【アートの記録_0013】
昨日、森美術館に塩田千春展「魂がふるえる」を観にいきました。その企画展を出たところのMAMコレクションで「フェイクニュース?」という切り口の展示があり、会田誠の映像作品を観たのです。
日本の首相と名乗る男が国際会議風な場所で英語スピーチする映像作品「The video of a man calling himself Japan’s Prime Minister making a speech at an international assembly」で、スクリーンには映像が流れ、側面の壁にはスピーチ内容の原稿が掲示されています。スピーチする男は作家本人で、日本語訛りの英語で大真面目に「みんな鎖国すればいい」という外交論を訴えます。
掲示されている原稿は、日本語を英語に対訳してあり、英語原稿の上に、カタカナのルビがふってあったり、抑揚のつけ方などをメモしてあったり、英語スピーチに苦戦している感じが伝わってきます。スピーチ最後の方で、「そもそも英語でスピーチしなければならないのも不平等だ!たどたどしく、幼稚園児程度の言葉になってしまうのも腹立たしい!」みたいな怒りをあらわにしています。場とそぐわないのと可愛くなってしまっているのが面白いのですが、伝わらないもどかしさや悔しさはとてもとても共感します。
スピーチの内容は極端だけど、そこに至る考えについては「そういう見方もあるよね」というところもあり、内向きになりつつある今にこの展示をする森美術館はさすがだなと思ったのでした。
私は会田誠が好きなので(90%くらいの作品は手放しで好き)また別な機会に別な作品について記録しようと思います。
【会田誠】日本の現代美術家。奈良美智や村上隆らとともに『新ジャポニズム』の代表的な作家とされる。絵画のみならず、写真、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画、都市計画を手掛けるなど表現領域は国内外多岐にわたる。(ウィキペディア・ミズマアートギャラリープロフィールより)https://mizuma-art.co.jp/artists/aida-makoto/
トップの写真は美術手帳2008年のリニューアル号。「天才でごめんなさい」とか「美しすぎる少女の乳房は~」などと合わせて撮りたかったのに本棚から見つけられなかったので、単体で。この時の美術手帳は会田誠×加藤愛コラボエコバッグが付録と豪華。もこもこした80年代風のファンシーな袋文字で書かれてる英文字はECOBAGでなくEGOBAG。きゃぴっとしている女の子から吹き出しで「偽善かな?」。お気に入りだったのに、どこかでなくしてしまった。残念過ぎる...。