんですよ。
で、そう書くと今各クラブで頑張っている選手たちに失礼じゃないか!と言われそうだし、自分でもそう思っていたのでなんとか伏せていたんですけど、でもWBCの盛り上がりを見てそう確信しました。
それを遠回しに伝えたのがJリーグと日本代表は別物だったわけですが、やはり直接言わなくてはいけなかったですよね。

ピッチで必死にプレーしている選手、もしくは試合に出られるよう必死に練習している選手たちに対して失礼だと思っていたから選手のことは書かずに、サポーターがサポーターを排除していたらJリーグって客増えないよね、という苦し紛れのことを書いていました。

しかしWBCを見て、やはり試合の肝は選手であり、そこがアピールをしないと客は見に来てくれないなと。
新規のお客さんは、テレビやスマホで見た選手を見にスタジアムへ足を運ぶわけです。

じゃあ、Jリーグはどうすればよいの?といったら、簡単です。
選手はもっとアピールしていいと思うのです。
というか、12番目の選手と言われているサポーターももっとアピールしてよいと思うんですよね。

ところが、最近愚の骨頂だと思っていることがあります。
選手に対してこのような発言です。

SNSやってるヒマあったら練習しろ
YouTubeやってるくらいなら試合に勝て

会社で上司から、スマホいじってるヒマあったら仕事しろって言われたこと、もしくは部下にそう注意したことないんでしょうかね笑
料理が美味しくても客が来ない店ってつぶれるんですよ。
それと同じで、どんなにプレーがうまくなろうが試合に勝とうが、それを見てくれるお客さまがいなければ選手の評価って上がらないんですよ。

選手が必死になっているプレーは競技・プロアマ・カテゴリー関係なく応援されるべきだと思ってます。
試合会場でも、テレビ・スマホ越しでも、結果だけでも、思いは一緒だと思います。

それをいかに巻き込んでいけるか。
WBCの大会を通じて改めて感じました。

自分自身、勝てばお客が増えるという言葉は一番嫌いです。
なぜなら、勝って来てくれたお客さんは勝てなくなったら来なくなるからです。
そうならないように集客、一緒に考えていきたいですね。

さて2024年のオリンピックパリ大会では野球競技がないので、次の侍ジャパンは2026年となります。

それまでの活動予定は今時点でほぼ白紙なんですよね。
前述の通り、日本の企業が出資して、日本が一番盛り上がって、収益も主催のアメリカが持っていくという構造を3年後もやらなくてはなりません。

しかも、2026年は北米でW杯もあります。
サッカー日本代表はまだ出場すら決まっていませんが、来年1月にはアジアカップがあり、W杯に向けたアジア予選も始まっていきます。

やれば盛り上がるけど、定期的に国際試合ができない野球日本代表侍ジャパン。
放映権料の高騰で見ること自体難しくなっているけど、4年のあいだに定期的に国際試合があるサッカー日本代表。

どちらも何らかのリスクを抱えています。
しかし、日本全体が盛り上がるのには変わりありません。
そこに加わるのが2023年8月に沖縄で開催されるバスケットワールドカップです。
バスケ日本代表も自国開催で盛り上がることに期待しましょう。

以上、WBCから何を学べたか?でした。


このnoteをいいねと思ってくれた方は
♡をポチっとお願いします。
応援していただける方は「気に入ったらサポート」から
応援していただけるとありがたいです。
今後もnoteを書く励みになります。



いいなと思ったら応援しよう!