返血のしかた
規定時間の透析が終了すると、回路内に残っている血液を体に戻す「返血」が必要になります。そのまま捨ててしまっては、血液がもったいないですし、なにより血液は「感染性廃棄物」になるので、その量を減らすことも重要だからです。
基本的には脱血側の回路に生理食塩水のバッグを接続して、生理食塩水で血液を押し出す方法だと思うのですが、透析クリニックでは生食バッグを使用しません。なら、どうやって返血するのか?
ダイアライザーから透析液を血液側に染み出させて(逆濾過透析液)、脱血側・返血側双方に血液を押し返しているように思います。透析液は十分にクリーンな水をベースにしていますから、血液に交じっても影響はありません。
除水しすぎて血圧が急降下してヤバいときにも、ダイアライザーから血液側に透析液を入れて、血圧を戻す処置をとります。なんどかお世話になったことがあります。血圧の上が70台まで下がっちゃって...
なぜそこまで血圧が下がるのか、わからないんですが、視界がキラキラしてきて、「こりゃヤバい」って感じるんです。そんな時は無理をせずナースコールして手当てしてもらうことにしています。
ダイアライザーから水(逆浸透透析液)を入れて返血する方法は、電源が正常に使えるときに限ります。非常時には生食を用いて「落差返血」が計画されています。しかし、トライアルしたときには、血管圧が高くて返血できませんでした。まぁ、その時になったら、患者としても何か対応策を考えます。
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