令和の虎514人目「オンラインサロンを開設し、パチスロをもっと身近な遊戯にしたい」レポート
1.動画概要:
令和の虎出演4回目のパチスロ系YouTuber・眞本進五(42)による「初心者がパチスロを楽しむためのオンラインサロンを開設したい」希望金額250万円中、107万円でNOTHING。
2.動画考察
・志願者の経歴から見るポテンシャル
志願者は四国から上京しギタリストとしてバンド活動に従事していたが、30歳を前に音楽活動を断念。その後、一般企業に就職。現在は「浜本シンのパチスロ俺イズム」というパチスロ系YouTubeチャンネルを運営、またパチスロライターとしても活動している。
志願者は4年前に「令和の虎」に初めて志願した。このときの志願者は軽率な発言や経歴の誇張、「アンパンマンは著作権フリー」などの虚言で虎からの信頼を損ない、結果はNOTHINGに終わった。彼はこの結果に不満を抱き、自身のYouTubeチャンネルで「岩井のせいで命を絶つ」といった内容の動画を公開し、主宰の岩井氏や虎たちからさらなる反感を買うこととなった。
その後志願者は「リベンジ版TF」に志願。結果はNOTHINGとなったものの、再挑戦条件である「いいね数1,000、コメント500」を大きく超え、最終的には「いいね数60,000とコメント数7,000」を達成。
ところが、すぐに「令和の虎」に出演せず「ダイエット版TF」に出演。この放送では、志願理由を「主宰からのオファー」と偽るなど、虚言癖が抜けていないと見なされた。
これらの経緯から信頼の回復に至らず、志願者を知る虎たちは冒頭から疑いの目を持って志願者に接した。特に桑田氏は志願者を「令和の虎史上最低評価の志願者であり、全部が虚言。思いついたことを真実であるかのようにいうタイプの人間」と評した。
・志願内容と、その評価
本プランは「パチンコ・パチスロ業界を盛り上げるため、初心者に向けてオンラインサロンを開設したい」という内容。希望出資形態は融資、希望金額は250万円。資金は自身のYouTubeチャンネルの動画制作費に充てる。
公営ギャンブルの市場が伸びているにも関わらず、パチンコ・パチスロの店舗数は年々減少している。志願者は、店舗が新規顧客の獲得を行えていないことが理由だと分析している。
このサロンは遊技人口600万人の中でも初心者をターゲットにし、パチンコ・パチスロに関連する攻略のコツを分かりやすく解説し、初心者が気軽にパチスロを始められるようにする。具体的には、最新台のレビューや実践的なアドバイス、コンサルティングを計画している。サロンの会費は月額990円。この金額はパチスロの最低利用額とほぼ同額であり、参加のハードルを低くする意図がある。
4ヶ月後に自身のYouTubeチャンネルの登録者数を3万人を達成する計画について、安藤氏は非現実的だとしたが、志願者は「100%ないとは言えない、1%でも勝率があればやるべき」と切り返した。
虎に対して真正面から自信を持って回答する様子から、バン仲村氏と唐沢氏は志願者に好感をもったが、桑田氏は「志願者のプレゼンは令和の虎対策をしているだけにすぎず、仮にこのプランで完全ALLを勝ち取ったとしても、実際の取り組みでは失敗する」とした。
・志願者の人間性
志願者を知っている虎は、彼の発言を全く信用していなかった。司会者のバン仲村氏はプレゼンの様子から「司会者を長くやってきたが、こんなに虎に疑われる人は初めて見た。取り調べみたいだ」と不思議がった。
志願者は「パチンコ・パチスロ業界を愛しているがため、日本独自の遊戯産業でもある業界の現状を救いたい」と語ったが、桑田氏からは「中身がないものを良く見せようとするので、業界のために考えているのかは疑わしい」とされた。
また志願者は「パチスロはギャンブルではなく、お金を払って楽しむ遊戯であるべき」「初心者でも楽しめる環境を作らなければ業界の未来はない」「業界に関わる労働者にも貢献したい」「自分とのコラボ動画を含むコンサルティングプランを提供する」などの業界を背負う立場であるかのような発言をしているが、志願者自身は店舗経営者ではなく、パチプロとしての知名度もない。YouTubeチャンネルの動画再生回数も1本あたり約2000回程度にとどまっており、チャンネルのコメント数約2000件のうち、9割がアンチコメントであることもわかった。
資料に記載されている自己資金の70万円については「自己資金をゼロとするとプランの評価が下がると考え、手元のパチンコ用口座の残高を加えて自己資金を装っているのではないか」と疑われた。このため、虎からは口座情報の開示を求められた。そして、実際の口座残高は71万円であった。
林氏は、志願者が今回の番組よりも先に「ダイエット版TF」に出演したことに対して失望感をあらわにした。林氏は「リベンジ版TF」での挑戦を経て、本編である「令和の虎」で志願者が成長した姿を見せることこそ、視聴者や虎の期待に応える道筋だと考えていた。しかし志願者の行動は「リベンジ版TF」の参加を促した茂木氏をはじめ、志願者に期待した虎たち、また志願者を応援していた視聴者への裏切りになると捉えたのである。
これに対し志願者は謝罪した一方で「自分にとって意味のある決断だった」と説明、林氏はこれを「人の気持ちよりも自分の気持ちを優先した」と受け止めた。
・虎が出資する意義、メリット
これまでの言動において信頼性に欠いてきた志願者に対して、出資をするメリットはないものと考えられる。
3.まとめ
志願者は番組内を通して、虎からの信頼を取り戻すことができなかった。唐沢氏は、ファンになったという理由で7万円を提示。そのほかに「令和の虎」にかける執着などが考慮され、合計107万円が提示されたが、結果はNOTINGとなった。
志願者は、虚言癖すらも「キャラクター作り」の一環とし、アンチコメントを含めて自らのブランディングに組み込み「令和の虎」をあえて利用しているとも考えられる。「信頼されない挑戦者」という独自の立ち位置を確立しているのかもしれない。
このように考えると、単に「失われた信頼を取り戻すのは難しい」と結論づけるのは早計だと思われる。信頼を得るという通常の志願者とは異なり「憎まれながらも、何度でも挑む不屈の存在」として話題性を武器にし、存在感を高める戦略をとっているように見受けられる。