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自己開示は、対自分の思考整理から

はじめに

相手を知るとは、「人となりや、価値観を知ること」だと考えています。
自己開示をする機会は自ら増やしていくことが大事なのだと、最近になってようやく気付けました。
他人に興味を持つ瞬間は、「あ、この人自分と同じだ!」というように対自分に矛先が向いてる場合が多く、共感性が高ければ高いほど、反応したくなるものだと思っています。意外と、人間は自分のこと以外に気付けないものです。何も知らない人からすると、自己開示してくれないと分からないものは分からない、というのはごもっともで。

とは言ってもいきなり自己開示するのは難しいと思います。やろうと思えばできるかもしれませんが、ハードルが高いのです。デザイナーとして、本来の自分として、思考を他者に見せるというのは、まだ見ぬ自分の底を明らかにするという意味で、つまり、自分そのものを理解していないと、できないことなのかもしれないと考えています。
では、自分を理解するとはなんでしょうか。
理解するために必要なのは言葉、つまり言語化することと向き合えているかどうかが重要です。自分の思考を整理し、感情を言語化することで、ようやく自己開示ができる下準備が完成するという話です。


言語化とは

ちなみにデザインにおいての言語化とは、「客観視」した上で「整理」できているかどうか、分けて深掘りして構造化することが重要なようです。解像度を上げることによる思考整理を目的としています。

このように、デザインにとって言語化は深い関わりがあるということが分かりましたが、そう言われましても難しい!というのが率直な感想でした。

そもそも言語化する上で必要なのは、語彙力を鍛えることではありません。仮に、語彙力を鍛えたとしても、適切な言語化とは少しニュアンスが異なるのです。今回伝えたい言語化とは、どれだけ細かく分けることができるかが重要になります。


言語化のコツ

言語化するためのコツとして、「感情の名前」「心が動いた瞬間」「感情の理由」といったキーワードが挙がりました。これらに共通するのは自分の気持ちなのではないでしょうか。

つまり、自己開示するための思考整理として、その瞬間の自分の感情を知ることが近道になるのです。実際に、新卒採用の過程で学生さんと対話するときに、感情についての気づきを突いてみると、素敵なエピソードが聞けたりします。これは冒頭でもお話しした「人となりや、価値観を知ること」に直結する部分でもあり、筆者自身が採用を通して学んだ気づきです。


ムードメーターを活用したワーク

イェール大学の感情知性センターが開発。imgの日本語訳はアイズプラスが作成したもの。

上記の気づきを踏まえ、思考整理のためのヒントになるムードメーターを活用し、自分の感情と向き合うデザトレをデザインチームで開催してみました。強制的に自己開示させる場所を作ってしまおうという策略です。

デザトレテーマ
注意事項
テンプレート

作成時間は35分前後で、メンバーには、各自プライベートに関わる出来事や、記憶に残っていた思い出、日常の気づきなどをテーマに、当時から現在の心境の変化について語っていただいたり、感情ベースで振り返りながら、なぜそう思ったのか?に対する理由の深掘りを行っていただきました。
対自分の感情と向き合うことで、自分の価値観を知り、他者に共有できるサイクルを作り出すことができれば、自己開示する機会もどんどん増えていくはずです。

今回のワークで、筆者自身が自己開示した内容は、「ヒーローという概念が好きと自覚した時の話」になります。ちなみにフィーリングが7なのは、自分自身がヒーローではないことから、人間らしさとしての気持ちの揺れ動き方には共感できるが、全く同じ体験をしたわけではないため、リアリティ軸で考えた場合は、実感が湧かないからです。エネルギーは感情出力の度合いが近いかどうかを考えて8にしています。結果は「生き生きとした」になりました。このムードメーターは、自分と向き合うだけでなく、自分の感情に素直になりたい場合に有効です。意識的に記録していけば、当時の感情を簡単に振り返ることができるでしょう。筆者がヒーローという概念に触れたい衝動に駆られる瞬間は、もしかするとヒーローから元気をもらいたい時なのかもしれません。このように、自分を理解していくことで、意識的に自己開示したいと感じられるようになるかもしれません。その際は、等身大で、自分のことを発信してみてください。すると、自己開示した分だけ、話を聞いてくれた相手も、案外心のうちを明かしてくれたりするものです。それこそが、良いコミュニケーションへとつながっていくのだと思います。

さいごに

最近ハマっている言語化について、一度咀嚼して、言語化のどういった要素に惹かれているのかを細分化した結果、今回のような自己流テーマへと流れつきました。そこに行き着くまでの過程には、筆者自身の思考や、経験から学んだことも多く、現在までに得たことを文章として何かしらの形で皆さんに発信できたらいいなと考えた次第です。自分の思考整理も兼ねていますが、少しでも「自己開示」や「思考整理」の参考になれば幸いです!
少し長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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