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歴史、愛、彩り。
きゅぴーーん。しゅばばばば。
連日寝込んで外に出てないとこんなにもふざけたくなるんだよ。だってタイトル真面目じゃん。
私は花を贈るときの花言葉くらいには常識的な関心があっても、特段占いやスピリチュアルなものに興味関心が向かない。というより当てにしていないのかもしれない。
だけど、こんな私ともフラットに腹を割って付き合ってくれる人生経験豊富な唯一の飲み仲間と、「一度くらいはしっかりした姓名判断師のとこで占ってもらうのも面白そうだ」という話を時々するのも実は嫌いじゃない。因みに彼は、あまり派手な格好はしないが物持ちもよくある時から「イエロー」は必ず靴だとかハンカチだとかに忍ばせている。だから、決まって誕生祝いは黄色一色の花束を渡して飲みに出るのだ。
今年の私のマイカラーは「サーフグリーン」だ。
きっかけはエレキギターを始めようと、相談に乗ってくれた万代書店ギターコーナーで働く年上知人からの一言だった。
「塩顔くん、サーフグリーン似合うよ。」
たったそれだけ。
でも、なんだかんだ当時はあまり乗り気ではなかったが、発見ではあったので頭の隅っこに残っていた。
一本目のエレキギターをレスポールにしようとしたら、ちょっと情報過多でこだわりが入ってしまい購入までのスピーディさが欠如してしまった。それを反省し、万代の知人とも仲のいいこれまた年上の知人が働く小さな楽器屋さんで「お求めやすいいずれ使うであろうテレキャスター」というお題で即購入したのがサーフグリーンのテレキャスターであった。若干濃いめのローズウッドのネックと白とは言えない淡さのピックガードが最後の決め手だった。
その数日後、スケジュール帳を買い替えなければと平安堂に駆け込むと、昨年気に入って使っていたEDiTが一冊だけ売れ残っていた。そして、これももちろんサーフグリーンであった。
といった経緯で知人の一言から今に至る。
そもそも私はオシャレに気を使うのも疲れツナギを着るタイプの人間で、髪を染めてこなかった事もあり片田舎らしい濃い色を着ることの方が多かった。今は派手ではなくとも髪を染め、関西の血筋なのか日焼けすれば海の男だと間違えられるが、泳ぐのも苦手な雪深い山の男なので、なんか書いててツラい。
それはさておきこの色は私の視界を豊かにしてくれる「遊び心」のようだと受けとっておくとしよう。
さて、グリーンと言えば印象に残った洋画がある。
グリーンブック(2018)
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『グリーンブック』(Green Book)は、2018年に公開されたアメリカの映画で、実話をもとにしたヒューマンドラマ。監督はピーター・ファレリーで、ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリが主演している。
1962年、アメリカではまだ人種差別が根強く残る時代。イタリア系の粗野な用心棒 トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、高名な黒人ピアニスト ドクター・ドン・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手兼ボディガードとして雇われる。ドクター・シャーリーは南部への演奏ツアーを計画しており、黒人が安全に泊まれる施設をまとめた旅行ガイド『グリーン・ブック』を頼りに旅をする。
旅の中で、トニーはドクター・シャーリーの洗練された振る舞いに驚きつつも、次第に尊敬の念を抱く。一方、シャーリーもまた、粗野だが誠実なトニーに心を開いていく。しかし、南部では想像以上の差別と困難が待ち受けており、二人は次々と試練に直面する。
まず目に留まったのは、トニーのガタイだ。私は「シェフ」の主演に対してもそうだが、料理人カール・キャスパー(ジョン・ファヴロー)みたくガタイのよさやら、割腹のよさやらで鑑賞するかを瞬時に判断しているようだ。トニー演じるヴィゴ・モーテンセンは役作りのために14kg増量。なんてこったい。たぬき腹の父にも見習って欲しい。
そして、このガタイがキャデラックを運転するシーンに痺れない男性がいるのか、と声を大にして無言で書き綴っている。因みにギターで有名なフェンダーの塗装はデュポン社の塗料で、キャデラックやシボレーにも使用されていたソニックブルーやサーフグリーンを連想させる。ここで登場するキャデラックは、翡翠石にも通づるターコイズブルーという情報があるようなのであまり勝手な判断はしないでおこう。ブルーとグリーンは違うだろうという色に敏感な方には目を伏せていただいて、この淡い色味が物語に彩りを与えてくれているようで堪らない。
物語が進むにつれ、黒人差別はもちろん、白人と言えど貧困なイタリア系移民への扱い、同性愛、生活のために振るわれてきた暴力、黒人にも白人にも一家の男にもなれない天才の葛藤、ケンタッキーフライドチキンの誕生背景、後に起こるロバート・ケネディ暗殺事件、とこの旅で浮き彫りになる時代背景は実に生々しく情緒的だ。
トニーが言う通り私には想像ができないほどアメリカ社会は「複雑だ」。それでもシャーリーのルービンシュタインが如く訓練されたショパンは、シャーリーだけのジョーパンだと旅を共にしたトニーの言葉はあたたかい。
シャーリーが愛飲していたカティサークの緑瓶、トニーが盗もうとした翡翠石。
旅の終盤はクリスマスだ。
Buon Natale(ボンナターレ)
魔女も実写「リトルマーメイド」を観て言っていたな。
「あたし、あの女優さん大好き。あの声は黒人だから出せるのよ。」
映画は本当に教養深くて素晴らしい。
丁度ヨレンタさんの名シーンもアニメで放映されたので最後に。
今を生きる人には、過去の全てが含まれてる
なぜ人は記憶にこだわるのか
なぜ人は個別の事象を時系列で捉えるのか
なぜ人は歴史を見出すことを強制される認識の構造をしているのか
私が思うにそれは、神が人に学びを与えるためだ つまり歴史は、神の意志のもとに成り立ってる
歴史を確認するのは、神が導こうとする方向を確認するのに等しい だから過去を無視すれば、道に迷う
もし今の私が父と対峙したら、道を阻まれたらどうなるだろうって
考えただけでそれは人生最悪の瞬間で、混乱して平静を失うと思う
でもその時にこそ、正しいと思った選択をしなきゃいけない
きっとその一瞬の選択のために、私の数奇な人生は存在する
積み上げた歴史が私の動揺を鎮めて、臆病を打破して、思考を駆動させて いざって時に引かせない
全歴史が私の背中を押す
私は地動説を愛してる
そして、愛してしまったことを祝福したいから
流石に書き疲れた。
Buona notte(ボナノッテ)