令和の虎586人目 「令和の虎」を題材にした映画をつくり日本全国そして世界へ公開したい レポート
1.動画概要
俳優・鈴木朝代(32)による「 令和の虎 を題材にした長編映画を制作し、日本全国と世界に公開したい」 希望金額1,750万。判断保留で継続審議。
・今回の虎
島やん/島田隆史(株式会社お客様みなさまおかげさま 代表取締役)
茂木哲也(株式会社ピナイ・インターナショナル 代表)
宮本 聖菜(ecxia株式会社 代表取締役)
木下 博勝(さいたま新都心ジャガークリニック 理事長 鎌倉女子大学 教授)
林尚弘(株式会社癒し~ぷ 代表 株式会社FCチャンネル 代表取締役)
・司会
岩井良明(株式会社MONOLITH JAPAN 代表取締役)
2.動画考察
・志願者の経歴から見るポテンシャル
志願者は母子家庭で育った。母親の健康がすぐれず、経済的に余裕のない環境の中で、中学校卒業後から生活のためにアルバイトを始めた。自分と母親を捨てた父親への反骨心から、自らの存在を認めさせるために俳優を志すようになったが、芸能業界は競争が激しく、仕事を得ることが困難であった。
俳優業での仕事を増やすことができない状況の中で「令和の虎」の番組に影響を受け、夫とともに映像制作会社を設立し、現在は俳優業と映像制作会社の運営をおおよそ半分の割合で行っている。
・志願内容と、その評価
本プランは「令和の虎を題材に、映画を制作し全国展開する」という内容で、希望出資形態は投資、希望金額は1,750万円。資金は映画の制作費用にあてる。
志願のきっかけは、林氏のXの投稿である。2024年1月ごろ、林氏と映画監督の上田慎一郎氏(代表作「カメラを止めるな!」)との間で「令和の虎の映画を作りたい」というやり取りが交わされた。このやり取りを目にした志願者は、今こそ行動を起こすべきと判断し、志願を決意した。上田氏からはすでに内諾を得ており、本企画が完全ALLを獲得すれば、監督を務める意向を示している。
上映時間は90分程度を予定しており、撮影は2025年4月に開始する。撮影期間は10日間を見込む。脚本および監督は上田氏が担当し、主演俳優については、オーディションを実施して選定する。志願者はプロデューサーとして全体の企画推進に関与し、プロのサポーターが制作を支援する体制を整えている。
映画のコンセプトは「青春×ビジネス」であり、無名の若者が「令和の虎」に挑戦するストーリーとなっている。ストーリー上、主人公には完全ALLを獲得する以外の目的があり、上田監督ならではの意外性のある展開が盛り込まれる予定である。
映画の収益の69%をリターンとするほか、出資した虎には映画の出演権や話題性を提供する。目標入場者数は約5万人と設定しており、初月は10館でスタートし、興行成績に応じて拡大を図る方針である。将来的には、独占配信を実施し、収益の最大化を目指している。
なお、志願者は、今回の資金調達が実現しなかった場合、リベンジ版に再挑戦する意向を示している。ただし、筋を通すことを重視し、資金が確保できなければ無理に制作を進めることはしない考えである。
実績のある上田氏が監督を務めることで、映画製作に関するディスカッションは活発に行われた。上田氏の代表作「カメラを止めるな!」が300万円の低予算で制作され大ヒットを記録した成功事例を踏まえ、本作品の予算規模も妥当であると判断された。
作品の認知度を高めるとともに、国内上映への期待を醸成するため、海外の映画祭への出展を先に行う。特に、上田監督が過去に受賞経験を持つ映画祭や邦画の受賞実績が多い映画祭への出展が予定されている。さらに、他の国際映画祭への出展に向けたロビー活動を実施し、著名な映画評論家や文化人からオピニオンコメントを収集して宣伝活動に活用する方針も示された。これらの取り組みは虎からも現実的な戦略として高く評価された。
しかし、林氏がディスカッションの最中に上田氏へ直接連絡を取ったことで、上田氏がこの件に一切関与していないという明確な証言が得られた。これにより場の空気は一変し、志願者に対する疑念が一気に高まることとなった。
岩井氏は志願者に対して厳しい追及を重ね、真意を問いただした。その中で志願者は、自らの過去を語り始め、自分と母親を捨てた父親が岩井氏本人であることを告白した。そして長年抱えていた復讐心から「令和の虎」を終わらせるために志願したことを明かした。
感情が高ぶる中、志願者は突如、手に持ったナイフで岩井氏の腹部を刺すという衝撃的な行動に及び、場内は一時騒然となった。関係者が動揺する中、上田氏本人が「カット」の声とともに入室し、すべてがドッキリ企画であったことが明らかとなった。
企画の発端は、林氏および岩井氏が「令和の虎」の映画化について上田氏に相談を持ちかけたことにある。これを受け、短編版を制作し、番組内で試験的に実施することが決定された。本企画は、林氏、岩井氏、志願者ならびに上田氏の4名のみが事前に内容を把握しており、その他の関係者は事実を知らされていないドッキリ形式で進行したものである。
映像のプレミア配信を行い、コメント欄に寄せられる視聴者の反応を検証することで、映画化の可能性を探ることを目的としている。この放送が成功すれば、具体的な映画制作の検討に進む予定である。
3.まとめ
本プランは「令和の虎」本編において、初めて事前の打ち合わせを前提としたドッキリ企画として実施された。しかし、林氏を除く4名の虎は、ドッキリであることを知らされていない状態であり、それぞれ均等分配額である350万円ずつを提示する意向を持っていた。
今回のドッキリ企画は「やらせなし」を前提としてきた令和の虎にとって、極めて挑戦的な試みである。この背景には、従来のフォーマットだけでは視聴者の関心を維持することが難しく、番組の継続が厳しい状況にあることがうかがえる。しかし、同チャンネル内の人気動画と比較して再生回数が突出して多いわけではなく、期待されたほどの話題性や拡散効果を得られていないようにも見える。このことから、従来の「やらせなし」という信頼性を覆してまで挑戦した意義が十分に発揮されているかは疑問が残る。視聴者の反応や番組のブランドイメージを慎重に見極めながら、今後の戦略を再考する必要があると考えられる。