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【アートの記録_0025】

記録用の過去の写真を掘り起こしていたら、金沢21世紀美術館に友だちといった時の写真がわらわら出てきた。限りなく思い出日記になってしまうけど、「アートとともにあったあの日の記録」としてエントリーしてしまおう。せっかく出てきた記憶を記録しておきたいから。

振り返れば、タレルの部屋が旅のハイライトだった。

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同僚で友人だったKさんが、会社を辞めることになった。彼女はめいっぱい仕事して、まとまった時間を作っては旅に出る生活スタイルの人で、旅先で出会ったイスラエル人と恋をしたり、海外の恋人とガラパゴス諸島(現地集合)でバカンスしたり、グローバルにラブリーな生活をしていたのだけれど、京都で出会ったイギリス人と結婚し、イギリスに移住することになったのだ。

マイルを使い切りたいから1泊旅行をする予定なんだけど、一緒に行かない?というので、二人で金沢に行くことにした。目的地は金沢21世紀美術館のみ。彼女は飛行機で。私は新幹線で。

金沢についたら、市場にも行きたいし、ひがし茶屋街も冷やかしたくなった。とにかく1日しかないので、レンタサイクルでめぐる。

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天気もよくて、カラーアクティビティハウスの影もきれい。

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余っていたフィルムとチェキを持って行ってバシバシ写真を撮っていた私を友人が激写。背景にはレアンドロ・エルリッヒのスイミングプール。

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夕方、2人でもう一回タレルの部屋に行った。ただじっと、思い思いに天井を、空を眺めた。青が濃くなり、三日月が出てきた。

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美術館を出るころにはすっかり辺りも暗くなって。夜のカラーアクティビティハウスも素敵。

そもそもの旅が行き当たりばったりなので、当然予約などもしておらず、ホテル近くの、全国チェーンではないけど、地元にはいくつかありそうな海鮮居酒屋に入った。日中もおしゃべりしながら移動してたけど、改めて結婚する彼のこととか、移住の準備とか、移住先での仕事とか話したいことはいっぱいある。が、彼女のコミュニケーション能力の高さで、あっという間に回りのテーブルも巻き込んだ大宴会になってしまった。店員さんをチェキで撮って白子をおまけしてもらったり、隣の席のグループをチェキで撮っておつまみをおすそ分けしていただいたりもした。フィルムが古くて白とびしてたけど、酔っている人にはあまり関係ないみたいで、喜んでもらった。

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通りがかりの人や飲み屋であった人にはあげちゃったし、フィルムが古くて色が出ないやつもいっぱいあったので、残ったのはこれくらい。ファイルに入れてプレゼントしたら、お礼にイラストを描いてくれた。

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翌日の昼の飛行機で彼女は帰ってしまったので、結局一緒にいた時間は1日弱だけど、大きな決断と旅立ちのタイミングで声をかけてくれて、一緒に時間を過ごしてくれたのがうれしかった。彼女と同僚だったのはたった1年3か月。その間が濃厚だったこともあるけれど、短い期間で友だちになれたのは彼女の絶妙な切り込み力と、距離感、受け入れる力のおかげかな、と思っている。旅とアートという趣味が重なっていたのもよかった。

金沢弾丸旅行から5年半過ぎた。彼女もママになった。今もイギリスでラブリーな生活を送っているはずだ。

あの日、彼女を見送ってから私は新幹線の時間まで、もう一度タレルの部屋に行って、1人で空を見上げた。彼女がどんな思いで切り取られた空を見ていたのか、何を考えていたかは分からないけど、きっと大切な時間だったはずだ。その瞬間に立ち会えてよかった、と思った……  

というのを、一気に思い出したのだけれども、うまくまとまらないなあ。ただ、確実なのは、タレルの部屋に行く度に、彼女と当時の彼女の決断のことを思い出すんだろうなあということ。ほかにもいろいろ行ったけど、タレルの部屋があの旅のハイライトとして一番しっくりくる。

ずいぶんご無沙汰してしまっているし、久しぶりに金沢21世紀美術館に行ってみようかな。

【金沢21世紀美術館】石川県金沢市広坂にある現代美術を収蔵した金沢市立の公立美術館。愛称はまるびぃ(由来は「丸い美術館」)であるが、一般的には「21美(にじゅういちび)」と呼ばれることが多い。(ウィキペディアより)公式サイト https://www.kanazawa21.jp/

そんな愛称、聞いたことないよ~と思ってたんだけど、公式サイトをみたら自分でまるびぃって言ってました… 今年で開館15周年なんですね。今かかっている「現在地:未来の地図を描くために」もとてもよさそう。行きたい。


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