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【社長インタビュー第6弾!】デジタル×エンタメで人々を幸せにすることが好きな社長に起業志望の学生がインタビュー!

こんにちは!しお@27卒です!
本当にやりたいことをやろうと決心し吉本興業から独立、株式会社パンダビジョンを立ち上げた佐野篤さんにインタビューしてきました!


プロフィール

佐野篤
株式会社パンダビジョン 代表取締役
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https://twitter.com/sanoatsu0811

会社HP

事業内容について

ーー簡単な自己紹介と、佐野さんがやられている事業内容のご説明をお願いします!

株式会社パンダビジョン代表取締役の佐野と申します。岡山県出身で、大学進学を機に東京に出てきました。それから新卒で出版業界に就職し、小さな出版社で漫画の編集やライターの仕事をしていました。2007年に吉本興業に中途入社し、出版部門やPR、劇場での業務、テレビバラエティ番組制作など様々な経験を積みました。11年半働いた後、独立して株式会社パンダビジョンを立ち上げました。

弊社では、企業様のPR動画制作や、タレントキャスティングなど、クリエイティブ制作全般を手掛けています。また、新規事業としてファッション関係の仕事も準備しています。

ビジネスモデル

ーー具体的にはどのようなビジネスモデルで運営されていますか。

我々のビジネスモデルはBtoBtoCという形で運営しています。企業や行政機関向けにサービスを提供し、その先に一般の消費者がいるという構図です。フリーランスや他の動画制作会社と連携して代理店業務も行っています。現在の主力事業は受託事業です。

株式会社パンダビジョンの強み!

ーー株式会社パンダビジョンにはどのような強みがありますか。

私自身が出版業界や動画制作など、幅広いクリエイティブ業務を経験していることで、制作の流れを一通り分かっていることが強みです。また、吉本興業で培ったネットワークも大きな武器です。在籍していた時に他の芸能事務所やインフルエンサー事務所、デザイン会社、テレビ局、広告代理店など、多くのエンタメ関連企業とのつながりができました。これらの人脈があることで、プロジェクトをスムーズに進めることができる場面も多いです。あとは打ち合わせの時にお笑いについての話のネタになるっていうのはありますね(笑)

さらに、当社のスタッフも多様なバックグラウンドを持っており、それぞれが専門性を持っていることです。クリエイターとのネットワークがあり、業務提携している人が多いため、例えばバラエティーに強いディレクターさんやカメラマンさんなど、案件によって柔軟な対応ができます。

起業までの経緯ときっかけとは

ーー吉本興業から独立された経緯と、そのきっかけについて教えてください。

最初に前提として、吉本興業に新卒で入社して定年まで働く人はあまり多くなくて、他の会社に転職することも多いですね。その理由はさまざまだと思いますが、仕事がハードであることや、他の仕事に興味が出たりといったことですね。僕は中途入社ですが、10年間は働きたいと思っていました。それまでは3年、1年、1年と転職を繰り返してきましたが、吉本では経験を積むために様々な部署で10年働きました。
実は吉本はスタートアップやベンチャー企業に出資しており、スタートアップ企業と一緒にライブ配信イベントなどの新しいプロジェクトにも携わることができました。これが、スタートアップ企業に興味を持つきっかけになりました。

一方で、同世代や年下の方がYouTuberやライブ配信などのエンタメのスタートアップを起業して、成長しているのを目の当たりにし、少し焦りを感じていました。もし起業するなら40歳までにやらなければ遅いと考えるようになりました。

吉本でのサラリーマン生活も良い経験でしたが、本当にやりたいことであるYouTubeやライブ配信などの新しいメディアで若手クリエイターやタレントをプロデュースするということが将来的にいつもできるわけではないので、思い切って起業することにしました。
また、自分の会社を作り、過酷な現場が多いエンタメ業界の中で、働きやすい環境を提供したいという思いがあったことも理由の1つです。2、3年悩んだ末、40歳の時に起業を決意しました。

ーー起業を決意するにあたってどのような意思決定をしましたか

僕が退職を決めたとき、もちろん会社員として働いていると嫌なことや気まずいことがありました。同僚と衝突したり、嫌な仕事をしなければならないこともあります。しかし、そうしたネガティブな理由だけで辞めるのではなく、起業が楽しそう、これをやりたいといったポジティブな気持ちが上回ったときに辞めようと決めました。

ただ嫌だからと仕事を投げ出すのではなく、起業するためのポジティブな理由が退職するというネガティブな理由を上回ったら、堂々とその意思決定をしてもいいのではないかと思います。

起業を決めてからの具体的な行動

ーー起業を決意されてから具体的にどのような準備をされたのですか。

2014年頃から、転勤で大阪に4年間住んでいました。その時に退社して起業しようかと悩み、2、3年ぐらい考えましたが、悩んでいてもしょうがないと思い、大阪にあるスタートアップカフェに行ってみました。大学の中にあって、起業のためにどうすればいいかなど色々と相談に乗ってくれる場所です。起業に関する本を何冊か買って読んだこともあります。

その経験がどれだけ役立ったかは今となってははっきり分かりませんが、基本的な会社登記の仕方や事業計画の作り方などを学びました。その後、東京に半年間転勤し、そこで丸の内にあるStartup Hub Tokyoに通いました。無料で相談に乗ってくれる場所で、イベントやワークショップにも参加していました。

人によっては、イベントやワークショップに参加すること自体が目的になってしまうこともあるかもしれませんが、大事なのは事業をどう作っていくかということです。目的を持って参加しないと、ただ出席しただけで終わってしまうこともあります。私もイベントに多く参加しましたが、何がプラスになったのかと考えると、起業を志すコミュニティに所属している感覚だったり、心構えといったところが大きいかもしれません。

ーー起業して大変だったこと困難だったことは何ですか

起業する際に、最初に何から手をつけていいかわからなかったことです。会社員であれば、毎日のルーティンや決まったタスクがありますが、起業するとそのような決まりごとがありません。起業して最初に行ったことは、吉本時代に仕事をした広告代理店やテレビ局、クライアントに連絡して、「何かお仕事があれば」と打診することでした。しかし、連絡が取れないことも多く、大企業にいたからこその関係性に頼ることはできないと感じました。結局、ゼロから仕事を作り出す気持ちで営業することが大事だと思いました。

最初の2、3ヶ月は仕事がなかなか見つかりませんでした。2019年6月に起業しましたが、半年ほど営業を続けてようやく少しずつ仕事が増えてきたタイミングで、2020年の春にコロナ禍が訪れ、多くの仕事がキャンセルや延期になってしまいました。

イベントやプロモーション動画制作の仕事も多くが中止となり、どうしようかと途方に暮れました。最初に仕事を取ってくる過程が最も大変であり、大企業での経験とは違い、企業の問い合わせフォームからの連絡も返ってこないことが多いです。
自分の肩書きがない状態で始めることの難しさを感じました。

しおさんのような大学生が起業する場合、自分が何ができるかを伝えるのが難しいと感じると思いますが、色々と試行錯誤してみるのも良いと思います。私は起業前はバイト程度の経験しかなく、何が得意かもはっきりしませんでした。しっくりくる仕事やアイデアが見つかるまでは無理しなくてもいいと思います。起業には様々なパターンがあり、自分に合ったやり方を見つければいいのです。周りと比べて劣等感を感じることもありますが、本質的なことではありません。自分のペースでやりたいことを見つけていくことが大切で、もっと泥臭く、地道に課題解決に取り組むことが重要だと思います。

今感じている会社の課題

ーー現在、会社運営で感じている課題や問題点について教えてください。

動画制作やクリエイティブなデザイン分野は競合が非常に多いです。吉本を退社して同じような業界に進む人も多く、テレビ局を辞めてこの分野に入る人もたくさんいます。そのため、独自性を出すのが難しく感じることがあります。フリーランスの動画ディレクターも増えてきている中で、会社としての価値や差別化を見出すのは難しいと感じています。

そこで、自社コンテンツの制作や、ファッション分野ではアパレルブランドを立ち上げるなど、新しい方向にシフトしていきたいと考えています。

さらに、低価格で高品質なものを求められると、値段を上げづらくなり、収益性が低くなってしまいます。クリエイターに支払う報酬もあり、しっかりとした収益を上げるには、動画制作だけでなく、イベント企画や広告運用など、多面的なサービスを提供する必要があると考えています。

今後のビジョン

ーー今後のビジョンや目標について教えてください。

エンターテインメントのビジネスを通じて、人々を幸せにすることが好きなので、これを続けていきたいと考えています。日本には、多くの才能あるクリエイターや若手芸人、地下アイドルなどがいますが、食べていくのが難しい人が多いのが現状です。この問題を解決するために、日本市場だけでなく、海外市場にも目を向けることが重要だと思っています。

日本のエンタメやコンテンツは、海外、特に中国や東南アジア、北米などでも人気があります。そこで、日本の才能あるクリエイターやアーティストが、海外でも活躍できる場を作りたいと考えています。その一環として、日本のコンテンツとリンクしたファッションブランドの立ち上げを計画しています。

具体的には、コスプレイヤーやアニメ、ゲーム関連のファッションを取り入れ、海外市場に進出することを目指しています。最近では、この1ヶ月間で色々な事業を模索しており、コスプレやアニメ関連のファッションブランドを立ち上げる準備を進めています。まだ形にはなっていませんが、今後もっと努力していく必要があると思っています。

起業志望の学生に向けてメッセージ!

ーー最後に、起業を志望する学生に向けてメッセージをいただきたいです!

正直なところ、僕も起業家としてはまだまだこれからの段階なのですが、それでも何かしらの参考になればと思ってお話させていただきます。
まず「純粋さ」を持ち続けてほしいと思います。若い感性や、自分が感じる違和感や課題感、社会課題に対する視点は非常に重要です。若いからこそ気づけることや、新しいアイデアが生まれることも多いですから、そのピュアな気持ちを大切にしてほしいです。

一方で、「賢さ」も持っていてほしいと思います。起業の世界では、多くの人と出会い、さまざまな経験をすることになります。その中で、悪意を持つ大人に騙されないような、ずる賢さや、自己防衛のスキルも必要です。純粋さと賢さ、この二つをバランスよく持つことが大切だと思います。

大学という枠から外れて、自分の世界を広げていく中で、これらのことを意識して行動していくと良いのではないかと思います。

また、エンタメで起業を考えるなら、様々な体験を積んでほしいと思います。例えば、音楽やファッションなどの感性は、20代前半までに培われて固定化されることが多いと言われています。好きな音楽やファッション、漫画、お笑いなど、そういった感動を受けることが多い学生時代は大切な時期です。

音楽なら色んなジャンルの曲を聴いてみる、ファッションなら色々なアパレルを試してみる、ライブに行ってみる、小説を読んでみる、そういった多岐にわたる体験を積むことで、自分の感性を広げていくことが重要だと思います。学生時代は時間が比較的自由に使えるので、この期間に多くの経験をすることが、将来的にエンタメ起業家としての強みになります。好きなものを突き詰めていくことが重要だと思います。後で役に立つ経験となるので、ぜひ学生のうちに色々なことに挑戦してほしいと思います。私自身も学生時代に多くの音楽を聴いたり、さまざまな体験をしたことで、その経験が今の自分に役立っていると感じています。

インタビューを終えて

佐野さんのインタビューを通じて、起業するまでと起業してからのリアルを知ることができました。仕事を頂くには自分が何者であるかを証明することが大切だと仰っていたことが印象に残っています。
また、自分のやりたいことや取り組みたい課題が見つかったときに、起業すればいいという言葉を頂きました。自分は起業することに焦っていて周りが見えていなかったことに気づきました。もっと純粋に自分のワクワクする気持ちに向き合おうと思います。そして、やりたいと思うポジティブな感情が上回る瞬間を見つけたいと思います!
エンタメビジネスという新しい分野を知って、自分の視野がまた広がりました。佐野さん、素敵なお話をしていただき、ありがとうございました!

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