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大人のための絵本の巨匠『エドワード・ゴーリー』氏の作品に触れる※ホラー苦手な方は閲覧注意を

★独特な世界観を描いた絵本作家

どうもおはこんにちこんばんは、ホラーが好きな夏目である。

さて、みなさんは「エドワード・ゴーリー」氏の名前を聞いたことがあるだろうか?

絵本という体裁でありながら、道徳や倫理観を冷徹に押しやったナンセンスな、あるいは残酷で不条理に満ちた世界観と、徹底して韻を踏んだ言語表現で醸し出される深い寓意性、そしてごく細い線で執拗に描かれたモノクロームの質感のイラストにおける高い芸術性が、「大人のための絵本」として世界各国で熱心な称賛と支持を受けている

wikipediaより

私の「エドワード・ゴーリー」氏への印象は「ホラー絵本作家」様だと思っていた。

何故か?

絵本の表紙を一目見て「ホラー系」だと、私のセンサーが反応したからだ。
髑髏に黒い服、まるで喪服だ。それに黒い傘、表情は心なしか笑っている。
雨も降っていないのに何故傘をさす?
沢山の子供達の表情には生気が感じられず、子供達の地面には、彼ら彼女を飲み込むほどの大きな影がくっついている。
・・・まさか、あの傘の影?

色々推測は尽きなかった。

そして、どんな絵本なのかコンテンツを見てみた。
トドメがこれだ。

商品説明

AからZまでが名前の頭文字についた子どもたち。登場と同時に次々と怪我や死に遭う。ただそれだけの、あっけなくも悲惨な話が、マザーグース風の2行ずつ脚韻を踏んだ軽快なテンポのうたに乗って進む、エドワード・ゴーリーの代表作。左ページに英語の原文、右ページに白黒のペン画、画の下にキャプションのような邦訳がついた、怖い絵本だ。

階段から落ちる、びょうを飲む、火だるまになる、線路で圧死、沼でおぼれる、オノでグサッ、ケンカのまきぞえ…。26人の子どもたちは、実に26通りの事故や犯罪に遭って、死んでいく。ここまで正面から当然のように子どもの死を陳列されると、いったいこれは何?と考え込んでしまう。

不幸の箱のような絵本なのに、繰り返し見たくなる。その魅力は、これら26人の子どもたちが、私たちの身代わりの人形(ひとがた)として悪魔払いをしてくれる、と思わせるからかもしれない。

危険に満ちた遠出の後でも、ふつう多くの子どもは戻ってくるのだが、一見平穏な日常が、紙一重で死と隣り合わせていることを、きゃしゃな手足、無防備で無垢な表情の、ゴーリー描く人形(にんぎょう)めいたこのちびっ子たちが、気づかせてくれる。(中村えつこ)

Amazon「ギャシュリークラムのちびっ子たち: または 遠出のあとで」購入ページ

衝撃的だった。
この作品に触れる勇気のあるものだけが「購入せよ」という警告にもとれる。
購読すると、さらに衝撃的だった。
本当に、A~Zの名前の頭文字の子供達が、韻を踏み、リズムに乗って歌うように・・・、いろんな形で命を落としていく。
26回。
それが至極当然のように。
挿絵はヴィクトリア朝のモノクロの細かい線で描かれており、「モノクロ」であることも彼の世界観を作る要素になっているようだ。

何故子供達はそんなひどい目に遭うのか?
何故アルファベット順なのか?

何故みな、死ぬのか?

この作品にオチなどない。
在るのは虚無と狂気(カルト)だけ。

なるほど。
「ホラー」という枠組みでくくることのできる単純なものではなかったのだ。
私の「ホラー」に対する見解は、

①呪い、都市伝説なる災いの存在
②①を冒涜する、興味本位での人間のいたずら等、「ホラー」となる要因・起因
③「ホラー」が発生
④「ホラー」の解決策思案
⑤「ホラー」解決(live or die)「ホラー未解決」分岐

と、きちんとどうしてホラーが起きてどう解決するかときちんと構成された物語がある。(全部ではないが)

「エドワード・ゴーリー」氏の作品は、

もう、それすら存在しない。

これは、彼の世界だと思ったのである。
「ホラー」という俗世の言葉に当てはまらないのである。

もう1冊、作品を紹介しよう。

★『蟲の神』


こちらも独特な韻を踏み、テンポが生まれ、彼の紡いだ文章を口ずさむ。

なるほど、今回は商品説明が無いらしい。

皆様のために、ここで大体なあらすじを語ろう。

とある町か村か。そこで子供が行方不明になる。
その子供の行く末と結末は?

ここで絵本の表紙とタイトル「蟲の神」を見て、想像して欲しい。

そもそもこの「蟲」は何か?
この「蟲」は「神」なのか?
「蟲」の「神」がいるのか?

・・・子供は一体どうなったのか?
そして、是非訳者あとがきを読んで欲しい。
訳者あとがきには色々な思いが綴られている。

何故夏目がこの作品にも触れたのか。

それはフロムソフトウェアというゲーム会社が出した

ELDEN RING(エルデンリング)

という本格的なダークファンタジーの世界を舞台にしたアクションRPGであるのだが、その登場する物語の1つが、この本が元ネタであるという情報を得て、入手したのだ。

このフロムソフトウェア会社は「Bloodbome」(ブラッドボーン)や「DARK SOULS」(ダークソウル)シリーズを手掛けた、ゲームでダークファンタジーを作り出し、その独特な世界観や物語に「ゲーム」好きが知らない人はいないであろう名作を生み出している。

その「元ネタ」になっているのであれば、読むしかなかったのである。

とまぁ、話は脱線したが、ゲームにまでもリスペクトされた作品ということである。
それだけ「知る人ぞ知る」、他者に影響を与える世界だ。

★最後に

いかがだっただろうか。
まだまだ「エドワード・ゴーリー」氏の作品は沢山ある。
どれもこれも評価が高い。

・・・みんな、すごいな・・・。

貴方は、彼の本を読む勇気と世界を受け入れられる覚悟はあるか?

夏目は?

・・・正直、ビビってい・・・っていないないさ。

ここまで読んでくれてありがとう。


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