拝啓 クリープハイプ様

「"懐かしい"ってそんなに良いものなのかね」
とクレヨンしんちゃんの映画(オトナ帝国)で
子供心を戻した大人を見て、
風間くんが発するセリフ。

わたしも風間くんが言うように、
"懐かしい"という感覚が分からなかった。

そんな26歳の夏、
千葉県蘇我市で開催された
ROCK IN JAPAN FES.2024に行き、
トリであるクリープハイプのライブを見た。

何がきっかけかは忘れたが、
高校生の頃、クリープハイプが作る音楽を聴き、
ライブに足を運んでいた。
ちょっと大人な歌詞、
今までに聴いたことがないようなメロディは
なんだか大人の仲間入りしたような気分で
大好きだった。(今も、もちろん大好き)

社会人になってからは、
音楽自体をあまり聞かなくなったし、
ワンマンライブ自体に行くこともなかったが、
クリープハイプは、
学生の頃に聴いていた音楽を聴き返し、
各フェスで名前があると必ず見に行っていた。

26歳になってから見るクリープハイプは、
私が見ていた10年前と変わったようで変わらない。
セトリも学生当時に聴いていた曲が多く、
ボーカルが「トリを飾るまで12年、干支一周かかった」と言っていて、
自分もその大半の時間を一緒に過ごしてきた気がした。

高校生という多感な時期から、
社会人までの10年間、色々なことがあったが、
目の前のことでいっぱいいっぱいで、
普段、振り返る時間はない。

しかし、クリープハイプの音楽を聴いて、
走馬灯のように良いことも、
辛かったことも全部思い出して涙が出た。
懐かしいってこういうことかと。
もう戻ってこないあの時間が愛しくて。
懐かしいって良いものだよ、風間くん。

私の青春の1ページになった、
クリープハイプに出会えたことに感謝したい。
そして、
また10年後もクリープハイプのライブを見て、
26歳のこの夏を思い出したい。

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